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ジャックルマロワ賞の考え方


今年のジャックルマロワ賞は9頭立てで、日本からバスラットレオンが出走する。ご存知の通り、ジャックルマロワ賞は1998年にタイキシャトルが制したレースで、フランス・ドーヴィル競馬場の直線1600mで行われる。今年も強力なメンバーが揃った印象があるが、バスラットレオンはどのような走りを見せるだろうか。

今年、レーティングが上位の馬は、122=ステートオブレスト、121=インスパイラルコロエバス、120=オーダーオブオーストラリアで、このうちインスパイラルは牝馬。バスラットレオンは115だ。

ステートオブレストは、日本のシャフリヤールも出走した今年のプリンスオブウェールズSを勝ち、インスパイラルは2走前にコロネーションSを圧勝した。コロエバスは今年の英2000ギニー勝ち馬で、オーダーオブオーストラリアは2020年の米国ブリーダーズCマイルの勝ち馬で、昨年のジャックルマロワ賞の③着馬になる。

近2年のジャックルマロワ賞はパレスピアが優勝していて、一昨年は前走のセントジェームズパレスS(G1、アスコット芝1590m)が①着、昨年は前走のクイーンアンS(G1、アスコット芝1600m)が①着だった。近5年の優勝馬のうち、前走で負けていたのは5年前のアルヴケールだけで、同馬の前走はメシドール賞(G3、メゾンラフィット芝1600m)で②着だった。

近5年の優勝馬は3~4歳で、いずれも前走が芝1600m以下の重賞で①~②着だった。今年それに該当するのは、インスパイラルエレヴァンコロエバスジョフランセプロスパラスヴォイッジライトインファントリーだ。

近5年のうち3年はL.デットーリ騎手が騎乗した馬が優勝していて、いずれも前走に続いての継続騎乗だった。L.デットーリ騎手以外の鞍上で勝利した馬も、騎手は前走時と同じで、近5年の勝ち馬はすべて芝G1での③着以内があった。

近5年は、芝G1で③着以内があり、騎手が前走時と同じだった馬が優勝していると言える。今年の該当馬は、インスパイラル(L.デットーリ騎手)、オーダーオブオーストラリア(R.ムーア騎手)、コロエバス(W.ビュイック騎手)、ステートオブレスト(S.クロース騎手)、プロスパラスヴォイッジ(R.ホーンビー騎手)、ライトインファントリー(J.スペンサー騎手)だ。

近2年の優勝馬パレスピアは父Kingman(ダンチヒ系)×母父Nayef(ミスプロ系)という配合で、3年前の勝ち馬ローマナイズドは父Holy Roman Emperor(ダンチヒ系)×母父Indian Ridge(クラリオン系)、4年前の勝ち馬アルファセントーリは父Mastercraftsman(ダンチヒ系)×母父Rahy(ブラッシンググルーム系)だ。

5年前は父Dream Ahead(インテント系)のアルヴケールが勝利したが、②着に父Invincible Spirit(ダンチヒ系)×母父Seeking The Gold(ミスプロ系)という配合のインズオブコートが入った。

父がダンチヒ系で、母父が非ノーザンダンサー系の馬は、近5年で①~②着に入り、近4年で優勝している。今年その配合馬は、ステートオブレストプロスパラスヴォイッジの2頭だ。

以上の3点をジャックルマロワ賞の好走共通項として扱い、該当馬を整理すると次のようになる。

[1]前走が芝1600m以下の重賞で①~②着の3~4歳馬(近5年で優勝)

[2]芝G1で③着以内があり、騎手が前走時と同じ馬(近5年で優勝)

[3]父がダンチヒ系で、母父が非ノーザンダンサー系の馬(近5年で①~②着に入り、近4年で優勝)

G 馬名 [1] [2] [3]
1 5 エレヴァン    
2 7 ライトインファントリー  
3 2 ジョフランセ    
4 4 ステートオブレスト  
5 3 オーダーオブオーストラリア    
6 1 バスラットレオン      
7 8 プロスパラスヴォイッジ
8 9 インスパイラル  
9 6 コロエバス  
※表中「G」はゲート番号、「番」は馬番。

複数で該当したのは、インスパイラルコロエバスステートオブレストプロスパラスヴォイッジライトインファントリーとなった。

コロエバスは今シーズン初戦となった英2000ギニーを差し切って優勝した馬で、前走のセントジェームズパレスSも3~5番手のインに控え、内から抜けて大接戦となる中で勝利した。その次走は、当初はサセックスSを予定していたが、脚部不安を発症したとのことで回避。今回はその影響をどう見るかだろう。近2走の走りを見ると、直線に登り坂が続くアスコット競馬場よりも、平坦なドーヴィル競馬場の方が合いそうだが?

