穴ぐさ傾向と対策
日本ダービーでも450~460kg台の馬が台頭する!?
先週(5月22日~23日)の穴ぐさは[3.7.10.97](複勝率17.1%)でした。全体の成績は悪くなかったものの、オークスではタガノパッションが④着、平安Sではアルドーレが④着という結果で、馬券に貢献できず、申し訳ありませんでした。
オークスは序盤から厳しい展開になり、差し馬が台頭する流れになってユーバーレーベンが差し切りましたね。ユーバーレーベンはデビュー戦を勝利した後は勝ち切れないレースが続いていたので、人気薄の可能性もあるのかと思っていましたが、3番人気という評価で、適性を見抜く人が多いなあと感心させられました。
さて、今週は、日本ダービーが行われます。今年の日本ダービーはフルゲート割れとなるようで、皐月賞を快勝したエフフォーリアの実績が抜けている印象を持つ人もいるかと思いますが、例年以上にチャンスがある馬が多い気もしています。今年も枠順の影響が強く出る可能性があるんじゃないですかね。
改めて、今年のJRAの芝G1優勝馬を振り返りましょう。
【2021年のJRA芝G1】
レース | 優勝馬 | 人気 | 枠順 | 前走 | 生産 |
オークス | ユーバーレーベン | 3 | 5枠9番 | フローラS③着 | ビッグレッドファーム |
ヴィクトリアマイル | グランアレグリア | 1 | 3枠6番 | 大阪杯④着 | ノーザンファーム |
NHKマイルC | シュネルマイスター | 2 | 7枠15番 | 弥生賞②着 | Northern Farm(独) |
天皇賞・春 | ワールドプレミア | 3 | 1枠1番 | 日経賞③着 | ノーザンファーム |
皐月賞 | エフフォーリア | 2 | 4枠7番 | 共同通信杯①着 | ノーザンファーム |
桜花賞 | ソダシ | 2 | 2枠4番 | 阪神JF①着 | ノーザンファーム |
大阪杯 | レイパパレ | 4 | 6枠8番 | チャレンジC①着 | ノーザンファーム |
高松宮記念 | ダノンスマッシュ | 2 | 7枠14番 | 香港スプリント①着 | ケイアイファーム |
ユーバーレーベンはビッグレッドファームの生産馬で、ノーザンファーム(Northern Farm)生産馬の連勝はストップしました。ヴィクトリアマイルで1番人気(グランアレグリア)が優勝したものの、3番人気だったユーバーレーベンを含めて、今年のJRAの芝G1は8レース中7レースで2~4番人気が勝利しています。
オークスは昔から小柄なタイプが活躍するケースが多く、今年の①~③着は450~460kg台の馬でした(①着ユーバーレーベンが462kg、②着アカイトリノムスメが450kg、③着ハギノピリナが454kg)。東京芝2400mでのG1は日本ダービー、オークス、ジャパンCの3レースがあり、近年は450~460kg台の馬が台頭するケースが目立つので、その成績をご覧ください。
【2018年以降の東京芝2400mでのG1】
年レース | ①~③着 | 馬体重 |
2021年オークス | ①着ユーバーレーベン ②着アカイトリノムスメ ③着ハギノピリナ |
462kg 450kg 454kg |
2020年ジャパンC | ①着アーモンドアイ ②着コントレイル ③着デアリングタクト |
490kg 456kg 474kg |
2020年日本ダービー | ①着コントレイル ②着サリオス ③着ヴェルトライゼンデ |
460kg 528kg 486kg |
2020年オークス | ①着デアリングタクト ②着ウインマリリン ③着ウインマイティー |
466kg 452kg 474kg |
2019年ジャパンC | ①着スワーヴリチャード ②着カレンブーケドール ③着ワグネリアン |
516kg 466kg 458kg |
2019年日本ダービー | ①着ロジャーバローズ ②着ダノンキングリー ③着ヴェロックス |
486kg 454kg 486kg |
2019年オークス | ①着ラヴズオンリーユー ②着カレンブーケドール ③着クロノジェネシス |
456kg 460kg 432kg |
2018年ジャパンC | ①着アーモンドアイ ②着キセキ ③着スワーヴリチャード |
472kg 504kg 510kg |
2018年日本ダービー | ①着ワグネリアン ②着エポカドーロ ③着コズミックフォース |
450kg 490kg 464kg |
2018年オークス | ①着アーモンドアイ ②着リリーノーブル ③着ラッキーライラック |
466kg 496kg 492kg |
2018年以降に東京芝2400mでのG1は10レースが行われ、そのうち9レースで450~460kg台の馬が連対しています。例外のレースは2018年のジャパンCで、その時は472kgのアーモンドアイが優勝したので、2018年以降の東京芝2400mのG1では472kg以下の馬が連対している、とも言えますね。今年の日本ダービーでも、小柄な馬、特に450~460kg台のタイプはマークしておくといいのではないでしょうか。
補足でお伝えしておくと、日本ダービーで大柄なタイプは良くない、と言っているわけではないので、その点はご注意ください。近10年の日本ダービーでは、488kg以下と490kg以上で分けると、次のような成績となっています。
【2011年以降の日本ダービー】
馬体重 | 着別度数 | 勝率 連対率 複勝率 |
488kg以下 | [8.4.6.99] | 6.8% 10.3% 15.4% |
490kg以上 | [2.6.4.50] | 3.2% 12.9% 19.4% |
好走率では490kg以上の馬の方が高くなっています。ただ、勝率は488kg以下の方が高く、大柄なタイプは②~③着が目立ちます。果たして今年の日本ダービーはどうなるでしょうか!?
