穴ぐさ傾向と対策
CBC賞は今年も小柄な馬の台頭が!?
先週(6月27日~28日)の穴ぐさは[0.8.7.105](複勝率12.5%)で、宝塚記念で【B】評価だったモズベッロが12番人気で③着に食い込みました! 馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!
モズベッロの鞍上は池添騎手で、ダービーで【A】評価で③着に入ったヴェルトライゼンデも池添騎手でしたから、感謝しかないですね。ヴェルトライゼンデもモズベッロも、最後まで渋太く伸びて馬券圏内に入ってくれて、鞍上の技量によるところも大きかったように思います。
今年の上半期の重賞での穴ぐさは、評価別の成績が次のようになりました。
【2020年重賞での穴ぐさ】
評価 | 着別度数 | 複勝率 |
A | [1.6.3.54] | 15.6% |
B | [3.2.6.52] | 17.5% |
C | [1.1.2.55] | 6.8% |
複勝率が【A】よりも【B】の方が高くなったことは、下半期に向けての反省材料ですね。全体的な数値も、もっと向上できるように頑張ります。
それにしても、宝塚記念のクロノジェネシスは6馬身差の圧勝で、強烈な強さを見せましたね。稍重馬場となり、道悪の巧拙の差も出たのでしょうが、クロノジェネシス自身の成長力も感じさせられました。
クロノジェネシスは2ヶ月半ぶりで、馬体重が過去最多の464kg(10kg増)でしたが、それでも今回の出走馬18頭の中では3番目に小さい馬でした。ただ、昨年の宝塚記念も馬体重が460kgだったリスグラシューが制していて、稍重馬場だった4年前には438kgだったマリアライトが優勝しているんですよね。
実は、近年の夏季の阪神芝では、小柄なタイプの活躍が目立っています。昨年以降の6月開催の阪神芝OPでの馬体重別成績をご覧ください。
【2019年以降の6月の阪神芝OP】
馬体重 | 着別度数 |
438kg以下 | [1.0.0.4] |
440~458kg | [2.1.2.13] |
460~478kg | [4.2.3.22] |
480~498kg | [0.2.2.22] |
500kg以上 | [1.3.1.31] |
昨年以降に6月の阪神芝ではOPのレースが8回あり、そのうち7レースで478kg以下の馬が勝っています。480kg以上で勝利したのは昨年のマーメイドSでのサラス(524kg)だけで、6レースで466kg以下の馬が優勝していますから、馬場が悪くなりがちな夏季の阪神芝は小柄なタイプに要注意と言えるでしょう。
ご存知の通り、今年は7月も阪神開催が続き、今週末はCBC賞(芝1200m)があり、7月19日には中京記念(芝1600m)が予定されています。中京で行われた昨年のCBC賞はどしゃ降りの不良馬場となって、勝ったのは466kgのレッドアンシェルでした。今年も荒れ馬場となったら、小柄なタイプに注目すると良いのではないでしょうか。
一方、今週末から始まる福島開催では、3歳限定のハンデ重賞であるラジオNIKKEI賞があります。今年は登録馬が14頭でフルゲート割れではありますが、近年はずっと人気薄が馬券に絡んでいて、今年も波乱の余地はありそうです。
今年の3歳限定の芝重賞を振り返ってみると、1番人気は、いわゆる根幹距離では勝っているものの、非根幹距離では勝てていないんですよね。
【2020年の3歳限定の芝重賞での1番人気】
距離 | 着別度数 |
1200m | [1.0.0.0] |
1400m | [0.1.0.1] |
1600m | [1.2.1.4] |
1800m | [0.2.2.1] |
2000m | [1.2.0.1] |
2200m | [0.0.0.1] |
2400m | [2.0.1.0] |
根幹距離(1200m、1600m、2000m、2400m)での1番人気は[5.4.2.5]ですが、非根幹距離(1400m、1800m、2200m)では[0.3.2.3]です。非根幹距離での1番人気はすべて②~④着で、ラジオNIKKEI賞は福島芝1800mで行われますから、1番人気はこのデータを覆して突き抜けることができるでしょうか。
ちなみに、今年の芝1800m重賞での1番人気については、出走頭数によって次のような着順となっています。
【2020年の芝1800m重賞での1番人気】
頭数 | レース・着順・馬名 |
8頭立て | きさらぎ賞③着アルジャンナ |
9頭立て | 共同通信杯④着マイラプソディ 中山記念①着ダノンキングリー |
10頭立て | スプリングS②着ヴェルトライゼンデ 毎日杯②着アルジャンナ |
14頭立て | 小倉大賞典⑨着ヴェロックス フラワーC③着シーズンズギフト |
16頭立て | 中山牝馬S③着エスポワール 福島牝馬S⑫着エスポワール |
18頭立て | エプソムC⑥着サトノアーサー |
今年の芝1800m重賞での1番人気は、10頭立て以下のレースだと[1.2.1.1]ですが、14頭立て以上だと[0.0.2.3]で、多頭数だと連対圏に入れていません。前述の通り、今年のラジオNIKKEI賞は登録馬が14頭で、何頭立てになるかもポイントかもしれませんね。
