穴ぐさ傾向と対策
マーメイドSは小柄な馬に妙味あり!?
先週(6月6日~7日)の穴ぐさは[2.4.10.61](複勝率20.8%)で、複勝回収率が122%でした。安田記念では【B】評価だったノームコアが外から鋭伸したものの③着インディチャンプにクビ差及びませんでした…。
その安田記念は単勝1.3倍だったアーモンドアイが②着に敗れ、優勝したのはグランアレグリアでしたね。グランアレグリアは2馬身半差の快勝で、上位人気5頭の中では唯一の外枠(7枠11番)を活かしてスムーズに差し切りました。
今春の東京芝1600mの特別競走では外枠の馬ばかりが勝っていることを先週にお伝えしましたが、安田記念もその傾向通りで、アーモンドアイは4枠5番でスタートもあまり良くなく、それが響いた面もあったのでしょう。
改めて今春の東京芝1600mの特別競走における枠順別成績をご覧ください。
【2020年4~6月の東京芝1600mの特別競走】
枠順 | 着別度数 |
1枠 | [0.1.0.7] |
2枠 | [0.2.1.5] |
3枠 | [0.0.2.7] |
4枠 | [0.1.1.6] |
5枠 | [0.0.0.8] |
6枠 | [2.0.1.7] |
7枠 | [1.0.0.13] |
8枠 | [3.2.1.8] |
安田記念までに6レースが行われ、優勝馬はすべて6~8枠でした。今週末も八丈島特別(1勝クラス)と芦ノ湖特別(2勝クラス)が予定されていますから、枠順は重要でしょう。
今週末にエプソムCが行われる東京芝1800mコースも同様の傾向になっているのか、気になる人も多いと思うので、調べてみました。
【2020年4~6月の東京芝1800mの特別競走】
枠順 | 8~9頭立て | 10頭立て以上 |
1枠 | [0.0.0.2] | [0.0.0.6] |
2枠 | [1.0.0.1] | [0.0.1.5] |
3枠 | [1.0.0.1] | [0.0.1.6] |
4枠 | [0.0.0.2] | [1.0.0.7] |
5枠 | [0.1.0.1] | [1.1.1.6] |
6枠 | [0.1.0.1] | [0.1.0.8] |
7枠 | [0.0.1.1] | [0.0.2.9] |
8枠 | [0.0.1.2] | [3.2.0.6] |
9頭立て以下と10頭立て以上で分けました。1600mコースほどではないにしても、東京芝1800mの特別競走も10頭立て以上だと1~3枠の馬は[0.0.2.17]と連対圏に入れていませんし、8枠から多くの連対馬が出ていますから、内より外の方が良さそうです。今年のエプソムCはフルゲートになりそうで、荒れた内側の馬場を避けて走れそうな馬を狙うと良いんじゃないですかね。
一方、阪神では、牝馬限定のハンデ重賞であるマーメイドSが予定されています。こちらもフルゲートになりそうで、毎年波乱含みのレースですから、今年も一筋縄ではいきそうにありません。
今年は芝のハンデ重賞が11レース行われ、すべてのレースで7番人気以下の馬が馬券に絡み、10番人気以下の馬が9レースで③着以内に入っています。その11レースを1~5番人気と6番人気以下で分けると、次のようになっていました。
【2020年の芝のハンデ重賞】
枠順 | 1~5番人気 | 6番人気以下 |
1枠 | [0.0.1.5] | [0.0.1.13] |
2枠 | [4.0.0.6] | [0.1.1.8] |
3枠 | [1.3.1.5] | [1.2.0.9] |
4枠 | [3.0.0.6] | [0.1.1.11] |
5枠 | [0.0.1.2] | [1.0.1.17] |
6枠 | [0.0.0.5] | [0.1.1.15] |
7枠 | [0.1.0.4] | [0.1.2.17] |
8枠 | [0.0.1.6] | [1.1.0.17] |
11レースのうち8レースでは1~5番人気が優勝しているのですが、その8頭は2~4枠でした。1~5番人気で連対圏に入った12頭のうち11頭は2~4枠ですから、マーメイドSの上位人気も2~4枠に入った馬を評価すると良いのではないでしょうか。
6番人気以下の馬はいろいろな枠順で激走していますが、こちらは馬体重によって傾向に違いが見られるので、そのデータをご覧いただきましょう。
【2020年の芝のハンデ重賞で6番人気以下の馬】
馬体重 | 牡セン馬 | 牝馬 |
458kg以下 | [0.1.1.7] | [0.1.1.12] |
460~478kg | [0.2.2.19] | [1.1.0.7] |
480~498kg | [2.2.2.22] | [0.0.0.4] |
500kg以上 | [0.0.1.27] | [0.0.0.9] |
6番人気以下で馬券に絡んだ馬は、牡セン馬が13頭、牝馬が4頭いて、牡セン馬の13頭のうち12頭は498kg以下で、牝馬の4頭は478kg以下でした。6番人気以下で激走した馬は軽ハンデが多く(17頭のうち12頭がハンデ54kg以下)、大柄ではない馬が軽ハンデで穴を開けている傾向が見られます。この流れに従えば、マーメイドSも小柄な軽ハンデ馬に注目すると面白いのではないでしょうか。