今週末は東京と中京の2場開催で、どちらも芝はコース替わり初週となるので、ご注意ください。5月29日~30日に行われる東京、中京の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
5月29日~30日
場所 | 芝 |
東京 | Cコース・1週目 |
中京 | Bコース・1週目 |
5月29日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 富嶽賞 | [1.1.3.30] |
東京10R | 葉山特別 | [1.1.2.18] |
東京11R | 欅S | [0.1.2.38] |
中京9R | 揖斐川特別 | [0.0.0.9] |
中京10R | 志摩S | [1.2.0.8] |
中京11R | 葵S | [1.1.5.30] |
5月30日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京8R | 青嵐賞 | [1.1.0.21] |
東京9R | 薫風S | [4.2.1.27] |
東京10R | むらさき賞 | [3.0.2.34] |
東京11R | 日本ダービー | [1.2.3.38] |
東京12R | 目黒記念 | [2.2.3.36] |
中京9R | 香嵐渓特別 | [2.1.2.27] |
中京10R | 安土城S | [0.0.0.21] |
中京11R | 白百合S | [0.2.2.9] |
中京12R | 伊勢S | [1.3.4.26] |
☆注目レース☆
日本ダービー(G1、東京芝2400m)
日本ダービーでの穴ぐさは[1.2.3.38](複勝率13.6%)で、複勝回収率は133%です。昨年は【A】評価だったヴェルトライゼンデが10番人気で③着、一昨年は【A】評価だったロジャーバローズが12番人気で優勝しました。
過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が8頭いて、そのうち7頭は馬番1~7番でした。8頭は中5週以内の臨戦で、前走が芝2000~2400mのOPでした。8頭のうち5頭は前走が①~②着で、残りの3頭は前走が芝G1~G2で4番人気以内だったので、そのようなタイプをマークしておきましょう。
激走した8頭はキャリア5~7戦で、そのうち7頭は父か母父がサンデー系です。同じく8頭のうち7頭は前走時馬体重が486kg以上で、8頭のうち6頭は前走で4角4番手以内に付けていたので、馬格のある先行型は侮らない方が良さそうです。
☆注目レース☆
葵S(重賞、中京芝1200m)
葵Sでの穴ぐさは[1.1.5.30](複勝率18.9%)で、複勝回収率は102%です。2014年以降は7年のうち6年で穴ぐさが馬券に絡んでいます。
京都で開催された近10年(重賞は近3年)では7番人気以下で③着以内に入った馬が11頭いて、そのうち10頭は前走で1400m以上を使われていた距離短縮馬です。その10頭のうち7頭は前走で4角5番手以内に付けていたので、中京開催となる今年も前走で先行力を見せていた距離短縮馬に注意しましょう。
激走した11頭のうち10頭は中8週以内での臨戦で、同じく11頭のうち10頭はキャリアが6戦以上でした。豊富なキャリアがあって順調に使われているタイプが侮れなさそうです。
☆注目レース☆
白百合S(OP特別、中京芝2000m)
白百合Sでの穴ぐさは[0.2.2.9](複勝率30.8%)で、複勝回収率は149%です。
馬券圏内に入った4頭の穴ぐさは中5週以内での臨戦で、2頭は前走で500万(1勝クラス)を勝ち、残りの2頭のうち1頭は2~4走前がOP、1頭は前走と3~5走前がOPでした。4頭はキャリア6~7戦だったので、ある程度の経験があるタイプをマークしておきましょう。
☆注目レース☆
薫風S(3勝クラス、東京ダート1600m)
薫風Sでの穴ぐさは[4.2.1.27](複勝率20.6%)で、複勝回収率は120%です。
激走した7頭の穴ぐさは4~6歳で、中2~4週での臨戦でした。7頭のうち6頭は左回りで勝利実績があり、7頭のうち6頭は近4走以内にダートで連対歴があったので、ある程度の勢いがあって順調に使われているタイプに注意しましょう。1600m戦で馬券に絡んだ4頭のうち3頭はメンバー中2位以内の上がりで差し込んだので、決め手のあるタイプをマークしておくと良さそうです。
☆注目レース☆
葉山特別(2勝クラス、東京芝1600m)
葉山特別での穴ぐさは[1.1.2.18](複勝率18.2%)で、複勝回収率は114%です。
③着以内に激走した4頭の穴ぐさ4~6歳で、中6週以内での臨戦でした。4頭は左回りで勝ち鞍があり、3代血統表内にミスプロ系を持っていたので、そのようなタイプに注目しましょう。4頭は前走で4角8番手以内に付けていたので、中団より前目に付けられそうな馬が良さそうです。
■ちなみに…■
目黒記念での穴ぐさは[2.2.3.36]で、昨年は【A】評価だったアイスバブルが②着、一昨年は【C】評価だったソールインパクトが③着に入りました。過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が12頭います。
激走馬12頭は5歳以上の牡セン馬で、ハンデ56kg以上だった5頭のうち4頭は馬番9~12番で、ハンデ55kg以下だった7頭のうち6頭は馬番9番以内でした。12頭のうち8頭は近3走以内に芝で③着以内の好走歴があり、それ以外の4頭のうち3頭は左回りの芝重賞で連対実績がありました。勢いがあるタイプか、左回りの重賞で実績のあるタイプが侮れないでしょう。