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穴ぐさ傾向と対策

金鯱賞もサンデー系の牙城が固い?


先週(3月6日~7日)の穴ぐさは[2.10.7.101](複勝率15.8%)でした。弥生賞もチューリップ賞も堅い決着で、オーシャンSでは11番人気でコントラチェックが優勝したものの指名できず、申し訳ありませんでした。

先週の3重賞はいずれも先行馬が止まらない展開でしたが、中でも3歳限定戦のチューリップ賞と弥生賞は、レースの前半3F通過が36秒台というスローで、弥生賞は1000m通過が62秒6という緩い流れでした。共同通信杯もきさらぎ賞もレースの1000m通過は61秒台で、京成杯はさらに遅い63秒7(1000m通過)でした。

今年に入ってから芝1800m以上の3歳限定のOP戦は、京成杯、若駒S、きさらぎ賞、共同通信杯、すみれS、弥生賞と6レースが行われていますが、これらをレースの1000m通過タイムの速い順に並べるとどうなるか、分かるでしょうか?

正解は次の通りです。

【2021年・3歳限定の芝1800m以上のOP】
レースの
1000m通過タイム
レース名 勝ち馬
60秒3 すみれS ディープモンスター
61秒2 きさらぎ賞 ラーゴム
61秒5 若駒S ウインアグライア
61秒9 共同通信杯 エフフォーリア
62秒6 弥生賞 タイトルホルダー
63秒7 京成杯 グラティアス

実は、いちばん流れたのが2200m戦のすみれSです。上記の6レースはいずれも12頭立て以下だったこともあるのでしょうが、緩い流れが多いことは皐月賞へ向けて覚えておいた方が良さそうです。

ちなみに、現3歳世代の芝1800m以上のOP戦は14レースあり(つまり、2歳時に8レース)、すみれS以外にレースの1000m通過が61秒を切ったケースは3回しかありません。60秒6のアイビーS(勝ち馬オーソクレース)、60秒5の東スポ杯2歳S(勝ち馬ダノンザキッド)、そして、59秒2の札幌2歳S(勝ち馬ソダシ)です。

近年の2~3歳限定戦は、分散化によって少頭数になりやすいからスローペースも仕方ない、と思われるかもしれませんが、近年の皐月賞を制した馬の多くはそれなりに締まったペースでの好走歴があったので、それは見逃せないんじゃないかと思うんですよね。

【2015年以降の皐月賞優勝馬】
優勝馬 実績
2020年 コントレイル 2019年東スポ杯2歳S
(1000m通過58秒8)
2019年 サートゥルナーリア 特になし
2018年 エポカドーロ 2018年スプリングS
(1000m通過59秒6)
2017年 アルアイン 2017年毎日杯
(1000m通過60秒1)
2016年 ディーマジェスティ 2016年共同通信杯
(1000m通過60秒0)
2015年 ドゥラメンテ 2015年共同通信杯
(1000m通過60秒0)

2015年以降の皐月賞馬に関しては上記の通りで、サートゥルナーリア以外の5頭は、1000m通過が60秒1以内の芝1800m以上の重賞で連対歴がありました。今年はまだスプリングS毎日杯などが残されていますから、それらのペースと連対馬には注目したいですね。

今週末は、中山牝馬Sフィリーズレビュー金鯱賞という重賞が予定されていて、金鯱賞にはデアリングタクトが出走予定です。デアリングタクト自身は中京競馬場が初めてで、中京開催は今週末が開幕週となりますが、年始から2月7日まで開催があり、かなり馬場が傷んだ印象でしたから、がどんな状態になっているのかもポイントかもしれませんね。

今年の1回中京開催を振り返ると、重賞においては1番人気が受難でした。重賞は7レースが行われ、1番人気は[0.0.1.6]で、連対圏に入ったのはきさらぎ賞のランドオブリバティ(③着)だけという結果でした。7レースのうち6レースが15頭立て以上で、多頭数のレースが多かったことも一因と思いますが……。

金鯱賞が行われる芝2000mコースでは、きさらぎ賞など特別競走が7レース行われ、優勝した馬はいずれも父か母父がサンデー系でした。

【2021年の中京芝2000mの特別競走】
血統 着別度数
父サンデー系 [5.6.4.36]
母父サンデー系 [2.0.1.14]
父も母父もサンデー系以外 [0.1.2.14]

勝利した7頭は、父サンデー系(5頭)か母父サンデー系(2頭)でした。

今年の金鯱賞に登録している馬は10頭で、父サンデー系は5頭(すべてディープインパクト産駒)、母父サンデー系は3頭います。父も母父もサンデー系ではない馬の1頭がデアリングタクト(父エピファネイア×母父キングカメハメハ)で(もう1頭はサンレイポケット)、デアリングタクトサンデーサイレンスの4×3というクロスを持つ馬ですが、上記データを覆して勝利できるかが見どころでしょうか。

なお、金鯱賞は大阪杯の前哨戦として2017年から3月開催に移り、その後の4年のうち3年で逃げ馬が②~③着に入っています。その4年ではいずれも4角3番手以内の馬が連対圏に入っていて、前哨戦らしくスローペースで流れるケースも多いので、今週末もそのことを頭に入れて馬券検討した方が良さそうですね。

3月13日~14日に行われる中山、阪神、中京の芝の使用コース特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。