ちなみに、6番人気以下で馬券に絡んだ馬は17頭で、そのうち16頭は中7週以内の臨戦でした。6番人気以下で中8週以上だと[0.1.0.32]という成績なので、穴馬は間隔が開き過ぎていないタイプを狙うと良さそうです。
今週末からは函館開催がスタートします。6月13日~14日に行われる東京、阪神、函館の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
6月13日~14日
場所 | 芝 |
東京 | Cコース・3週目 |
阪神 | Aコース・2週目 |
函館 | Aコース・1週目 |
6月13日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 八丈島特別 | [0.1.1.6] |
東京10R | 三浦特別 | [0.4.1.21] |
東京11R | ジューンS | [1.0.2.18] |
阪神9R | 甲武特別 | [1.0.0.2] |
阪神10R | 三田特別 | [1.2.0.12] |
阪神11R | 天保山S | [0.0.1.15] |
函館10R | 駒ヶ岳特別 | [1.1.1.11] |
函館11R | 函館日刊スポーツ杯 | [2.0.3.30] |
函館12R | 遊楽部特別 | [2.1.1.20] |
6月14日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 八王子特別 | [0.1.1.14] |
東京10R | 芦ノ湖特別 | [1.1.1.5] |
東京11R | エプソムC | [0.2.3.34] |
阪神9R | 洲本特別 | [1.4.0.12] |
阪神10R | 灘S | [1.1.1.25] |
阪神11R | マーメイドS | [2.3.2.33] |
函館10R | 木古内特別 | [0.2.1.16] |
函館11R | UHB杯 | [2.0.1.25] |
函館12R | 洞爺湖特別 | [0.3.2.14] |
☆注目レース☆
洲本特別(2勝クラス、阪神ダート1400m)
洲本特別での穴ぐさは[1.4.0.12](複勝率29.4%)で、複勝回収率は185%です。昨年はクリノケンリュウが9番人気で勝利しました。
連対した5頭は5~6歳で、そのうち4頭は馬番8番より外枠の偶数馬番でした。5頭のうち4頭は前走が阪神以外で馬券圏外でしたが、その4頭のうち3頭は阪神ダートでの連対歴があったので、阪神実績馬の巻き返しに注意しましょう。
☆注目レース☆
洞爺湖特別(2勝クラス、函館芝1800m)
洞爺湖特別での穴ぐさは[0.3.2.14](複勝率26.3%)で、複勝回収率は127%です。昨年は【B】評価だったハウエバーが③着に入りました。
馬券に絡んだ5頭は4~5歳で、いずれも父か母父がサンデー系でした。5頭のうち4頭は函館か札幌で勝ち鞍を挙げていたので、北海道で実績のある馬をマークしておきましょう。
☆注目レース☆
八丈島特別(1勝クラス、東京芝1600m)
八丈島特別での穴ぐさは[0.1.1.6](複勝率25.0%)で、複勝回収率は142%です。
馬券圏内に入った2頭は3歳馬でしたが、どちらも左回りの芝で初勝利を挙げていました。2頭は父か母父がサンデー系で、勝ち鞍を挙げた時はメンバー中1~2位の上がりを使っていたので、古馬相手でも決め手が通用しそうなタイプを狙うと良いでしょう。
☆注目レース☆
遊楽部特別(1勝クラス、函館芝1800m)
遊楽部特別での穴ぐさは[2.1.1.20](複勝率16.7%)で、複勝回収率は117%です。
③着以内に入った4頭は4歳の関東馬で、いずれも偶数馬番でした。4頭のうち3頭は函館が初めてでしたが、4頭はいずれも6~8月に連対歴があったので、夏季実績を確認して臨むと良いでしょう。
■ちなみに…■
エプソムCでの穴ぐさは[0.2.3.34]で、マーメイドSでは[2.3.2.33]です。マーメイドSでは昨年が【A】評価だったサラスが優勝し、一昨年は【B】評価だったアンドリエッテが勝利しました。エプソムCでは昨年に【A】評価だったサラキアが②着に食い込んでいます。
過去10年のマーメイドSでは7番人気以下で③着以内に入った馬が15頭いて、そのうち12頭がハンデ50~53kgです。昨年のサラスや一昨年のアンドリエッテはハンデ51kgで、2014年以降に激走した8頭はいずれもハンデ53kg以下でした。
激走した15頭はすべて中8週以内の臨戦で、そのうち12頭は父サンデー系です。15頭のうち半数の8頭が前走で準OP以下を走っていたタイプで、2014年以降に激走した8頭のうち7頭は近3走以内に芝で③着以内があったので、好調さが感じられる馬は格上挑戦の軽ハンデで侮れないでしょう。
過去10年のエプソムCでは7番人気以下で③着以内に入った馬が5頭いて、いずれも馬番1~6番でした。5頭はすべて芝重賞で馬券に絡んだことがあったので、実績を評価されていない馬がいたらマークしておくと良いでしょう。
激走した5頭のうち4頭は父か母父がサンデー系ですが、同じく5頭のうち4頭は5代血統表内にニジンスキーを持っていたので、スタミナの裏付けがあると良さそうです。