穴ぐさ傾向と対策
アルゼンチン共和国杯もリピーターが台頭する!?
先週(10月29日~30日)の穴ぐさは[3.3.11.99](複勝率14.7%)で、スワンSで【B】評価だったルプリュフォールが11番人気で③着、アルテミスSで【A】評価だったアリスヴェリテが6番人気で③着に入りました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました。
天皇賞・秋では穴ぐさが馬券に絡めず、申し訳ありませんでした。パンサラッサは1000m通過が57秒4でハイペースでしたが、2番手以下は古馬G1のメンバーとしてはスローだったと言えるでしょう。優勝したイクイノックスは母父がキングヘイローで、またも東京芝2000mの特別競走で母父ノーザンダンサー系の馬が勝利を収めたわけですが、計時した上がり32秒7というのは想像以上でした。
今週は、3日(木・祝)にJBCがありますが、週末のJRAでG1はなく、G2&G3が4レース予定されています。そのうち東京競馬場ではアルゼンチン共和国と京王杯2歳Sがあり、どちらも芝重賞ですから、やはり上がりの速さが重要でしょう。
【2022年秋の東京芝の重賞】
月日 レース |
勝ち馬 | 上がり(順位) |
10月30日 天皇賞・秋 |
イクイノックス | 32秒7(1位) |
10月29日 アルテミスS |
ラヴェル | 33秒0(1位) |
10月22日 富士S |
セリフォス | 33秒2(1位) |
10月15日 府中牝馬S |
イズジョーノキセキ | 33秒3(1位) |
10月9日 毎日王冠 |
サリオス | 33秒8(1位) |
10月8日 サウジアラビアRC |
ドルチェモア | 33秒4(1位) |
今秋の東京芝の重賞は6レースあり、いずれもメンバー中最速の上がりを使った馬が優勝しています。勝利した6頭のうち5頭は馬体重が490kg以下で、大き過ぎないタイプがいいのかもしれません。
アルゼンチン共和国は近2年でオーソリティが優勝していて、昨年の同レース以降の芝2500m重賞では、過去に芝2500mの重賞で好走歴のある馬が馬券に絡んでいるので、その成績をご覧ください。
【2021年秋以降の芝2500mの重賞】
年・レース | 着順・馬名 | 芝2500m重賞実績 |
2022年 目黒記念 |
①着ボッケリーニ ②着マイネルウィルトス ③着ウインキートス |
22年日経賞②着 21年AR共和国杯②着 21年目黒記念①着 |
2022年 日経賞 |
③着ヒートオンビート | 21年目黒記念②着 |
2021年 有馬記念 |
③着クロノジェネシス | 20年有馬記念①着 |
2021年 AR共和国杯 |
①着オーソリティ | 20年AR共和国杯①着 |
今年の目黒記念は、過去に芝2500mの重賞で好走歴があった馬のワンツースリー(①&②&③着)でした。芝2500m重賞は芝2500mでの実績が重要という印象がありますから、今年のアルゼンチン共和国杯でもそんなリピーターに期待する手がありそうです。
阪神ではみやこSとファンタジーSが予定されていて、ダート1800mで行われるみやこSでは1~2番人気に注目かと思います。今年のJRAでのダート1800~1900mの重賞(6レース)では、いずれも1~2番人気が連対しています。
【2022年のJRAでのダート1800~1900mの重賞】
人気 | 着別度数 |
1番人気 | [1.3.1.1] |
2番人気 | [2.1.1.2] |
3番人気 | [0.0.3.3] |
4番人気 | [1.0.0.5] |
5番人気 | [0.0.0.6] |
6番人気以下 | [2.2.2.59] |
【2022年のJRAでのダート1800~1900mの古馬混合重賞】
年齢 | 着別度数 |
3歳 | [0.1.0.1] |
4歳 | [0.1.0.7] |
5歳 | [3.1.1.17] |
6歳 | [0.2.4.18] |
7歳以上 | [2.0.1.21] |
今年のJRAでのダート1800~1900mの重賞では、1~2番人気が[3.4.2.3]で6レースすべてで連対し、そのうち3レースでは馬券圏内に2頭が入っています。6レースのうち、古馬混合戦での5レースで勝ったのは5~7歳で、ダート中距離の重賞らしく、力のあるベテランに一目を置くと良さそうです。
京王杯2歳SとファンタジーSは芝1400mの重賞ですから、引き続き内枠の馬に注目すべきですかね。
【2022年の芝1400mの重賞】
人気 | 着別度数 |
1番人気 | [2.2.0.2] |
2番人気 | [2.1.1.2] |
3番人気 | [0.0.0.6] |
4番人気 | [1.0.1.4] |
5番人気 | [1.0.1.4] |
6番人気以下 | [0.3.3.59] |
【2022年の芝1400mの重賞】
馬番 | 着別度数 |
馬番1~4番 | [3.6.0.15] |
馬番5~18番 | [3.0.6.62] |
芝1400mの重賞は先週にスワンSがあり、馬番3~4番のワンツー(①着ダイアトニック、②着ララクリスティーヌ)でした。今年の芝1400mの重賞(6レース)では、いずれも馬番1~4番の馬が連対しています。
スワンSでは1~3番人気が馬券圏外に敗れてしまいましたが、上記の6レースで勝利したのは1~5番人気だったので、京王杯2歳SとファンタジーSも上位人気で内目の枠を引き当てた馬に注意すべきでしょう。
