穴ぐさ傾向と対策
ヴィクトリアマイルも大きすぎない馬の方が良い!?
先週(5月4日~5日)の穴ぐさは[8.4.5.84](複勝率16.8%)で、単勝回収率が135%でした。京都新聞杯では【B】評価だったレッドジェニアルが11番人気で勝ち、NHKマイルCでは【A】評価だったカテドラルが③着に入りました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!
今年の重賞での穴ぐさは、評価別の成績が次のようになっています。
【2019年の重賞での穴ぐさ】
評価 | 着別度数 | 複勝率 |
A | [1.1.7.36] | 20.0% |
B | [2.1.1.40] | 9.1% |
C | [3.1.1.39] | 11.4% |
複勝率で比べると【A】が抜けた数値となっています。ただ、①着となった馬は【B】や【C】が多いので、今後の重賞で参考にしてみてください。
NHKマイルCは桜花賞馬グランアレグリアが単勝1.5倍の1番人気に支持されたものの、包まれる形になり、直線でダノンチェイサーの進路を妨害して4位入線での⑤着降着となりました。優勝したアドマイヤマーズは8枠17番でしたが、ハイペースになり、外から長く脚を使って差し切りましたね。②着のケイデンスコールも8枠で、前走で1600mを超える距離を走っていた馬たちの底力が光るレースとなりました。
それにしても、ノーザンファーム生産馬は凄いですね。NHKマイルCは①~⑥着を独占し、これでJRAの平地G1で5連勝となりました(大阪杯・アルアイン、桜花賞・グランアレグリア、皐月賞・サートゥルナーリア、天皇賞(春)・フィエールマン、NHKマイルC・アドマイヤマーズ)。偶然なんでしょうけど、関西馬(アルアイン)→関東馬(グランアレグリア)→関西馬(サートゥルナーリア)→関東馬(フィエールマン)→関西馬(アドマイヤマーズ)と勝っていて、今週末のヴィクトリアマイルは関東馬でしょうか!?
今年のJRAの芝G1でのノーザンファーム生産馬は[5.2.4.27]という成績で、6戦5勝であるばかりか、複勝回収率も100%を超えていて(117%)、妙味もありますから、人気のない馬にも注意した方が良いのでしょう。
今年のJRAの芝G1でのノーザンファーム生産馬については、前走時とG1時の人気で次のように分けることができます。
【2019年JRA芝G1でのノーザンファーム生産馬】
人気 | G1 | 前走 |
1番人気 | [2.0.0.3] | [3.1.1.6] |
2番人気 | [2.0.0.2] | [1.0.1.9] |
3番人気 | [0.0.1.2] | [1.0.0.5] |
4番人気 | [0.1.1.3] | [0.0.1.1] |
5番人気 | [0.0.0.1] | [0.0.0.0] |
6番人気 | [1.1.2.16] | [0.1.1.6] |
優勝した5頭のうち4頭は1~2番人気に推されていて、5頭は前走時が1~3番人気でした。ヴィクトリアマイルでも、人気に着目してみてはいかがでしょうか。
NHKマイルCを制したアドマイヤマーズは472kgという馬体重で、昨年のヴィクトリアマイルは馬体重が460kgだったジュールポレールが優勝しました。昨年以降の東京芝1600mの重賞では、あまり大きくない馬がよく勝っているので、そのデータをご覧ください。
【2018年以降の東京芝1600mの重賞】
馬体重 | 着別度数 |
458kg以下 | [3.5.3.40] |
460~488kg | [7.3.4.52] |
490kg以上 | [1.3.4.42] |
11レースのうち10レースは488kg以下の馬が勝っていて、490kg以上で優勝したのは昨秋の富士Sでのロジクライ(514kg)だけとなっています。
ヴィクトリアマイルは過去13回の優勝馬の中で、もっとも大きな馬が2009年のウオッカ(494kg)で、500kg以上の馬が勝ったことがありません。今年のヴィクトリアマイルの有力馬の中には、馬体重が490kg以上になりそうな馬がちらほらいますが……果たして戴冠できるでしょうか!?
