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穴ぐさ傾向と対策

道悪の中山芝重賞で見逃せない血脈とは?


先週(3月13日~14日)の穴ぐさは[5.6.9.96](複勝率17.2%)で、中山牝馬S【B】評価だったロザムールが②着となり、フィリーズレビューでは【B】評価だったシゲルピンクルビーが①着、【C】評価だったミニーアイルが③着に入る【穴ぐさダブル】になりました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!

フィリーズレビューを制したシゲルピンクルビー3枠5番で、②着となったヨカヨカ4枠8番という枠順でした。2月13日から始まった今年の阪神開催は、天皇賞・春が行われる5月2日までずっと続くわけですが(連続12週!)、先週までの芝重賞では、まだ内目の枠が優勢となっています。

【2021年の阪神芝の重賞】
馬番 着別度数
馬番1~8番 [6.3.1.30]
馬番9~18番 [0.1.4.29]

京都記念、京都牝馬S、阪急杯、チューリップ賞、フィリーズレビューという5レースが行われ、勝ち馬6頭はすべて馬番8番以内の馬で、連対圏に入った10頭のうち9頭が馬番1~8番です。

先々週、先週と阪神芝も稍重での施行があったので、だんだんと芝の内側が荒れてくる可能性もありますが、ひとまず上記のような傾向があることは覚えておいた方が良さそうです。

今週末の阪神では阪神大賞典が予定されていて、このコーナーで何度も記してきている通り、近年の長距離重賞では外目の枠の馬がよく勝っているので、そのことを振り返っておきましょう。

【2018年以降の芝3000m以上の古馬混合重賞】
枠順 着別度数
1枠 [0.1.2.12]
2枠 [0.1.2.14]
3枠 [0.0.1.19]
4枠 [0.2.4.16]
5枠 [1.1.0.20]
6枠 [3.3.2.16]
7枠 [2.5.2.17]
8枠 [7.0.0.20]

2018年以降の芝3000m以上の古馬混合重賞(ダイヤモンドS、阪神大賞典、天皇賞・春、ステイヤーズS)に限ると上記の通りで、勝ち馬はいずれも5~8枠から出ています。

今年の阪神芝の重賞とは真逆の傾向なので、どっちなんだよ!って話ですが、両方の傾向に気づいていながらどっちかしか載せないという判断は気が引けたので、ふたつとも掲載させていただきました。今年の阪神大賞典は登録頭数が14頭で、このままなら5枠(7~8番)の馬が最有力なのかもしれません。

今週末の中京ではファルコンS、中山ではスプリングSフラワーCという重賞が予定されていますが、今週末はまたもの可能性がありそうなんですよね。中山芝1800mの重賞は道悪馬場のケースが多い印象があるかもしれませんが、それは2~3月に施行されるレースばかりということも関係しているかと思います。

中山牝馬Sは昨年も今年も不良馬場となり、2年連続でフェアリーポルカが馬券に絡みました(2020年①着、21年③着)。昨年②着のリュヌルージュと同③着のエスポワールは4代血統表内にサドラーズウェルズを持っていて、今年の中山牝馬Sで優勝したランブリングアレーも3代母の父がサドラーズウェルズでした。

フェアリーポルカは祖母の父がヌレイエフで、今年の中山牝馬S②着のロザムールは母父カーリアンニジンスキー直仔です。中山芝1800mの重賞が道悪馬場で行われたケースを調べてみたら、5代血統表内にサドラーズウェルズニジンスキーヌレイエフを持つ馬がこれだけ馬券に絡んでいました。