今週末からは秋の福島開催が始まります。11月5~6日に行われる東京、阪神、福島の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
11月5~6日
場所 | 芝 |
東京 | Bコース・2週目 |
阪神 | Aコース・5週目 |
福島 | Aコース・1週目 |
11月5日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 神奈川新聞杯 | [0.3.1.24] |
東京10R | ノベンバーS | [2.0.3.24] |
東京11R | 京王杯2歳S | [4.2.2.35] |
阪神9R | 蛍池特別 | 出走なし |
阪神10R | 安芸S | [0.1.0.38] |
阪神11R | ファンタジーS | [1.3.1.35] |
福島9R | 土湯温泉特別 | [0.2.2.29] |
福島10R | 飯坂温泉特別 | [1.1.5.33] |
福島11R | 河北新報杯 | [3.1.3.37] |
11月6日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 百日草特別 | [0.0.0.5] |
東京10R | 錦秋S | [0.1.3.35] |
東京11R | アルゼンチン共和国杯 | [1.1.2.43] |
阪神9R | もちの木賞 | [2.1.0.20] |
阪神10R | 道頓堀S | [0.1.2.29] |
阪神11R | みやこS | [2.3.3.24] |
福島9R | 高湯温泉特別 | [1.0.1.24] |
福島10R | 三陸特別 | [0.1.1.33] |
福島11R | フルーツラインC | [4.1.3.35] |
☆注目レース☆
京王杯2歳S(G2、東京芝1400m)
京王杯2歳Sでの穴ぐさは[4.2.2.35](複勝率18.6%)で、複勝回収率は131%です。昨年は【B】評価だったキングエルメスが8番人気で優勝しました。
近10年の京王杯2歳Sでは7番人気以下で③着以内に入った馬が5頭いて、いずれも関西馬で中10週以内での臨戦でした。5頭は前走が芝OPで⑦着以内で、父か母父がミスプロ系だったので、ミスプロ系内包で順調に使われている関西馬に注意しましょう。
☆注目レース☆
みやこS(G3、阪神ダート1800m)
みやこSでの穴ぐさは[2.3.3.24](複勝率25.0%)で、複勝回収率は136%です。3年前は【A】評価だったヴェンジェンスが7番人気で①着、一昨年は【C】評価だったエイコーンが9番人気で③着に入り、昨年は【A】評価だったロードブレスが6番人気で②着、【B】評価だったアナザートゥルースが10番人気で③着に激走する【穴ぐさダブル】でした。
2012年以降の近9年のみやこS(近2年は阪神)では7番人気以下で③着以内に入った馬が9頭いて、そのうち8頭は中6週以内での臨戦で、同じく9頭のうち8頭は前走が⑥着以内でした。9頭のうち7頭は過去にダート重賞で③着以内に好走したことがあり、例外の2頭は近2走以内に準OPを勝ち上がっていたので、重賞で実績がある馬か、勢いを感じられる馬をチェックして臨みましょう。
☆注目レース☆
フルーツラインC(3勝クラス、福島ダート1150m)
フルーツラインCでの穴ぐさは[4.1.3.35](複勝率18.6%)で、ダート1150mの時に限ると[3.0.2.20](複勝率20.0%)で、複勝回収率は119%です。
ダート1150mの時に③着以内に入った5頭の穴ぐさは馬番7番より外枠で、そのうち4頭はふた桁馬番でした。5頭のうち4頭は父か母父がミスプロ系で、同じく5頭のうち4頭は4角5番手以下から馬券圏内に差し込んでいたので、真ん中から外枠で決め手のありそうなタイプが侮れないでしょう。
☆注目レース☆
河北新報杯(2勝クラス、福島ダート1700m)
河北新報杯での穴ぐさは[3.1.3.37](複勝率15.9%)で、ダート1700mの時に限ると[1.0.1.1](複勝率66.7%)で、複勝回収率は413%です。
ダート1700mの時に馬券圏内に激走した2頭の穴ぐさは4~5歳で、父か母父がサンデー系でした。2頭は休み明けで、福島での勝ち鞍はありませんでしたが、どちらも小倉ダート1700mで1勝クラスを勝っていたので、他場のダート1700m実績もチェックしておくと良さそうです。
■ちなみに…■
アルゼンチン共和国杯での穴ぐさは[1.1.2.43]で、ファンタジーSでは[1.3.1.35]です。
近10年のアルゼンチン共和国杯では7番人気以下で③着以内に入った馬が4頭で、ハンデ戦ですが、穴を開けた馬はあまり多くありません。激走した4頭は中5週以内での臨戦で、前走が⑥着以内でした。4頭のうち2頭は前走が準OPだったので、重賞実績がなくても勢いを感じられるタイプは侮れないでしょう。
激走した4頭のうち3頭は父サンデー系で、同じく4頭のうち3頭は前走でメンバー中3位以内の上がりを計時していました。4頭はいずれも東京芝の特別競走で③着以内に入ったことがあったので、東京芝の重賞でも決め手で劣らなそうな馬が狙い目でしょう。
近10年のファンタジーS(近2年は阪神)では7番人気以下で③着以内に入った馬が6頭いて、いずれも関西馬です。6頭は中4週以上での臨戦で、前走から2ヶ月以上開いていた馬が4頭います。6頭は馬番10番以内でした。
6頭は父か母父がサンデー系かノーザンダンサー系で、そのうち4頭は初勝利を挙げた時にメンバー中3位以内の上がりを計時していました。勝ち鞍を挙げた時のレースぶりに注目すると良さそうです。