穴ぐさ傾向と対策
毎日王冠も京都大賞典も3~4歳が中心に!?
先週(10月2日~3日)の穴ぐさは[3.3.5.71](複勝率13.4%)でした。スプリンターズSでシヴァージが10番人気で③着に入ったものの穴ぐさに指名しきれず、申し訳ありませんでした。中山芝は内が良いことは分かっていましたが、シヴァージは最内枠でも位置取りが後方になり過ぎるのではないか、と思ってしまいました…。
がっくりしていたのですが、日本時間の夜にフランスで行われた凱旋門賞において、穴ぐさ的存在「★」のトルカータータッソが13番人気・単勝110.5倍(JRA発売)という低評価を覆して優勝してくれました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました! 日本馬は残念な結果になってしまいましたが、改めて、道悪馬場でのドイツ馬の強さを見せられましたね。
さて、今週からは、東京・阪神・新潟という3場開催が始まります。重賞は、東京でサウジアラビアRCと毎日王冠、阪神では京都大賞典が予定されています。
毎日王冠と京都大賞典は3歳以上の古馬混合戦で、先週のスプリンターズSでは3歳馬のピクシーナイトが2馬身差で快勝しました。今年の3歳以上の古馬混合の芝重賞は3歳馬の活躍が目立つので、年齢別の成績をご覧ください。
【2021年の3歳以上の古馬混合芝重賞】
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3歳 | [5.2.3.13] | 21.7% | 30.4% | 43.5% |
4歳 | [7.5.4.59] | 9.3% | 16.0% | 21.3% |
5歳 | [8.12.7.89] | 6.9% | 17.2% | 23.3% |
6歳 | [2.3.6.54] | 3.1% | 7.7% | 16.9% |
7歳 | [0.0.2.49] | 0.0% | 0.0% | 3.9% |
一目瞭然ですが、3歳馬の成績が抜けています。この3歳馬の成績は、人気と枠順で分けると次のようになっています。
【2021年の3歳以上の古馬混合芝重賞での3歳馬】
枠順 | 1~5番人気 | 6番人気以下 |
1~5枠 | [1.0.1.3] | [0.0.0.5] |
6~8枠 | [4.2.2.2] | [0.0.0.3] |
3歳馬は、1~5番人気だと[5.2.3.5]で、6番人気以下だと[0.0.0.8]です。スプリンターズSを制したピクシーナイトは2枠4番でしたが、同馬以外に連対した6頭の3歳馬は6~8枠だったので、内枠である必要はなさそうです。今年の毎日王冠にはシュネルマイスターが登録していて、おそらく1~5番人気になるでしょうから、注目ですね。
今年の3歳以上の古馬混合芝重賞において5歳以上の馬は[10.15.15.192]という成績で、7月以降に限ると[6.11.12.139]です。6頭が勝利を収めていますが、その6レースはすべてハンデ戦だったりします。
【2021年の3歳以上の古馬混合芝重賞での5歳以上の馬】
月 | ハンデ戦以外 | ハンデ戦 |
6月 | [4.4.2.47] | [0.0.1.6] |
7月以降 | [0.4.7.73] | [6.7.5.66] |
5歳以上の馬は、6月は安田記念をダノンキングリー、宝塚記念をクロノジェネシスなどが勝利していましたが、7月以降はハンデ戦以外の芝重賞で[0.4.7.73]と勝てていないんですよね。毎日王冠にも京都大賞典にも、5歳以上の馬は多数登録しているので、これは気になるところでしょう。
逆に考えれば、7月以降のハンデ戦以外の芝重賞(古馬戦)は3~4歳ばかりが勝っていて、その条件での3~4歳馬は次のような成績です。
【2021年7月以降の3歳以上の古馬混合芝重賞(ハンデ戦以外)での3~4歳馬】
人気 | 着別度数 |
1~5番人気 | [8.4.1.7] |
6番人気以下 | [0.0.0.19] |
優勝した8頭は1~5番人気に推された3~4歳馬です。その8頭のうち7頭は馬体重がプラス2~8kgかプラス体重以外での出走だったので、毎日王冠や京都大賞典も、体が大きく増えすぎていない3~4歳馬を中心に考える手がありそうです。
10月9日~10日に行われる東京、阪神、新潟の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
10月9日~10日
場所 | 芝 |
東京 | Aコース・1週目 |
阪神 | Aコース・1週目 |
新潟 | Aコース・1週目 |
10月9日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 山中湖特別 | [0.0.1.11] |