ちなみに、近5年の優勝馬は父ダンチヒ系か父インテント系であると前述したが、6年前(2016年)の勝ち馬リブチェスターは父ミスプロ系×母父ノーザンダンサー系×母母母父ヌレイエフという配合で、コロエバス(父Dubawi×母父Teofilo×母母母父ヌレイエフ)も似た配合をしている。

インスパイラルは2走前のコロネーションSで4馬身以上の差を付ける快勝をしたが、前走のファルマスSプロスパラスヴォイッジに逃げ切りを許した(②着)。前走は5頭立てで、G1を連勝した2~3走前(1590~1600m)は9頭立て以上で勝ち時計が1分38~39秒台だったから、この馬は底力を問われる展開の方が合いそうだ。ただ、鞍上がこのレースの近5年のうち3年で優勝しているL.デットーリ騎手というのは魅力。平坦のドーヴィル競馬場の1600mで、勝ち方を知っている鞍上がどのように決め手を引き出すか。

ステートオブレストは前走が1990m(アスコット)のプリンスオブウェールズS(①着)のために上表の[1]で非該当となったが、父ダンチヒ系×母父ミスプロ系×母母父ノーザンダンサー系という配合は近2年の勝ち馬パレスピアと同じ。前走は逃げ切り勝ちだったが、控えての差し切り勝ちもある。もともとは短距離で走っていた馬だが、近5走が1900m以上のレースで、今回はマイル戦の流れにも上手く対応できるかがポイントだろう。S.クロース騎手とは[2.0.2.0]と相性が良い。

前走のファルマスSインスパイラルを抑えて優勝したのがプロスパラスヴォイッジで、前走は5頭立てでの逃げ切りだった。ただ、3走前の英1000ギニーは番手に控える形で最後まで渋太く伸びて僅差の②着に入っていて、その時の走破時計(1分36秒55)はコロエバス英2000ギニーの勝ち時計(1分36秒27)と0秒28差。2走前のコロネーションSで大敗(⑩着)したことを考えても、この馬は平坦のドーヴィル競馬場が合いそうで、この舞台でも侮れない面がありそうだ。

オーダーオブオーストラリアは2020年米国ブリーダーズCマイルを人気薄で制した馬で、その後にG1勝利はないものの、昨年のジャックルマロワ賞で③着に入っている。前走のサセックスSは伸びが見られず⑦着に敗れたが、ダンチヒの5×3というクロスを持っていて好走と凡走の差が大きく、⑦着以下のレースの次走が①①①③着だから、見限らない方が良さそう。昨年③着時が前走サセックスS(⑤着)からの巻き返しだった。

エレヴァンは3戦3勝で、今回が初のG1挑戦となる。母のエルヴェディヤは2015年に仏1000ギニーコロネーションSムーランドロンシャン賞を勝利した馬で、2016年にジャックルマロワ賞で③着に入っている。接戦となった前走(ポールドムーサック賞)で②着に負かしたトリバリストは今年の仏2000ギニーの③着だから、G1でも通用する能力を秘めていて不思議ないが、このメンバー相手でいきなり好戦できるだろうか。

ライトインファントリーは2ヶ月半ぶりの出走となった前走のジャンプラ賞(1400m)で序盤に行きたがる感じになったが、ラチ沿いを伸びて②着に上がった。過去2勝を1400m以下で挙げている馬で、今年の英2000ギニーでは伸び切れず⑨着に敗れていたから、マイル戦に距離が延びて前走同様の末脚を使えるかが焦点だろう。

ジョフランセは今回が初のG1挑戦で、前走のベルトランデュブルイユ賞(1600m)が初の重賞勝利だった。前走はC.デムーロ騎手がハナに立って押し切ったものだが、勝ち時計は1分39秒00。G1のこの舞台でどこまで走れるか。

バスラットレオンは上表で「○」が付かなかったが、前走のサセックスS4ヶ月ぶりで斤量61.5kgを背負い、最後まで粘って③着(アルコールフリー)と短アタマ差(④着)だったから悪くない。デビュー戦(①着)以外の3勝は中10週以内の時で、中1.5週で平坦のドーヴィル競馬場に替わり、斤量59.5kgなら、条件は前走よりも良いと言えそう。ジャックルマロワ賞を逃げ切るのは簡単ではない印象だが、前走以上の粘りを期待したい。

印は、久しぶりのマイル戦への対応という課題はあるもののG1で好走を続けている現在の勢いと血統面を評価してステートオブレストを「◎」とする。一頓挫あったコロエバスを「○」にして、鞍上(L.デットーリ騎手)が魅力のインスパイラルを「▲」にする。
※穴ぐさ的存在の「★」はいません。

◎ステートオブレスト
○コロエバス
▲インスパイラル
△プロスパラスヴォイッジ
△オーダーオブオーストラリア
△バスラットレオン

※ジャックルマロワ賞は馬番とゲート番号が異なります。馬券を買う際は『馬番』での購入となりますので、お間違いのないようにご注意ください。

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