3月13日~14日
場所
中山 Aコース・3週目
阪神 Aコース・5週目
中京 Aコース・1週目

3月13日
場所 レース名 穴ぐさ
成績
中山9R 鎌ヶ谷特別 [1.1.1.17]
中山10R アクアマリンS [2.2.3.34]
中山11R 中山牝馬S [1.3.4.34]
阪神9R ゆきやなぎ賞 [0.0.0.5]
阪神10R 但馬S [1.0.3.24]
阪神11R ポラリスS [1.4.3.27]
中京10R 昇竜S [1.2.2.22]
中京11R 中京スポーツ杯 [2.0.1.27]
中京12R 熊野特別 [1.1.1.21]

3月14日
場所 レース名 穴ぐさ
成績
中山9R 房総特別 [1.0.4.26]
中山10R 東風S [2.1.0.26]
中山11R アネモネS [0.0.1.34]
阪神9R 春日特別 [1.2.0.12]
阪神10R 伊丹S [1.3.2.28]
阪神11R フィリーズレビュー [4.2.2.30]
中京10R 岡崎特別 [0.0.1.29]
中京11R 金鯱賞 [0.5.2.28]
中京12R 伊良湖特別 [1.1.1.26]
※条件が過去とは異なるレースもあります。レース番号が変更になる場合もあります。

注目レース
フィリーズレビュー(G2、阪神芝1400m)

フィリーズレビューでの穴ぐさは[4.2.2.30](複勝率21.1%)で、複勝回収率は167%です。昨年は【C】評価だったナイントゥファイブが12番人気で③着に食い込みました。

過去10年のフィリーズレビューでは7番人気以下で③着以内に入った馬が9頭いて、そのうち4頭は4角3番手以内からの粘り込みで、この4頭はいずれも偶数馬番でした。それら以外の5頭は4角7番手以下からの差し込みで、その5頭のうち4頭は奇数馬番だったので、偶数馬番の先行型・奇数馬番の差し型を狙うと面白そうです。

9頭のうち3頭は前走が芝OPで馬券圏外でしたが、この3頭は2~3走前に芝で連対圏に好走していました。残りの6頭は前走が1勝クラス未勝利戦で、1~5番人気で⑤着以内に入っていました。2015年以降の激走馬5頭はいずれも前走が1勝クラスか未勝利戦だったので、近年は昇級でも調子の良さそうなタイプが侮れなさそうです。

注目レース
中山牝馬S(G3、中山芝1800m)

中山牝馬Sでの穴ぐさは[1.3.4.34](複勝率19.0%)で、複勝回収率は151%です。

過去10年の中山牝馬Sでは7番人気以下で③着以内に入った馬が12頭いて、いずれも中8週以内の臨戦でした。12頭のうち10頭は中4~8週で、間隔が詰まり過ぎず、空き過ぎてもいないタイプが良さそうです。

近9年の中山で激走した馬は9頭で、そのうち7頭は5~6歳でした。9頭のうち6頭は前走が①~③着で、例外の3頭のうち2頭は芝1800mの重賞勝ち馬だったので、好調さと実績をチェックしておきましょう。9頭のうち8頭は4代血統表内にグレイソヴリン系かボールドルーラー系かロベルト系を持っていたので、重い芝でもパワーを発揮できそうな血統馬が侮れないでしょう。

注目レース
ポラリスS(OP特別、阪神ダート1400m)

ポラリスSでの穴ぐさは[1.4.3.27](複勝率22.9%)で、複勝回収率は118%です。昨年はドリュウが10番人気で②着、一昨年はバイラが7番人気で③着、3年前はタガノエスプレッソが9番人気で②着に入っています。

馬券に絡んだ8頭の穴ぐさのうち7頭は偶数馬番で、近10年で激走した5頭のうち4頭は馬番4~8番でした。8頭のうち前走が馬券圏内だった馬は1頭だけですが、その馬も含めて8頭はいずれもダート1400mで準OP以上を勝利した実績があったので、ダート1400mでの成績を確認して臨みましょう。

注目レース
昇竜S(OP特別、中京ダート1400m)

昇竜Sでの穴ぐさは[1.2.2.22](複勝率18.5%)で、複勝回収率は105%です。昨年はアウトウッズが7番人気で②着、一昨年はニューモニュメントが8番人気で②着、3年前はメイショウヒサカタが10番人気で①着となっています。

激走した5頭の穴ぐさは5~8枠で、そのうち4頭はメンバー中2位以内の上がり(35秒3~37秒5)で差し込んでいたので、真ん中から外枠で決め手のあるタイプが狙い目でしょう。5頭は父か母父がサンデー系かミスプロ系で、前走がダートで①着か芝で⑥着以下でした。

ちなみに…
金鯱賞での穴ぐさは[0.5.2.28]で、昨年は【A】評価だったサトノソルタスが8番人気で②着、【B】評価だったダイワキャグニーが6番人気で③着に入る【穴ぐさダブル】でした。過去10年の金鯱賞では、7番人気以下で③着以内に入った馬が7頭います(いずれも②~③着)。

激走した7頭は父か母父がサンデー系で、凱旋門賞(⑯着)帰りだった2018年のサトノノブレス(②着)以外の6頭は前走⑤着以内でした。2013年以降の激走馬6頭は馬体重が490kg以上で、その6頭のうち5頭は馬番8番以内だったので、馬番8番以内で前走で掲示板に載っていた大型馬をマークしておきましょう。


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