穴ぐさ傾向と対策
ホープフルSはスタミナ豊富な血脈が必要?
先週(12月21日~22日)の穴ぐさは[3.3.7.70](複勝率15.7%)で、阪神Cで【B】評価だったメイショウショウブが10番人気で③着に食い込みました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!
有馬記念は2~4番人気という人気馬が上位を占める決着でしたが(①着リスグラシュー、②着サートゥルナーリア、③着ワールドプレミア)、断然の1番人気だったアーモンドアイが初めて馬券圏外に敗れる⑨着という結果になってしまいました。
アーモンドアイは2500mや中山が初めてで、道中での走りにいつもよりも力みが見られ、スタミナを失った様子でしたが、中山や2500mが初めてというのは勝ったリスグラシューも同じで、②着サートゥルナーリアに5馬身差を付けたリスグラシューの強さを称えるべきでしょうね。
アーモンドアイが敗れても①~④着はノーザンファーム生産馬で、リスグラシューは3枠6番という枠順でした。ということで、今週も恒例の表をご覧ください。
【2019年のJRA平地G1】
枠順 | ノーザンファーム生産の 1~3番人気 |
ノーザンファーム生産の 4番人気以下 |
ノーザンファーム以外 の生産馬 |
1枠 | [2.1.1.3] | [0.0.0.5] | [1.2.1.24] |
2枠 | [0.0.2.4] | [2.0.1.12] | [1.1.4.15] |
3枠 | [6.1.0.2] | [3.0.1.8] | [0.1.0.22] |
4枠 | [1.1.0.2] | [0.1.1.15] | [2.4.2.16] |
5枠 | [0.1.0.4] | [0.1.1.9] | [0.4.2.24] |
6枠 | [1.1.1.3] | [0.0.1.10] | [0.0.0.29] |
7枠 | [2.0.3.1] | [0.1.0.14] | [0.1.1.33] |
8枠 | [2.0.0.2] | [0.1.1.16] | [0.1.0.34] |
今年のJRA平地G1についてノーザンファーム生産馬を中心に表すと上記の通りで、23戦のうち14勝をノーザンファーム生産の1~3番人気が挙げ、5勝がノーザンファーム生産の4番人気以下で2~3枠に入った馬、4勝がノーザンファーム以外の生産馬で1~4枠に入った馬によるものです。優勝馬は、ノーザンファーム生産の上位人気馬か、内目の枠の馬ということです。
スプリンターズS以降の今秋の芝G1ということなら、10戦の優勝馬がすべて1~4枠で、秋華賞以降の9レースはいずれも1~3枠から勝ち馬が出ています(しかもノーザンファーム生産馬が9連勝中)。
【2019年秋以降のJRA芝G1優勝馬】
レース | 優勝馬 | 人気 | 枠順 | 生産 |
スプリンターズS | タワーオブロンドン | 2 | 4枠8番 | ダーレージャパンファーム |
秋華賞 | クロノジェネシス | 4 | 3枠5番 | ノーザンファーム |
菊花賞 | ワールドプレミア | 3 | 3枠5番 | ノーザンファーム |
天皇賞・秋 | アーモンドアイ | 1 | 1枠2番 | ノーザンファーム |
エリザベス女王杯 | ラッキーライラック | 3 | 1枠2番 | ノーザンファーム |
マイルCS | インディチャンプ | 3 | 3枠5番 | ノーザンファーム |
ジャパンC | スワーヴリチャード | 3 | 3枠5番 | ノーザンファーム |
阪神JF | レシステンシア | 4 | 2枠4番 | ノーザンファーム |
朝日杯FS | サリオス | 1 | 3枠6番 | ノーザンファーム |
有馬記念 | リスグラシュー | 2 | 3枠6番 | ノーザンファーム |
有馬記念でのアーモンドアイは5枠9番だったので、こちらの傾向は崩れるかなと思っていたのですが、3枠6番のリスグラシューが制して、見事継続となりました。
ということで、今年の最終開催となるホープフルSも1~3枠に注目される人が多いんじゃないかと思うのですが、サラブレ編集部の公式ツイッター(@sarabure_eb)で【気になるデータ】として記した通り、近5年のホープフルSでの父サンデー系の馬は内枠に入ると好走できていないので、その点は気になります。
【重賞の近5年のホープフルSでの父サンデー系の馬】
馬番 | 着別度数 |
馬番1~5番 | [0.0.0.13] |
馬番6~11番 | [3.4.0.14] |
馬番12~17番 | [0.0.1.7] |
ホープフルSが重賞として行われたのは近5年で(2014~16年はG2、17~18年はG1)、父サンデー系で連対圏に入った7頭は馬番6~11番でした。馬番1~5番に入った父サンデー系は近5年で13頭いて、そのうち5番人気以内の馬も5頭いたのに馬券圏内に入れていません。今年は登録馬の17頭のうち14頭が父サンデー系で、内過ぎず外過ぎない枠が良いかもしれません。
ちなみに、今秋以降の中山芝重賞は8レースが行われていて、距離に関係なく、サドラーズウェルズやニジンスキーを持つ馬がよく好走しているので、その点も気になります。
【2019年9月以降の中山芝重賞】
