北枕鳩三郎の注目の馬体
【2023年新種牡馬プレビュー】
レイデオロ & ニューイヤーズデイ
馬産地やセールなどの現場でも、長年にわたり多くの幼駒の馬体を見てきている北枕氏。ある一口クラブの、セールでの購買馬の選定やアドバイザーも務めており、もちろん、2023年の新種牡馬の3世代分の産駒もチェック済み。
本企画では、各新種牡馬の馬体の特徴を改めて整理し、それが遺伝することでどういったタイプの産駒が多く出そうか、その見解を解説していただきます。それを知ることで、新馬戦をはじめとする2歳戦での、馬券の狙い所の参考にもできるはず。
第2回目はレイデオロとニューイヤーズデイにスポットを当てて、解説をいただきました。
2014年2月5日生 鹿毛 ノーザンファーム生産
競走成績17戦7勝(うちG1・2勝)
主な勝鞍:2017年日本ダービー、2018年天皇賞・秋
レイデオロ 4代血統表
キングカメハメハ | Kingmambo | Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Miesque | Nureyev | ||
Pasadoble | |||
マンファス | ラスタイクーン | Try My Best | |
Mill Princess | |||
Pilot Bird | Blakeney | ||
The Dancer | |||
ラドラーダ | シンボリクリスエス | Kris S. | Roberto |
Sharp Queen | |||
Tee Kay | Gold Meridian | ||
Tri Argo | |||
レディブロンド | Seeking the Gold | Mr. Prospector | |
Con Game | |||
ウインドインハーヘア | Alzao | ||
Burghclere |
JRAで勝利を挙げている産駒
馬名 | 母 | 母父 | 戦績 |
マテンロウゴールド | ルールブリタニア | ディープインパクト | 1戦1勝 |
パドックで競走馬の馬体と歩様をチェックする際に、その馬の血統表内で、どの馬の血が色濃く表れているのかを考えるのは、競走馬の適性や能力を探るには大きな手掛かりとなります。
例えば、ハーツクライ産駒はサンデーサイレンスの父系でありながらも、ハーツクライ自身の母父であるトニービンの特徴を受け継いだ産駒が多かったことで、馬体や歩様には随所にトニービン由来の柔軟性が強く表れていました。長距離をこなす産駒が多かったのも、筋肉や関節、捌きの柔軟性がしっかりと遺伝していたからと考えられます。
これはひとつの例にすぎませんが、血統と馬体はセットで考えることで、より双方の学びが深まると実感しています。そして、血統と馬体は、適性や走力といった部分にも間違いなくリンクしており、新種牡馬の特徴を分析していくうえでも、切り離して考えるわけにはいきません。
今回の主役であるレイデオロの産駒も、見ていく中でレイデオロの血統表内の“ある馬”の産駒と、非常に馬体の傾向が似ていることに気がつきました。それはレイデオロの母父である“シンボリクリスエス"です。
シンボリクリスエスといえば、漆黒の好馬体の持ち主で、産駒は総じて馬格に恵まれ、代表産駒であるエピファネイアは芝中長距離の王道路線で活躍し、ルヴァンスレーヴというダートのチャンピオンも輩出しました。多角的な才能を見せたシンボリクリスエス産駒同様に、幅広い活躍が期待できそうなレイデオロ産駒。そのレイデオロの中に眠るシンボリクリスエスの血が、どのように産駒の馬体と歩様に表れているのか、細かくみていきたいと思います。
レイデオロ産駒の馬体の特徴は以下の3つにまとめられると考えています。