今週末も東京・京都・新潟の3場開催ですが、東京芝と京都芝は使用コースが替わりますのでご注意ください。5月11日~12日に行われる3場(東京、京都、新潟)の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
5月11日~12日
場所 | 芝 |
東京 | Bコース・1週目 |
京都 | Dコース・1週目 |
新潟 | Bコース・3週目 |
5月11日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 夏木立賞 | [1.0.0.3] |
東京10R | 緑風S | [2.1.2.11] |
東京11R | 京王杯SC | [2.1.2.30] |
京都9R | あやめ賞 | [0.1.2.7] |
京都10R | 蹴上特別 | [0.0.1.9] |
京都11R | 都大路S | [1.0.1.26] |
新潟10R | はやぶさ賞 | [1.4.3.26] |
新潟11R | 中ノ岳特別 | [0.2.0.26] |
新潟12R | 高田城特別 | [0.0.3.21] |
5月12日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京8R | テレ玉杯 | [1.0.2.14] |
東京9R | 青竜S | [1.0.0.7] |
東京10R | プリンシパルS | [1.2.2.25] |
東京11R | ヴィクトリアマイル | [2.2.4.28] |
東京12R | BSイレブン賞 | [0.2.0.16] |
京都9R | 白川特別 | [0.0.2.11] |
京都10R | 錦S | [0.1.1.12] |
京都11R | 栗東S | [1.1.2.30] |
新潟10R | 胎内川特別 | [0.1.2.17] |
新潟11R | 赤倉特別 | [2.1.2.22] |
新潟12R | 三条特別 | [0.4.1.17] |
☆注目レース☆
ヴィクトリアマイル(G1、東京芝1600m)
ヴィクトリアマイルでの穴ぐさは[2.2.4.28](複勝率22.2%)で、複勝回収率は154%です。昨年は【B】評価だったジュールポレールが勝ち、【A】評価だったレッドアヴァンセが③着に入る【穴ぐさダブル】となりました。
2014年以降に激走した穴ぐさは5頭で、この5頭は前走が阪神牝馬Sか京都牝馬Sで、阪神牝馬Sからの臨戦だった4頭はディープインパクト産駒でした。
過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が14頭いて、そのうち13頭は前走が重賞で、例外馬は近2走で連勝していました。前走が重賞だった13頭のうち、前走が⑤着以内だった馬が8頭で、残りの5頭は前走が3~6番人気でした。
2013年以降に激走した9頭のうち7頭は東京芝で勝ち鞍があり、例外の2頭は昨年(①着)と一昨年(③着)のジュールポレールです。2015年以降の激走7頭はニジンスキーかダンシングブレーヴかフェアリーキングを内包していたので、それらの血脈と東京実績馬に注意しましょう。
☆注目レース☆
緑風S(1600万、東京芝2400m)
緑風Sでの穴ぐさは[2.1.2.11](複勝率31.3%)で、複勝回収率は215%です。
馬券圏内に入った5頭は4~6歳の牡馬で、いずれも左回りの芝で勝ち鞍があり、5頭のうち4頭は左回りの芝2400mで勝利実績がありました。5頭のうち4頭は前走馬券圏外で、例外の1頭は約8ヶ月ぶりだったので、左回り実績馬を侮らないようにしましょう。
☆注目レース☆
三条特別(500万、新潟芝外1600m)
三条特別での穴ぐさは[0.4.1.17](複勝率22.7%)で、複勝回収率は109%です。
芝1600mの時に限ると[0.4.0.11](複勝率26.7%)で、連対した4頭は馬番6~10番の5歳馬でした。4頭は前走が⑤着以下でしたが、中6週以内の臨戦で、左回りで③着以内に好走したことがある馬でした。このレースも左回り実績馬に注意しましょう。
☆注目レース☆
はやぶさ賞(500万、新潟芝直1000m)
はやぶさ賞での穴ぐさは[1.4.3.26](複勝率23.5%)で、複勝回収率は121%です。
馬券圏内に入った8頭はいずれも1000~1200mのレースを4角3番手以内から押し切ったことがあった馬で、8頭中7頭は前走が掲示板外でした。8頭のうち6頭は直線競馬が初めてでもあったので、直線競馬の経験がなくても、前走着順が良くなくても、先行押し切りの実績がある馬はマークしておきましょう。
■ちなみに…■
京王杯SCでの穴ぐさは[2.1.2.30]で、過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が10頭います。その10頭のうち8頭は父か母父がノーザンダンサー系で、残りの2頭はサクラバクシンオー産駒です。サクラバクシンオー産駒の2頭は5代血統表内にノーザンダンサーのクロスを持っていたので、ノーザンダンサー系を濃く持っている馬をマークしておきましょう。
10頭はいずれも左回りの芝で勝ち鞍があり、2014年以降の6頭のうち5頭は芝1600mの重賞で連対実績がありました。その6頭は馬番8番より外枠だったので、真ん中から外枠でマイル実績がある馬は侮らないようにしましょう。