レース (出走頭数) |
サドラーズウェルズ | ニジンスキー |
有馬記念 (16頭) |
①着リスグラシュー ②着サートゥルナーリア |
②着サートゥルナーリア |
ターコイズS (16頭) |
②着エスポワール ③着シゲルピンクダイヤ |
①着コントラチェック |
ステイヤーズS (13頭) |
なし | ②着アルバート |
スプリンターズS (16頭) |
①着タワーオブロンドン | なし |
オールカマー (10頭) |
なし | なし |
セントライト記念 (18頭) |
②着サトノルークス ③着ザダル |
なし |
京成杯AH (16頭) |
②着ディメンシオン ③着ジャンダルム |
なし |
紫苑S (15頭) |
なし | ③着カレンブーケドール |
①~③着に入った馬で5代血統表内にサドラーズウェルズかニジンスキーを持つ馬を抽出すると上記の通りで、有馬記念はサドラーズウェルズを持つ馬(リスグラシュー、サートゥルナーリア)のワンツーでした。1200mのスプリンターズSも優勝したタワーオブロンドンがサドラーズウェルズ持ちで、馬券に絡まなかったのは10頭立てでスティッフェリオが逃げ切ったオールカマーだけです。
母系にスタミナ豊富な血脈があり、父系にスピードや軽さのあるタイプがよく好走している印象なので、ホープフルSもそんな血統馬が面白いのではないでしょうか。上位人気が予想される馬の中では、オーソリティがサドラーズウェルズを持ち、ブルーミングスカイやワーケアはニジンスキーを持っていますね。どうぞ参考にしてください。
12月28日に行われる中山、阪神の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
12月28日
場所 | 芝 |
中山 | Aコース・5週目 |
阪神 | Bコース・2週目 |
12月28日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
中山7R | YJS中山第1戦 | 出走ナシ |
中山9R | YJS中山第2戦 | [0.1.0.5] |
中山10R | 立志S | [0.0.0.3] |
中山11R | ホープフルS | [2.1.2.23] |
中山12R | ベストウィッシュC | [0.2.1.3] |
阪神9R | 春待月賞 | [0.0.1.5] |
阪神10R | フォーチュンC | [0.0.0.3] |
阪神11R | ベテルギウスS | [1.5.3.13] |
阪神12R | ファイナルS | [2.3.2.29] |
☆注目レース☆
ホープフルS(G1、中山芝2000m)
ホープフルSでの穴ぐさは[2.1.2.23](複勝率17.9%)で、重賞の時に限ると[0.1.2.12](複勝率20.0%)で、複勝率回収率は104%です。昨年は13頭立てで堅い決着になったので、今年は多頭数になってほしいところです(登録馬は17頭)。
重賞の近5年では7番人気以下で③着以内に入った馬が4頭いて、いずれも②~③着です。その4頭はいずれも前走が芝1800~2000mで、1~3番人気に推されて勝利していました。4頭のうち3頭が父サンデー系、残りの1頭が母父サンデー系で、いずれも4代血統表内にミスタープロスペクターを持っていたので、サンデー系とミスプロ系を持つ馬は侮れないでしょう。
☆注目レース☆
ベテルギウスS(OP特別、阪神ダート1800m)
ベテルギウスSでの穴ぐさは[1.5.3.13](複勝率40.9%)で、複勝回収率は223%です。穴ぐさがいた9年中8年で馬券に絡む馬が出ていて、昨年はマイネルバサラが8番人気で②着に食い込みました。
馬券圏内に入った9頭は4~8歳の牡セン馬で、そのうち8頭は関西馬で、6頭が関西所属の4~5歳馬です。2009年以降に激走した7頭は馬番8~13番で、その7頭のうち5頭は阪神か中山のダートの特別競走で勝利実績があったので、直線に急坂があるダートで実績があり、真ん中から外枠に入ったタイプが侮れないでしょう。
☆注目レース☆
ファイナルS(3勝クラス、阪神芝1200m)
ファイナルSでの穴ぐさは[2.3.2.29](複勝率19.4%)で、2014年以降は5年連続で馬券に絡んでいます。その近5年はダート1400mや芝1400mでの施行で、今年は芝1200mになりますが、相性の良さに期待したいですね。
芝1400mで③着以内に入った3頭の穴ぐさは4~5歳で、いずれも前走が阪神以外の芝で馬券圏外に敗れていましたが、阪神芝で連対実績がある馬でした。芝1200mの今年も、阪神実績馬の巻き返しに注意しましょう。
☆注目レース☆
ベストウィッシュC(2勝クラス、中山芝1600m)
ベストウィッシュCでの穴ぐさは[0.2.1.3](複勝率50.0%)で、複勝回収率は271%です。昨年は【B】評価だったサンクロワが②着に入り、一昨年は【A】評価だったジョンブドールが②着、【B】評価だったユニゾンデライトが③着に入る【穴ぐさダブル】でした。
馬券に絡んだ3頭は父か母父がサンデー系の4~5歳馬で、中4週以内の臨戦でした。3頭は社台グループの生産で、12~1月に③着以内の好走歴があったので、冬季実績のある馬をマークしておきましょう。