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穴ぐさ傾向と対策

NHKマイルCの1番人気にはイヤな流れが!?


先週(5月2日~3日)の穴ぐさは[3.8.7.100](複勝率15.3%)で、天皇賞・春【C】評価だったスティッフェリオが11番人気で②着に激走しました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました! また、「報告掲示板」に多数の書き込みをしていただき、ありがとうございました。

スティッフェリオは直線で抜け出し、最後までよく頑張りましたが、最後はフィエールマンG1馬の底力を見せつけられた感じでした。フィエールマンは8枠14番で、「大外枠が…」という記事も見かけましたが、先週のこのコーナーで記した通り、最近の長距離重賞はむしろ外枠の馬がよく勝っていて、その流れが続きましたね。

先週の天皇賞・春までで今年の芝G1は5レースが行われ、5レースすべてで8枠の馬が馬券に絡んでいることをご存知でしょうか。高松宮記念は8枠16番モズスーパーフレア①着、大阪杯は8枠12番クロノジェネシス②着、桜花賞は8枠17番レシステンシア②着、皐月賞は8枠16番ガロアクリーク③着、そして先週の天皇賞・春でフィエールマン8枠14番優勝しました。

今年の芝G1(5レース)での枠順別成績は次のようになっています。

【2020年のJRA芝G1】
枠順 着別度数
1枠 [1.0.0.7]
2枠 [0.0.2.6]
3枠 [0.0.0.9]
4枠 [0.3.1.5]
5枠 [2.0.0.8]
6枠 [0.0.1.9]
7枠 [0.0.0.13]
8枠 [2.2.1.8]

複勝率で比べると、4枠が複勝率44.4%でいちばん高く、2番目に高いのが8枠(複勝率38.5%)です。

今週末からは東京芝でG1・5連戦が予定されていますが、NHKマイルCは昨年が枠連8-8という決着で、優勝したアドマイヤマーズが8枠17番でした。NHKマイルCは近10年のうち7年で8枠が馬券に絡んでいるレースですから、8枠好調の流れは今週末も続くかもしれませんね。

NHKマイルCはその名称が示す通り、マイル戦(1600m)ですが、今年の芝1600m重賞については、上位人気馬ばかりが優勝している傾向が見られます。

【2020年のJRA芝1600m重賞】
人気 着別度数
1番人気 [2.1.1.8]
2番人気 [5.2.1.4]
3番人気 [2.0.0.10]
4番人気 [3.2.0.7]
5番人気 [0.2.4.6]
6番人気 [0.2.0.10]
7番人気以下 [0.3.6.96]

今年は芝1600m重賞が12レース行われ、優勝した12頭は1~4番人気に推されていました。これを見ると、NHKマイルCも上位人気馬が勝つ?という気がしてきます。

ただ、上表を見てもらえれば分かる通り、2番人気が5勝を挙げているのに対して、1番人気は2勝で、そこまで勝てていないんですよね。1番人気で勝利した2頭は11~12頭立てだったアーリントンCのタイセイビジョンとマイラーズCのインディチャンプで、14頭立て以上だと[0.1.1.7]だったりします。

1番人気があまり勝てていない傾向は、実は、今年の東京芝の重賞でも見られています。先週の青葉賞までで今年の東京芝の重賞は6レースが行われ、1番人気は[0.0.1.5]という成績です。勝てていないどころか、連対圏にも入れていません。

【2020年の東京芝の重賞】
人気 着別度数
1番人気 [0.0.1.5]
2番人気 [1.1.2.2]
3番人気 [2.1.0.3]
4番人気 [2.3.0.1]
5番人気 [0.0.2.4]
6番人気 [0.1.0.5]
7番人気以下 [1.0.1.52]

6レースのうち5レースでは2~4番人気が勝っていますが、1番人気は青葉賞での③着フィリオアレグロが最高着順で、単勝1.5~2.1倍だった3頭が馬券圏外に敗れていたりします。

NHKマイルCの後は、ヴィクトリアマイルオークスダービー安田記念とG1が続くわけですから、後々のことを考えても、早めに1番人気が勝利してイヤなジンクスに終止符を打ちたいところでしょう。NHKマイルCでの1番人気がその役目を果たせるでしょうか。

5月9日~10日に行われる東京、京都、新潟の芝の使用コース特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。

5月9日~10日
場所
東京 Aコース・3週目
京都 Cコース・3週目
新潟 Bコース・1週目

5月9日
場所 レース名 穴ぐさ
成績
東京9R 立夏S [0.6.1.24]
東京10R メトロポリタンS [0.1.0.12]
東京11R プリンシパルS [1.3.2.27]
京都9R 鴨川特別 [0.0.0.5]
京都10R 錦S [0.1.1.14]
京都11R 京都新聞杯 [1.4.3.31]
新潟10R はやぶさ賞 [1.4.4.28]
新潟11R 谷川岳S [1.1.1.29]
新潟12R 春日山特別 [1.0.0.3]

5月10日
場所 レース名 穴ぐさ
成績
東京9R 緑風S [2.1.2.11]
東京10R ブリリアントS [1.3.5.28]
東京11R NHKマイルC [3.0.5.31]
東京12R 立川特別 [1.2.2.21]
京都9R 上賀茂S [4.0.2.30]
京都10R 橘S [1.2.3.17]
京都11R 鞍馬S [0.0.1.23]
新潟10R 邁進特別 [1.2.1.36]
新潟11R 新潟大賞典 [2.3.2.32]
新潟12R 五泉特別 [2.2.2.30]
※条件が過去とは異なるレースもあります。レース番号が変更になる場合もあります。

