穴ぐさ傾向と対策
天皇賞・秋でもサドラーズウェルズを持つ馬の台頭が!?
先週(10月23日~24日)の穴ぐさは[2.9.8.96](複勝率16.5%)で、富士Sで【B】評価だったサトノウィザードが②着、【C】評価だったタイムトゥヘヴンが③着に入る【穴ぐさダブル】になりました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!
重賞での【穴ぐさダブル】は今夏の小倉記念以来で、穴ぐさ報告掲示板にも多数の書き込みをしていただきました。ありがとうございました。
一方、菊花賞はハナを奪ったタイトルホルダーがそのまま5馬身差で逃げ切り、豊富なスタミナを活かす形で、3歳牡馬三冠の最後のタイトルを獲得しました。自分でレースを作って快勝するという脱帽なレースぶりだった一方、1番人気だったレッドジェネシスは⑬着という結果で、今年の3歳限定の芝重賞での1番人気はなかなか勝てないまま終えることになりましたね。
今週末は天皇賞・秋が予定されていますが、以前にこのコーナーでお伝えした通り、今年の芝2000m重賞でも1番人気は勝ち切れないケースが続いているので、その点は気になるところです。
【2021年の芝2000m重賞での1番人気】
月 | 着順 |
1月 | ①⑪①着 |
2月 | ③着 |
3月 | ③②着 |
4月 | ③⑮⑧着 |
5月 | ②着 |
6月 | ⑥⑧着 |
7月 | ⑭⑨着 |
8月 | ⑥②着 |
9月 | ⑬⑰③着 |
10月 | ⑩着 |
今年の芝2000m重賞での1番人気は[2.3.4.11]という成績で、2月以降に限ると[0.3.4.10]です。夏季はハンデ戦が多かったという事情があったと思いますが、秋華賞でもソダシが⑩着に敗れてしまい、1番人気の連敗は続いています。果たして、天皇賞・秋ではどうでしょうか。
先週の菊花賞は阪神芝3000mで行われ、4代血統表内にサドラーズウェルズを持つ馬が①~③着を占めましたが、今秋の東京芝2000mの特別競走でも同様の傾向が見られるので、その成績をご覧ください。
【2021年10月の東京芝2000mでの特別競走】
レース クラス |
4代血統表内にサドラーズウェルズを持ち ①~②着に入った馬 |
甲斐路S 3勝クラス |
①着トラストケンシン (母父母父) |
tvk賞 2勝クラス |
①着ノースブリッジ (父母父父) |
オクトーバーS OP(L) |
①着パンサラッサ (母父父) |
山中湖特別 2勝クラス |
②着モリノカンナチャン (母母父) |
今秋は東京芝2000mで特別競走が4レース行われ、4代血統表内にサドラーズウェルズを持つ馬が連対し、そのうち3レースで優勝しています。
今年の天皇賞・秋の登録馬では、エフフォーリア(父母母父)とトーセンスーリヤ(父父父父)の2頭が4代血統表内にサドラーズウェルズを持っていますが、今秋の傾向通りに連対圏に好走するでしょうか。
ちなみに、天皇賞・秋が行われる東京芝2000mは外枠不利がよく言われるコースですが、先週(10月23~24日)の競馬では、そうとは言い切れない傾向が見られたので、お伝えしておきます。
【2021年10月23~24日の東京芝2000m】
枠順 | 着別度数 |
1枠 | [0.0.1.4] |
2枠 | [0.0.0.5] |
3枠 | [0.1.1.3] |
4枠 | [0.1.1.3] |
5枠 | [0.0.1.5] |
6枠 | [0.1.0.6] |
7枠 | [1.1.0.5] |
8枠 | [3.0.0.5] |
先週は東京芝2000mで4レースが行われ、勝ち馬4頭は7~8枠でした。4レースのうち3レースが12頭立て以下だったことも関係しているとは思いますが、秋の開幕週に行われた毎日王冠はシュネルマイスターが外から差し切り、府中牝馬Sは外を伸びたシャドウディーヴァが制し、先週の富士Sでも大外枠だったサトノウィザードがクビ差②着まで差し込みました。外からの伸びも目立っているので、その点は注意した方が良いでしょう。
東京芝は今週末からBコースに替わるので、その点もご注意ください。10月30日~31日に行われる東京、阪神、新潟の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
10月30日~31日
場所 | 芝 |
東京 | Bコース・1週目 |
阪神 | Aコース・4週目 |
新潟 | Aコース・4週目 |
10月30日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 伊勢佐木特別 | [3.3.0.31] |
東京10R | 紅葉S | [0.0.1.24] |
東京11R | アルテミスS | [0.0.3.23] |
阪神9R | 萩S | [0.0.0.3] |
