穴ぐさ傾向と対策
キーンランドCでも8枠の馬の人気に注目!
先週(8月21日~22日)の穴ぐさは[5.6.5.101](複勝率13.7%)で、札幌記念で【A】評価だったペルシアンナイトが8番人気で③着に食い込みました。ペルシアンナイトは札幌記念において2年連続で【A】評価に応える激走を見せてくれましたね。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!
今年の芝2000m重賞での穴ぐさは[1.6.3.37](複勝率21.3%)で、4月以降に限ると10レースのうち8レースで馬券に絡んでいて、その間の複勝回収率は123%です。今週末は芝2000m重賞がありませんが、来週には新潟記念が控えていますので、好成績を継続できるように頑張ります。
それにしても、札幌記念で優勝したソダシは強い内容でした。クロフネ産駒が芝2000m以上の重賞で未勝利だったことが懸念点だったと思いますが、上がり4Fを11秒7~11秒9のラップを持続して押し切るんですから、改めて能力の高さを示したと言えるでしょう。
その札幌記念の次のレース(手稲山特別)は2勝クラス(牝馬限定)の芝1200m戦で、同コースでは今週末にキーンランドCが予定されています。手稲山特別はリーチザクラウン産駒のスイートクラウンが快勝し、大外枠から逃げたタピオカが8番人気で③着に粘り込みましたが、このレースは8月の札幌芝1200m戦を象徴するような結果だったので、そのことをお伝えしましょう。
札幌の芝1200m戦は、今年8月に入ってから5レースが行われて、母系にノーザンダンサー系のスタミナ血脈とスピード血脈を併せ持つタイプがよく勝っています。勝ち馬5頭は次の通りです。
【2021年8月の札幌芝1200mでの勝ち馬】
月日 レース |
勝ち馬 | スタミナ血脈 スピード血脈 |
8月22日 手稲山特別 |
スイートクラウン | 母母母父父ニジンスキー 母母父母父ダンチヒ |
8月21日 未勝利 |
シュアーヴアリア | 母母父母父ニジンスキー 母父母父ノーザンテースト |
8月15日 UHB賞 |
アヌラーダプラ | 母母父父父サドラーズウェルズ なし |
8月15日 未勝利 |
フリートオブフット | 母母父母父父ニジンスキー 母父母父ノーザンテースト |
8月14日 1勝クラス |
ディキシークイーン | 母父父サドラーズウェルズ 母母父父父ダンチヒ |
優勝した5頭はいずれも母がニジンスキーかサドラーズウェルズを持っていて、UHB賞を勝ったアヌラーダプラ以外はダンチヒかノーザンテーストも持っていました。これらの血脈を持つことは重要そうで、UHB賞だけがOPですから、キーンランドCでより重要となるのはスタミナ血脈の方でしょうか。
ちなみに、近年のキーンランドCでも母系にサドラーズウェルズかニジンスキーを持つ馬の好走が続いていて、2013年以降は8年連続で5代血統表内(母系)にサドラーズウェルズかニジンスキーを持つ馬が馬券に絡んでいます。今年の登録馬では、カイザーメランジェ、ジョーアラビカ、タイセイアベニール、メイショウチタン、ロードアクアなどがそれに該当しますね。
先週の手稲山特別で馬券に絡んだ3頭は7~8枠と2枠で、今年8月の札幌芝1200m戦は枠順別の成績が次の通りです。
【2021年8月の札幌芝1200m】
枠順 | 着別度数 |
1枠 | [0.0.0.9] |
2枠 | [2.3.1.3] |
3枠 | [0.0.0.9] |
4枠 | [0.0.1.8] |
5枠 | [0.0.0.9] |
6枠 | [1.0.0.8] |
7枠 | [1.0.1.7] |
8枠 | [1.2.2.5] |
5枠以内だと、なぜか2枠だけよく好走していて、2枠以外の連対馬は6~8枠です。札幌芝は今週末からCコースに替わりますが、近年のキーンランドCは外枠の連対率が高いので(2014年以降は7年のうち6年で7~8枠が連対)、今年も外枠の馬には注意すべきでしょう。
今年8月の札幌芝1200m戦では、5レースすべてで8枠の馬が馬券に絡んでいて、いずれのレースでも8枠の2頭の中で上位人気だった馬が③着以内に入っています。
【2021年8月の札幌芝1200mでの8枠の馬】