注目レース
NHKマイルC(G1、東京芝1600m)

NHKマイルCでの穴ぐさは[3.0.5.31](複勝率20.5%)で、複勝回収率は134%です。昨年は【A】評価だったカテドラルが③着に入り、近4年連続で穴ぐさが馬券に絡んでいます。馬券圏内に激走した穴ぐさは8頭のうち7頭が父サンデー系で、5頭が母父ノーザンダンサー系でした。

過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が10頭いて、そのうち7頭はふた桁人気でした。ただ、その10頭はOP特別での勝ち鞍芝1600m以上の重賞での③着以内があったので、実績のある馬はかなりの人気薄でも侮らない方が良いでしょう。

10頭のうち2頭は馬番1~2番で、残りの8頭のうち7頭はふた桁馬番でした。10頭のうち8頭は偶数馬番で、ふた桁の偶数馬番だった馬が6頭います。

注目レース
京都新聞杯(G2、京都芝外2200m)

京都新聞杯での穴ぐさは[1.4.3.31](複勝率20.5%)で、複勝回収率は112%です。昨年は【B】評価だったレッドジェニアルが11番人気で優勝しました。

過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が9頭いて、いずれも4~7枠でした。9頭のうち6頭は父サンデー系で、残りの3頭のうち2頭は母父がサンデー系でした。

9頭のうち8頭は近3走以内に勝ち鞍があり、その8頭のうち7頭はキャリア2~6戦でした。2014年以降に激走した6頭のうち5頭は社台ファームノーザンファームの生産馬だったので、そのようなタイプをマークしておきましょう。

注目レース
新潟大賞典(G3、新潟芝外2000m)

新潟大賞典での穴ぐさは[2.3.2.32](複勝率17.9%)で、複勝回収率は111%です。過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が10頭います。

激走した10頭のうち7頭は父サンデー系で、残りの3頭のうち2頭は母父がサンデー系でした。10頭のうち、前走が重賞以外だった馬(2頭)は前走が①着で、前走が重賞だった8頭は前走が⑧着以下で、そのうち7頭は前走で⑩着以下に敗れていたので、大敗馬の一変に注意すべきでしょう。

10頭のうち9頭は新潟か東京の芝で馬券に絡んだことがあったので(例外の1頭は左回りの出走歴がなかった)、左回りでの実績も確認しておくと良さそうです。

注目レース
ブリリアントS(OP特別、東京ダート2100m)

ブリリアントSでの穴ぐさは[1.3.5.28](複勝率24.3%)で、複勝回収率は145%です。

③着以内に入った穴ぐさは4~7歳の牡馬で、いずれもハンデ54~55kgでした。9頭は父がサンデー系かミスプロ系で、そのうち8頭はひと桁馬番だったので、ハンデ54~55kgでひと桁馬番に入った男馬はマークしておきたいですね。

注目レース
橘S(OP特別、京都芝外1400m)

橘Sでの穴ぐさは[1.2.3.17](複勝率26.1%)で、複勝回収率は136%です。

馬券に絡んだ穴ぐさは中2~6週の臨戦で、6頭のうち5頭は前走で掲示板に載っていました。6頭のうち5頭は前走で直線に急坂があるコースを走っていましたが、同じく6頭のうち5頭は直線平坦コースで勝利実績があったので、平坦コース実績馬を侮らないようにしましょう。

注目レース
立夏S(3勝クラス、東京ダート1600m)

立夏Sでの穴ぐさは[0.6.1.24](複勝率22.6%)で、複勝回収率は168%です。

③着以内に入った穴ぐさは4~6歳で、父か母父がサンデー系かミスプロ系でした。7頭のうち6頭は前走が掲示板外でしたが、同じく7頭のうち6頭は東京ダートで勝利実績があったので、東京実績馬の巻き返しに注意しましょう。

注目レース
緑風S(3勝クラス、東京芝2400m)

緑風Sでの穴ぐさは[2.1.2.11](複勝率31.3%)で、複勝回収率は215%です。

馬券に絡んだ5頭は4~6歳の牡馬で、いずれも左回りの芝で勝ったことがありました。5頭のうち4頭は前走が馬券圏外でしたが、同じく5頭のうち4頭は左回りの芝2400mで勝ち鞍があったので、距離実績のある馬は前走着順が悪くても侮らないようにしましょう。

注目レース
立川特別(2勝クラス、東京ダート1600m)

立川特別での穴ぐさは[1.2.2.21](複勝率19.2%)で、複勝回収率は109%です。ダート戦に限ると[1.1.2.15](複勝率21.1%)です。

ダートで馬券に絡んだ4頭は4~5歳の牡馬で、そのうち4頭は前走から2ヶ月以上開いていました。4頭はいずれも東京ダートで勝ち鞍があり、左回りで2勝以上をマークしていたので、左回り実績馬をチェックして臨みましょう。

注目レース
はやぶさ賞(1勝クラス、新潟芝直1000m)

はやぶさ賞での穴ぐさは[1.4.4.28](複勝率24.3%)で、複勝回収率は125%です。昨年はファストアズエバーが8番人気で③着に入りました。

③着以内に入った9頭は馬体重が472kg以下で、そのうち8頭は1000~1200mのレースを4角3番手以内から押し切ったことがありました(例外の1頭も前走で4角3番手の先行策を採っていた)。9頭のうち7頭は牝馬で、9頭のうち5頭はひと桁馬番だったので、先行力のあるタイプは外枠じゃなくても要注意でしょう。





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