穴ぐさ傾向と対策
今年の中京ダート1800mでの注意点は?
先週(11月27日~28日)の穴ぐさは[1.5.3.75](複勝率10.7%)で、京阪杯で【A】評価だったファストフォースが③着に入りました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!
ジャパンCは前半がスローで流れ、道中でキセキがマクッてペースアップする変則的な展開になりましたが、1番人気だったコントレイルは惑わされることなく、2馬身差で快勝しましたね。
今秋のJRAでのG1は7レースが行われ、エリザベス女王杯こそ波乱になったものの、それ以外の6レースは連対圏がすべて1~4番人気馬で、秋華賞、菊花賞、天皇賞・秋、マイルCS、ジャパンCの5レースは③着以内が1~6番人気馬となっています。
今週末はダートG1のチャンピオンズCがあり、今年2月に行われたフェブラリーSは1番人気のカフェファラオが勝ち、②~③着に8~9番人気馬(穴ぐさ)が入る決着でしたが、ダートG1に替わって人気薄の台頭はあるでしょうか。
中京開催は10月3日以来となるので、改めて今年の中京ダートでの傾向を調査してみましょう。チャンピオンズCが行われる中京ダート1800mでは、今年、3勝クラス以上でのレースが8回あり、勝ち馬は次の通りです。
【2021年の中京ダート1800mでの3勝クラス以上】
月日 レース |
勝ち馬 | 父 | 母父 |
9月20日 JRAアニバーサリーS |
トランスナショナル | ジャスタウェイ | Efisio |
6月13日 三宮S |
サンライズホープ | マジェスティックウォリアー | スペシャルウィーク |
6月5日 松風月S |
マリオ | エスポワールシチー | オペラハウス |
5月23日 鳳雛S |
ウェルドーン | ヘニーヒューズ | ダンスインザダーク |
5月15日 遠州灘S |
サンダーブリッツ | キンシャサノキセキ | Kingmambo |
3月21日 名古屋城S |
テーオーケインズ | シニスターミニスター | マンハッタンカフェ |
1月24日 東海S |
オーヴェルニュ | スマートファルコン | タニノギムレット |
1月17日 雅S |
マリオマッハー | ゴールドシップ | オペラハウス |
父・母父欄がピンク色になっているのはサンデー系で、ご覧の通り、勝ち馬はいずれも父か母父がサンデー系です。父がサンデー系以外で勝利した3頭は、父ボールドルーラー系(2頭)とヘニーヒューズ産駒(父ストームバード系)で、父ミスプロ系は勝てていないんですよね。
上記の7レースの父系別の成績は次の通りです。
【2021年の中京ダート1800mでの3勝クラス以上】
父系 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
父サンデー系 | [5.1.5.42] | 9.4% | 11.3% | 20.8% |
父ボールドルーラー系 | [2.0.0.10] | 16.7% | 16.7% | 16.7% |
父ノーザンダンサー系 | [1.1.1.12] | 6.7% | 13.3% | 20.0% |
父ミスプロ系 | [0.5.1.23] | 0.0% | 17.2% | 20.7% |
上記4系統以外の父系 | [0.1.1.11] | 0.0% | 7.7% | 15.4% |
父ミスプロ系は好走率こそ高いものの、勝ち馬が出ていません。
父ミスプロ系が勝てていないこの現象は、今年の中距離のダート重賞でも見られる傾向だったりします。今年のJRAのダート重賞での成績を1600m以下と1700m以上で分けると、次の通りです。
【2021年のJRAダート重賞】
父系 | 1600m以下 | 1700m以上 |
父ミスプロ系 | [2.3.1.17] | [0.5.2.28] |
父ボールドルーラー系 | [1.0.0.6] | [4.1.0.22] |
父ノーザンダンサー系 | [1.1.2.10] | [1.0.0.15] |
父サンデー系 | [0.0.1.18] | [4.2.7.42] |
上記4系統以外の父系 | [0.0.0.1] | [0.1.0.6] |
父ミスプロ系は、フェブラリーSでのカフェファラオなど1600m以下では2勝をマークしているものの、1700m以上だと[0.5.2.28]で勝てていません。逆に、父サンデー系は1600m以下で[0.0.1.18]ですが、1700m以上だと4勝を挙げています。
昨年のチャンピオンズCはキングカメハメハ産駒のチュウワウィザードが勝ち、同馬は母父(デュランダル)がサンデー系で、今年も出走予定ですが、父ミスプロ系に関する上記データを覆せるでしょうか。
今年の中京ダート1800mでの3勝クラス以上のレースでは、もうひとつ気になる傾向が見られます。内枠の馬がそこまで好成績ではないんですよね。
【2021年の中京ダート1800mでの3勝クラス以上】
枠順 | 着別度数 |
1枠 | [0.1.0.12] |
2枠 | [0.1.0.14] |
3枠 | [2.1.1.11] |
4枠 | [1.3.1.10] |
5枠 | [0.0.0.16] |
6枠 | [4.0.4.8] |
7枠 | [1.2.1.12] |
8枠 | [0.0.1.15] |
勝利した8頭は3~7枠で、1~2枠の馬は[0.2.0.26]です。チャンピオンズCは1~2枠の馬の好走率が高く、過去7回では1枠が[0.2.2.8](複勝率33.3%)、2枠が[2.2.1.9](複勝率35.7%)で、7回すべてで1~2枠の馬が馬券に絡み、5回で連対しています。今年はこの内枠有利の傾向に変化があっても……という気がしますが、どうでしょうか。