東京10R | 神無月S | [1.2.3.27] |
東京11R | サウジアラビアRC | [0.0.1.7] |
阪神9R | りんどう賞 | [0.0.0.7] |
阪神10R | 播州S | [0.0.0.3] |
阪神11R | オパールS | [3.2.5.24] |
新潟10R | 萬代橋特別 | [2.3.2.26] |
新潟11R | 村上特別 | [1.0.1.33] |
新潟12R | 朝日岳特別 | [0.0.2.15] |
10月10日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 六社S | [1.2.1.23] |
東京10R | グリーンチャンネルC | [0.2.1.19] |
東京11R | 毎日王冠 | [3.1.4.32] |
阪神9R | 三田特別 | [2.2.0.14] |
阪神10R | 戎橋S | [1.2.1.24] |
阪神11R | 京都大賞典 | [0.2.1.22] |
新潟10R | 松浜特別 | [0.2.1.19] |
新潟11R | 北陸S | [3.2.2.21] |
新潟12R | 妙高特別 | [2.0.4.35] |
☆注目レース☆
毎日王冠(G2、東京芝1800m)
毎日王冠での穴ぐさは[3.1.4.32](複勝率20.0%)で、複勝回収率は113%です。近年は馬券圏内を上位人気馬が占めるケースが続いているので、今年こそは穴馬の台頭余地があってほしいところです。
過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が6頭いて、いずれも馬番8番以内でした。その6頭は芝重賞での連対歴があり、東京か新潟の芝での勝ち鞍があったので、それらの実績をチェックしておきたいですね。6頭のうち5頭は父か母父がサンデー系で、3代血統表内にグレイソヴリン系を持った馬が4頭います。
☆注目レース☆
オパールS(OP特別、阪神芝1200m)
オパールSでの穴ぐさは[3.2.5.24](複勝率29.4%)で、複勝回収率は127%です。今年は阪神での施行ですが、穴馬が好走するケースが多いレースなので期待したいところです。
芝1200mで馬券に絡んだ9頭の穴ぐさは、牝馬が6頭、牡馬が3頭で、牝馬が多くなっています。9頭は前走が馬券圏外でしたが、そのうち7頭は前走が重賞だったので、前走のクラス&メンバーはチェックしておきましょう。9頭のうち8頭は4角5番手以下から差し込んだので、開幕週での差し脚質も侮らない方が良さそうです。
☆注目レース☆
三田特別(2勝クラス、阪神芝2200m)
三田特別での穴ぐさは[2.2.0.14](複勝率22.2%)で、複勝回収率は117%です。昨年はメイショウホウトウが11番人気で優勝しました。
連対圏に入った4頭の穴ぐさは中3週以内での臨戦で、前走が①~⑤着でした。4頭のうち3頭は4代血統表内にニジンスキーを内包していたので、そのようなタイプで勢いがありそうな馬は見逃さないようにしましょう。
☆注目レース☆
萬代橋特別(1勝クラス、新潟芝2400m)
萬代橋特別での穴ぐさは[2.3.2.26](複勝率21.2%)で、複勝回収率は123%です。昨年はカラミンサが9番人気で優勝しました。
③着以内に入った7頭の穴ぐさは3~4歳で、若い馬の激走が目立ちます。7頭のうち6頭は馬体重が496kg以下で、7頭のうち5頭は4角4番手以内から馬券圏内に入ったので、機動力がありそうなタイプに注意しましょう。7頭のうち3頭は新潟芝で連対歴があり、それ以外の4頭は新潟が初出走だった馬です。
■ちなみに…■
京都大賞典での穴ぐさは[0.2.1.22]で、サウジアラビアRCでは[0.0.1.7]です。昨年のサウジアラビアRCでは【C】評価だったセイウンダイモンスが9番人気で③着に食い込みました。
サウジアラビアRCでは6番人気以下で馬券に絡んだ馬が3頭いて、父か母父がサンデー系で、中4~5週だった馬です。3頭は左回りでの出走歴があり、そのうち2頭は左回りで勝ち鞍を挙げていたので、左回りでの実績をチェックしておくと良さそうです。
過去10年の京都大賞典では6番人気以下で馬券圏内に入った馬が8頭いて、そのうち6頭は4角3番手以内から馬券に絡んでいました。2014年以降の5頭は父か母父がサンデー系で、3番手以内に先行して粘り込んでいたので、サンデー系内包の先行型が侮れなさそうです。
8頭は関西所属の牡セン馬で、いずれも芝重賞で馬券に絡んだことがありました。そのうち6頭は芝重賞勝ち馬だったので、重賞実績も重要でしょう。