7月4日~5日に行われる福島、阪神、函館の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
7月4日~5日
場所 | 芝 |
福島 | Aコース・1週目 |
阪神 | Bコース・2週目 |
函館 | Aコース・4週目 |
7月4日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
福島9R | 開成山特別 | [0.2.0.12] |
福島10R | 松島特別 | [1.0.0.8] |
福島11R | 安達太良S | [1.2.2.32] |
阪神9R | 生田特別 | [0.1.0.2] |
阪神10R | 芦屋川特別 | [2.2.4.21] |
阪神11R | 大阪スポーツ杯 | [0.2.2.18] |
函館10R | 臥牛山特別 | [0.1.0.2] |
函館11R | TVh杯 | [0.0.3.30] |
函館12R | 北海ハンデキャップ | [1.1.0.19] |
7月5日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
福島9R | 南相馬特別 | [0.0.1.13] |
福島10R | さくらんぼ特別 | [2.1.0.24] |
福島11R | ラジオNIKKEI賞 | [2.4.3.32] |
阪神9R | 兵庫特別 | [0.0.0.14] |
阪神10R | 西脇特別 | [0.1.0.5] |
阪神11R | CBC賞 | [0.3.2.36] |
函館10R | 噴火湾特別 | [1.0.1.19] |
函館11R | 巴賞 | [2.0.1.15] |
函館12R | HTB杯 | [0.2.2.22] |
☆注目レース☆
ラジオNIKKEI賞(G3、福島芝1800m)
ラジオNIKKEI賞での穴ぐさは[2.4.3.32](複勝率22.0%)で、複勝回収率は130%です。近4年はいずれも9番人気だった穴ぐさが馬券圏内に激走しています。
過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が10頭いて、そのうち9頭がハンデ53~54kgでした。2014年以降に激走した7頭は、ハンデ53~54kgで馬番1~7番だった馬です。激走した10頭のうち9頭は前走が東京芝でもありました。
10頭のうち7頭は右回りで勝利実績があり、その他の3頭のうち2頭は右回りの芝重賞で③着以内に好走したことがありました。右回りに実績のある馬の巻き返しに注意しましょう。
☆注目レース☆
巴賞(OP特別、函館芝1800m)
巴賞での穴ぐさは[2.0.1.15](複勝率16.7%)で、複勝回収率は108%です。
③着以内に激走した3頭は前走が1800m以外で⑧着以下でしたが、いずれも1800mでの勝利実績がありました。3頭は5~7歳の牡馬で、3代血統表内にミスプロ系かボールドルーラー系を持っていたので、ベテランの1800m巧者が侮れないでしょう。
☆注目レース☆
大阪スポーツ杯(3勝クラス、阪神ダート1400m)
大阪スポーツ杯での穴ぐさは[0.2.2.18](複勝率18.2%)で、複勝回収率は140%で、ダート1400mの時に限ると[0.2.2.14](複勝率22.2%、複勝回収率172%)という成績です。これまでは秋季に行われていて、昨年はタガノジーニアスが9番人気で②着に入りました。
激走した4頭は父がミスプロ系かサンデー系で、3頭は母父がストームバード系かダンチヒ系でした。4頭は前走がダート1400m以外で馬券圏外に敗れていましたが、ダート1400mでの2勝クラス(1000万)勝ちの実績があったので、ダート1400m実績馬の変わり身に期待しましょう。
☆注目レース☆
芦屋川特別(2勝クラス、阪神芝1200m)
芦屋川特別での穴ぐさは[2.2.4.21](複勝率27.6%)で、複勝回収率は151%です。このレースも秋季に行われていて、昨年はワールドフォーラブが11番人気で③着に激走しました。
1200m戦で③着以内に入った穴ぐさ(7頭)は3~5歳の牝馬(5頭)かセン馬(2頭)で、そのうち6頭は3~4歳で、5頭はひと桁馬番でした(ふた桁馬番の2頭は牝馬)。7頭は父がミスプロ系かロベルト系かサンデー系でした。
■ちなみに…■
CBC賞での穴ぐさは[0.3.2.36]です。過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が10頭いて、いずれも②~③着でした(過去10年のうち8年は中京で、阪神と京都での施行が1年ずつ)。
激走した10頭は父か母父がサンデー系かミスプロ系で、8頭は5~6歳でした。2016年以降に激走した6頭のうち牝馬の2頭はハンデ50~52kgでしたが、それ以外の4頭の牡馬はハンデ56~57.5kgだったので、重ハンデ馬も侮れない印象があります。
2012年以降に激走した8頭のうち6頭は、過去に芝1200~1400m重賞で③着以内に好走したことがあったので、短距離重賞での実績は確認しておくと良さそうです。