月日 レース |
8枠の中で 上位人気 |
8枠の中で 下位人気 |
8月22日 手稲山特別 |
タピオカ 8番人気③着 |
エピローグ 13番人気⑧着 |
8月21日 未勝利 |
シュアーヴアリア 2番人気①着 |
エスタンピージャ 13番人気⑥着 |
8月15日 UHB賞 |
タイセイアベニール 3番人気②着 |
ゴールドチャリス 7番人気⑭着 |
8月15日 未勝利 |
ジョーブリッランテ 3番人気②着 |
アーサーズウィーク 8番人気⑨着 |
8月14日 1勝クラス |
レコレータ 1番人気③着 |
パクスジャポニカ 15番人気⑦着 |
8枠の中で上位人気だった馬が[1.2.2.0]で、8枠の中で下位人気だった馬が[0.0.0.5]です。キーンランドCは16頭立てになりそうですから、8枠の2頭の中で上位人気に推された馬に注目してみると面白そうです。
一方、新潟では新潟2歳Sが予定されていて、昨年の同レースは8枠11番だったショックアクションが優勝しましたが、2014~19年は偶数馬番の馬が6連勝していて、新潟2歳Sは偶数馬番の馬がよく勝っています(近10年のうち8年で偶数馬番の馬が勝利)。
今夏の新潟芝外1600m戦では、8月7日から潮目が変わったような結果になっているので、8月1日以前と8月7日以降に分けて成績をご覧ください。
【2021年夏の新潟芝外1600m】
馬番 | 7月24日 ~8月1日 |
8月7日 ~8月22日 |
偶数馬番 | [0.4.3.44] | [9.4.6.52] |
奇数馬番 | [7.3.4.42] | [0.5.3.68] |
今夏に新潟芝外1600m戦は16レースが行われ、8月1日までの7レースはすべて奇数馬番の馬が勝っていたのに、8月7日以降の9レースはすべて偶数馬番の馬が勝っているんですよ。あまりにきれいに分かれ過ぎていて、ちょっと気味悪いです(笑)。ちなみに、その16レースでの1~5番人気の勝率は、7月24日~8月1日が14.3%で、8月7日~8月22日が17.8%です。
近10年の新潟2歳Sの優勝馬は1~4番人気で、奇数馬番で勝利した2頭は1~2番人気でした。ということで、今年の新潟2歳Sも1~2番人気か、3~4番人気で偶数馬番の馬に勝機があるのでは?という気がしますが、どうでしょう?
小倉芝と札幌芝は今週末からコースが変更となるので、ご注意ください。8月28日~29日に行われる新潟、小倉、札幌の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
8月28日~29日
場所 | 芝 |
新潟 | Aコース・6週目 |
小倉 | Bコース・1週目 |
札幌 | Cコース・1週目 |
8月28日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
新潟9R | 岩室温泉特別 | [0.1.2.41] |
新潟10R | 長岡S | [1.1.3.31] |
新潟11R | BSN賞 | [1.2.2.27] |
小倉9R | ひまわり賞 | [0.0.0.3] |
小倉10R | 西海賞 | [0.0.2.9] |
小倉11R | 釜山S | [1.1.1.17] |
札幌9R | ルスツ特別 | [0.1.0.2] |
札幌10R | 摩周湖特別 | [0.0.0.12] |
札幌11R | オホーツクS | [1.0.2.18] |
札幌12R | ニセコ特別 | [0.1.1.26] |
8月29日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
新潟9R | 五頭連峰特別 | [0.0.2.29] |
新潟10R | 朱鷺S | [3.1.1.24] |
新潟11R | 新潟2歳S | [0.1.3.39] |
小倉9R | 英彦山特別 | [0.3.1.4] |
小倉10R | RKB賞 | [2.0.2.1] |
小倉11R | 小倉日経OP | [0.4.2.13] |
札幌9R | 小樽特別 | [3.2.4.28] |
札幌10R | 苫小牧特別 | [1.1.1.3] |