今週末からは、中山・阪神・中京という3場開催になり、阪神芝はBコースとなるのでご注意ください。12月4日~5日に行われる中山、阪神、中京の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
12月4日~5日
場所 | 芝 |
中山 | Aコース・1週目 |
阪神 | Bコース・1週目 |
中京 | Aコース・1週目 |
12月4日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
中山9R | 葉牡丹賞 | [2.3.3.20] |
中山10R | 鹿島特別 | [1.2.2.30] |
中山11R | ステイヤーズS | [2.3.2.32] |
阪神9R | 再度山特別 | [0.0.0.2] |
阪神10R | 妙見山S | [0.0.1.14] |
阪神11R | チャレンジC | [2.2.0.27] |
中京10R | 中京スポニチ賞 | [1.1.2.31] |
中京11R | 飛騨S | [2.1.1.16] |
中京12R | 栄特別 | [0.0.0.24] |
12月5日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
中山9R | 南総S | [1.0.1.21] |
中山10R | 市川S | [4.2.5.26] |
中山11R | ラピスラズリS | [0.3.1.28] |
阪神9R | さざんか賞 | [1.0.1.6] |
阪神10R | 逆瀬川S | [0.0.2.11] |
阪神11R | ギャラクシーS | [1.2.2.29] |
中京9R | こうやまき賞 | [0.0.0.2] |
中京10R | 中京日経賞 | [1.3.2.32] |
中京11R | チャンピオンズC | [1.2.6.36] |
中京12R | 鳴海特別 | [1.1.1.28] |
☆注目レース☆
チャンピオンズC(G1、中京ダート1800m)
チャンピオンズC&JCダートでの穴ぐさは[1.2.6.36](複勝率20.0%)で、複勝回収率は137%です。昨年のチャンピオンズCでは【C】評価だったインティが10番人気で③着に入りました。過去7回のチャンピオンズCに限ると穴ぐさは[0.2.2.17](複勝率19.0%)で、複勝回収率は143%です。
過去7回のチャンピオンズCでは7番人気以下で③着以内に入った馬が7頭いて、いずれも前走がダート重賞で、中7週以内での臨戦でした。7頭は前走が1~5番人気だったので、前走のダート重賞で上位人気に推されていたタイプをマークしておきましょう。
激走した7頭は父がサンデー系かミスプロ系で、7頭のうち5頭は母父がミスプロ系です。7頭のうち6頭は5~7歳で、同じく7頭のうち6頭は左回りのダートOPで勝ち鞍があったので、左回りで実績のあるベテランが侮れないでしょう。
☆注目レース☆
ギャラクシーS(OP特別、阪神ダート1400m)
ギャラクシーSでの穴ぐさは[1.2.2.29](複勝率14.7%)で、複勝回収率は109%です。昨年はスマートダンディーが7番人気で②着に食い込みました。
馬券に絡んだ5頭の穴ぐさは中2~5週での臨戦で、前走がダート1400m以外の条件でした。5頭のうち4頭は前走時馬体重が492kg以上だったので、順調に使われている大型馬で、ダート1400mに替わって妙味のありそうなタイプを狙う作戦が有効そうです。
☆注目レース☆
逆瀬川S(3勝クラス、阪神芝外1800m)
逆瀬川Sでの穴ぐさは[0.0.2.11](複勝率15.4%)で、複勝回収率は145%です。
激走した2頭の穴ぐさは前走が掲示板外でしたが、上がり34秒1~34秒3を計時していました。2頭は父サンデー系×母父ノーザンダンサー系という配合で、右回りで直線に急坂のあるコースで勝ち鞍があったので、そのような実績馬をチェックしておきましょう。
☆注目レース☆
葉牡丹賞(1勝クラス、中山芝2000m)
葉牡丹賞での穴ぐさは[2.3.3.20](複勝率28.6%)で、複勝回収率は145%です。昨年はジャンカルドが②着、ヴィゴーレが③着に入る【穴ぐさダブル】になりました。
馬券圏内に入った8頭の穴ぐさのうち7頭はひと桁馬番で、同じく8頭のうち7頭は4角6番手以内から③着以内に入っています。2010年以降の7頭は前走が芝1800~2000mで、そのうち6頭は前走が④着以内でした。未勝利勝ち直後の馬も含めて、中距離で好走してきている馬を見逃さないようにしましょう。
■ちなみに…■
ステイヤーズSでの穴ぐさは[2.3.2.32]で、チャレンジCは[2.2.0.27]です。昨年のステイヤーズSでは【A】評価だったオセアグレイトが7番人気で優勝しました。
過去10年のステイヤーズSでは7番人気以下で③着以内に入った馬が7頭いて、いずれも父がサンデー系かミスプロ系です。昨年②着のタガノディアマンテ以外の6頭は中3~4週での臨戦で、昨年①着のオセアグレイト(496kg)以外の6頭は馬体重が478kg以下でした。7頭のうち5頭は4代血統表内にサドラーズウェルズかニジンスキーを持っていたので、スタミナ豊富な血脈の有無も確認して臨むようにしましょう。
過去10年のチャレンジCでは7番人気以下で③着以内に入った馬が8頭いて、そのうち6頭は芝1800mの時で、芝2000mで激走した馬は2頭です。その2頭は前走が③着以内で、1800mでの6頭を含めて激走馬の8頭は近3走以内に芝で③着以内があったので、好調そうなタイプをピックアップしておきましょう。芝2000mで激走した2頭は右回りでO型の芝1800~2000mで3勝以上を挙げていたので、右回りで馬場を1周するコースでの実績もチェックしておくと良さそうです。