阪神10R | 西脇S | [0.1.0.5] |
阪神11R | スワンS | [2.1.1.40] |
新潟10R | 聖籠特別 | 出走ナシ |
新潟11R | 魚沼S | [0.0.2.11] |
新潟12R | 清津峡特別 | 出走ナシ |
10月31日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京8R | 本栖湖特別 | [0.0.0.5] |
東京9R | 国立特別 | [1.0.2.26] |
東京10R | 秋嶺S | [1.2.0.34] |
東京11R | 天皇賞・秋 | [1.0.3.40] |
東京12R | 河口湖特別 | [0.3.4.37] |
阪神9R | 古都S | [1.2.1.14] |
阪神10R | オータムリーフS | [0.0.3.19] |
阪神11R | カシオペアS | [1.1.0.28] |
新潟10R | 十日町特別 | [0.1.1.19] |
新潟11R | ルミエールAD | [2.0.2.11] |
新潟12R | おけさ特別 | 出走ナシ |
☆注目レース☆
ルミエールAD(OP特別、新潟芝直1000m)
ルミエールADでの穴ぐさは[2.0.2.11](複勝率26.7%)で、複勝回収率は128%です。
馬券圏内に入った4頭の穴ぐさはふた桁馬番の5~6歳の牡馬で、いずれも4代血統表内のテスコボーイ系を持っていました。4頭のうち3頭は中2週以内での臨戦で、近3走以内に③着以内の好走歴がありました。例外の1頭はアイビスサマーダッシュでの連対歴があったので、順調に使われている馬と実績上位馬をチェックしておきましょう。
☆注目レース☆
古都S(3勝クラス、阪神芝3000m)
古都Sでの穴ぐさは[1.2.1.14](複勝率22.2%)で、複勝回収率は120%です。
馬券に絡んだ4頭の穴ぐさは4~5歳で、4頭のうち3頭は中6週以内の臨戦でした。4頭のうち2頭はハーツクライ産駒で、その他の2頭は母父がサドラーズウェルズとメジロマックイーンだったので、阪神芝3000mの今年はなおのこと、スタミナのありそうな血統馬に注目すべきでしょう。
☆注目レース☆
河口湖特別(2勝クラス、東京ダート1400m)
河口湖特別での穴ぐさは[0.3.4.37](複勝率15.9%)で、複勝回収率は101%です。昨年は【C】評価だったプロヴィデンスが②着、【A】評価だったショウナンガナドルが③着に入る【穴ぐさダブル】でした。
③着以内に入った7頭の穴ぐさは3~5歳で、1400mの時に馬券に絡んだ4頭は3~4歳です。その4頭は中5~8週での臨戦で、東京ダート1400~1600mで連対歴がありました。4頭は前走掲示板外から変わり身を見せたので、東京実績のある馬は侮らない方が良さそうです。
☆注目レース☆
十日町特別(1勝クラス、新潟芝1400m)
十日町特別での穴ぐさは[0.1.1.19](複勝率9.5%)で、複勝回収率は130%です。
激走した2頭の穴ぐさは父か母父がサンデー系で、馬番2~5番でした。どちらも直線平坦の芝1400mで勝ったことがあり、道悪芝での勝利実績もあったので、サンデー系内包で荒れ馬場をこなせそうなタイプをマークしておきましょう。
■ちなみに…■
天皇賞・秋での穴ぐさは[1.0.3.40]で、スワンSでは[2.1.1.40]、アルテミスSでは[0.0.3.23]です。
過去10年の天皇賞・秋では7番人気以下で③着以内に入った馬が4頭いて、4~5歳の牡馬です。いずれもノーザンファームの生産馬で、母父がノーザンダンサー系でした。母父は、フレンチデピュティ、ストームキャット、クロフネ、ノーザンテーストで、スピード型のノーザンダンサー系を母父に持つタイプをマークしておきましょう。
4頭はいずれも東京芝1800m以下の重賞で③着以内に好走したことがあり、4頭のうち3頭は芝G1での連対歴がありました。東京実績や格も重要でしょう。
過去10年のスワンSでは7番人気以下で③着以内に入った馬が8頭いて、そのうち7頭は馬番10番以内の牡馬でした(牝馬の1頭は馬番13番)。牡馬の7頭のうち6頭は馬番7番以内で、今年は阪神開催となりますが、真ん中から内枠の牡馬に注意すると良さそうです。
2012年以降の7頭は芝重賞での③着以内があり、そのうち5頭は芝重賞ウイナーです。芝重賞での勝ち鞍があった5頭のうち4頭は前走⑦着以下から変わり身を見せていたので、重賞実績馬の一変に気を付けたいですね。
過去9回のアルテミスSでは7番人気以下で馬券に絡んだ馬が5頭いて、そのうち4頭は前走が①着で、馬番9番よりも外枠でした。同じく5頭のうち4頭は4角5番手以内での勝ち鞍があり、5頭のうち4頭は5代血統表内にノーザンテーストを持っていたので、ノーザンテースト内包の先行実績馬には注意しましょう。