札幌11R | キーンランドC | [2.3.2.38] |
札幌12R | 支笏湖特別 | [0.0.1.11] |
☆注目レース☆
小倉日経OP(OP特別、小倉芝1800m)
小倉日経OPでの穴ぐさは[0.4.2.13](複勝率31.6%)で、複勝回収率は168%です。
馬券圏内に入った6頭の穴ぐさは中8週以内での臨戦で、6頭のうち5頭はひと桁馬番でした。2012年以降の激走馬4頭は父か母父がサンデー系で、激走した6頭のうち4頭は小倉芝1800~2000mで勝ち鞍があったので、サンデー系で小倉に実績がある馬をマークしておきましょう。
☆注目レース☆
RKB賞(2勝クラス、小倉ダート1700m)
RKB賞での穴ぐさは[2.0.2.1](複勝率80.0%)で、複勝回収率は358%です。ダート1700m戦だった昨年はサンキューが6番人気で①着、アドマイヤビーナスが7番人気で③着に入る【穴ぐさダブル】になりました。
その2頭の穴ぐさは父か母父がサンデー系で、休み明け1~2戦目でした。どちらも前年の8~9月にダート1700mで連対圏に入っていたので、前年夏季実績をチェックして臨むと良さそうです。
☆注目レース☆
苫小牧特別(2勝クラス、札幌ダート1700m)
苫小牧特別での穴ぐさは[1.1.1.3](複勝率50.0%)で、複勝回収率は360%です。昨年はサクラルーフェンが10番人気で①着、ヴィーダが7番人気で②着に入る【穴ぐさワンツー】となりました。
馬券圏内に激走した3頭の穴ぐさは4~5歳の牡セン馬で、父か母父がサンデー系でした。いずれもダート1800mで1勝クラス(500万)を勝ったことがあったので、1700mを超える距離で実績があるタイプを狙うといいかもしれません。
☆注目レース☆
小樽特別(1勝クラス、札幌芝1200m)
小樽特別での穴ぐさは[3.2.4.28](複勝率24.3%)で、複勝回収率は118%です。昨年はドクターデューンが8番人気で③着に差し込みました。芝1200mの時に限ると[2.2.2.15](複勝率28.6%)で、複勝回収率は134%です。
芝1200mで③着以内に入った6頭の穴ぐさは中6週以内での臨戦で、そのうち5頭は中1~3週だった3~4歳馬です。2015年以降の5頭は前走が芝1勝クラスで掲示板外でしたが、そのうち4頭は前走時馬体重が468~496kgでした。ある程度の馬格があって順調に使われている馬は、前走着順だけで見限らない方が良いでしょう。
☆注目レース☆
英彦山特別(1勝クラス、小倉芝2000m)
英彦山特別での穴ぐさは[0.3.1.4](複勝率50.0%)で、複勝回収率は177%です。昨年はホウオウエクレールが②着、リンドブラッドが③着に入る【穴ぐさダブル】になりました。
③着以内に入った4頭の穴ぐさは父か母父がサンデー系の3~4歳馬で、ひと桁馬番でした。4頭は中5週以内での臨戦で、そのうち3頭は前走時馬体重が494~504kgという大型だったので、使われての良化が見込めそうなタイプに注意しましょう。
■ちなみに…■
キーンランドCでの穴ぐさは[2.3.2.38]で、新潟2歳Sでは[0.1.3.39]です。昨年のキーンランドCでは【B】評価だったエイティーンガールが優勝しました。
過去10年のキーンランドCでは7番人気以下で③着以内に入った馬が5頭いて、牝馬が4頭、セン馬が1頭です。5頭は芝OPでの連対歴があり、そのうち4頭は芝重賞で③着以内に入ったことがあったので、実績を重視するといいでしょう。
5頭は父か母父がサンデー系で、そのうち4頭は父か母父がノーザンダンサー系です。同じく5頭のうち4頭は4角7番手以下からメンバー中2位以内の上がりで差し込んでいたので、決め手のあるサンデー系に注意しましょう。
過去10年の新潟2歳Sでは7番人気以下で③着以内に入った馬が7頭いて、いずれも②~③着です。7頭は中4~10週での臨戦で、そのうち6頭は関東馬です。同じく7頭のうち6頭は馬番7~14番だったので、真ん中から外枠の馬に注意すべきでしょう。
7頭は前走の上がりがメンバー中1~2位で、そのうち6頭は前走で勝ち鞍を挙げていました。2012年以降の6頭は父がサンデー系かミスプロ系だったので、そのようなタイプをマークして臨みましょう。