【2006年以降に道悪馬場で行われた中山芝1800mの重賞】

レース
馬場
着順・馬名 血統
2021年
中山牝馬S
不良
着ランブリングアレー
着ロザムール
着フェアリーポルカ
母母母父サドラーズウェルズ
母父父ニジンスキー
母母父ヌレイエフ
2020年
中山牝馬S
不良
着フェアリーポルカ
着リュヌルージュ
着エスポワール
母母父ヌレイエフ
父母父父サドラーズウェルズ
母母母父サドラーズウェルズ
2018年
中山牝馬S
稍重
着カワキタエンカ
着フロンテアクイーン
母母母父父ニジンスキー
父父父サドラーズウェルズ
2015年
中山記念
稍重
着ヌーヴォレコルト
着ロゴタイプ
母父父ヌレイエフ
母母母父ヌレイエフ
2014年
中山記念
稍重
着ロゴタイプ 母母母父ヌレイエフ
2012年
スプリングS
着ディープブリランテ
着ロジメジャー
母父母父ヌレイエフ
母母父父ニジンスキー
2012
年フラワーC
着オメガハートランド
着メイショウスザンナ
母父母父サドラーズウェルズ
母母父父ニジンスキー
2012年
中山牝馬S
着レディアルバローザ
着エオリアンハープ
父父母父ヌレイエフ
母母母父ニジンスキー
2012年
中山記念
着フェデラリスト 母母父ニジンスキー
2010年
中山記念
不良
着トーセンクラウン
着テイエムアンコール
父父サドラーズウェルズ
父父サドラーズウェルズ
2009年
中山牝馬S
稍重
着ダンスオールナイト 母母父ニジンスキー
2009年
中山記念
稍重
着カンパニー 父母父サドラーズウェルズ
2007年
中山牝馬S
着ウイングレット 母母母父ニジンスキー
2006年
中山記念
着バランスオブゲーム 父父父ニジンスキー

血統欄は、サドラーズウェルズニジンスキーヌレイエフのうち、代表的な血脈を記載しました(それらのクロスや複数の血脈を持つ馬もいます)。2006年以降、中山芝1800mの重賞が道悪馬場となったのは上記の14レースで、いずれも馬券に絡む馬が出ています。重~不良馬場の時(9レース)に限れば、5代血統表内にサドラーズウェルズニジンスキーを持つ馬が③着以内に入っていて、そのうち7レースで連対していますから、かなりの道悪となったら注目すべきでしょう。

今年のスプリングSで上位人気が予想される馬では、ヴィクティファルスは母父父がサドラーズウェルズで母母母父父がニジンスキーですね。ロードトゥフェイムは母母父父がニジンスキーで、ランドオブリバティは母母父父父がニジンスキーです。

一方、フラワーCでは、イズンシーラブリーが母母父父がニジンスキーオメガロマンスが母父父がヌレイエフクールキャットが母父母父がニジンスキーホウオウイクセルが母父母父父がニジンスキーリフレイムが母父母母父がニジンスキー、などとなっています。参考にしてください。

3月20日~21日に行われる中山、阪神、中京の芝の使用コース特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。

3月20日~21日
場所
中山 Aコース・4週目
阪神 Aコース・6週目
中京 Aコース・2週目

3月20日
場所 レース名 穴ぐさ
成績
中山9R 館山特別 [0.0.0.11]
中山10R 韓国馬事会杯 [1.0.0.36]
中山11R フラワーC [1.3.2.36]
阪神9R 淡路特別 [0.0.1.10]
阪神10R 武庫川S [2.0.3.22]
阪神11R 若葉S [1.1.0.20]
中京10R 熱田特別 [1.2.3.22]
中京11R ファルコンS [0.3.4.34]
中京12R 矢作川特別 [0.2.0.9]

3月21日
場所 レース名 穴ぐさ
成績
中山9R スピカS [2.0.2.12]
中山10R 千葉S [2.4.1.34]
中山11R スプリングS [2.1.3.28]
阪神9R 豊中特別 [0.0.0.6]
阪神10R なにわS [1.1.3.30]
阪神11R 阪神大賞典 [0.1.0.16]
中京10R フローラルウォーク賞 [0.0.0.14]
中京11R 名古屋城S [2.0.2.20]
中京12R 豊橋特別 [3.3.1.25]
※条件が過去とは異なるレースもあります。レース番号が変更になる場合もあります。

注目レース
名古屋城S(OP特別、中京ダート1800m)

名古屋城Sでの穴ぐさは[2.0.2.20](複勝率16.7%)で、複勝回収率は131%です。

馬券に絡んだ4頭の穴ぐさは5歳牡馬で、1800mコースで③着以内に入った3頭は父がミスプロ系かボールドルーラー系でした。4頭は左回りのダート1700~1800mで③着以内に入ったことがあり、中4週以内の臨戦だったので、順調に使われている左回り実績馬をチェックしておきましょう。

注目レース
なにわS(3勝クラス、阪神ダート1200m)

なにわSでの穴ぐさは[1.1.3.30](複勝率14.3%)で、複勝回収率は102%です。

馬券圏内に入った5頭の穴ぐさは父か母父がサンデー系かミスプロ系で、4角6番手以内から③着以内に入りました。2012年以降の4頭は馬番8~14番で、その4頭はいずれも阪神ダートの1勝クラス(500万)以上で勝ち鞍があったので、先行力のある阪神実績馬に注目しましょう。

注目レース
豊橋特別(2勝クラス、中京芝1400m)

豊橋特別での穴ぐさは[3.3.1.25](複勝率21.9%)で、複勝回収率は100%です。

③着以内に入った7頭の穴ぐさは4~5歳で、そのうち6頭は4歳です。芝1400mで馬券に絡んだ4頭は父がサンデー系かミスプロ系で、そのうち3頭は母父がノーザンダンサー系でした。4頭は芝1600~1800mでの勝利実績があったので、1400mを超える距離で好走歴があるタイプが狙い目でしょう。

注目レース
熱田特別(1勝クラス、中京芝2000m)

熱田特別での穴ぐさは[1.2.3.22](複勝率21.4%)で、複勝回収率は162%です。

新装後の中京芝2000mで激走した5頭の穴ぐさは父か母父がサンデー系で、そのうち3頭は父か母父がノーザンダンサー系、2頭は父か母父がグレイソヴリンです。5頭は前走が掲示板外でしたが、そのうち4頭は前走が2000m以外だったので、2000mに替わることがプラスに働きそうなタイプに妙味がありそうです。

ちなみに…
阪神大賞典での穴ぐさは[0.1.0.16]、スプリングSでは[2.1.3.28]、フラワーCでは[1.3.2.36]、ファルコンSでは[0.3.4.34]です。昨年は、スプリングS【B】評価だったガロアクリークが優勝し、阪神大賞典では【B】評価だったトーセンカンビーナが②着、ファルコンSでは【C】評価だったヴェスターヴァルトが③着に入りました。

過去10年の阪神大賞典では6番人気以下で③着以内に入った馬が4頭いて、5~6歳馬でした。4頭のうち3頭は父サンデー系で、同じく4頭のうち3頭は阪神芝で勝ち鞍がありました。4頭は1~3月の芝で勝利実績があったので、1~3月での実績もチェックしておくと良さそうです。

過去10年のスプリングSでは7番人気以下で③着以内に入った馬が5頭いて、父か母父がサンデー系の馬です。5頭のうち4頭は父か母父がノーザンダンサー系でもあるので、父&母父がサンデー系&ノーザンダンサー系という組み合わせの馬は侮れないでしょう。

5頭は前走が1勝クラス以上の芝1800m以下で①~②着でした。そのうち4頭は前走でメンバー中3位以内の上がりを計時していたので、前走で速い上がりを使って好走していたタイプは人気がなくてもマークする必要がありそうです。

過去10年のフラワーCでは7番人気以下で③着以内に入った馬が7頭いて、中山での6頭は父か母父がサンデー系です。中山での6頭のうち5頭は前走で4角2~3番手に付けていて、先行力のあるタイプが侮れないでしょう。中山での6頭のうち5頭は馬番10番以内で、6頭のうち4頭は馬体重が442kg以下だったので、小柄なタイプでも距離ロスを抑えて走れそうなタイプに注意しましょう。

過去10年のファルコンSでは7番人気以下で③着以内に入った馬が8頭いて、新装後の芝1400mでの7頭はキャリア6~9戦でした。その7頭は馬番8番以内で、父か母父がサンデー系かノーザンダンサー系です。7頭のうち5頭は左回りの1400mで④着以内に入ったことがあったので、左回りの1400m実績は重要でしょう。


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