穴ぐさ傾向と対策
日本ダービーは大柄過ぎない馬に向く!?
先週(5月21日~22日)の穴ぐさは[6.8.8.96](複勝率18.6%)で、単勝回収率が122%でした。オークスでは【C】評価だったスタニングローズが10番人気で②着に激走しました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!
オークスは3番人気だったスターズオンアースが快勝して、見事に二冠牝馬に輝きましたね。スターズオンアースはドゥラメンテ産駒で、②着となったスタニングローズはキングカメハメハ産駒ですから、今春の東京芝がキンカメ内包馬に向いている傾向は続いているようです。
改めて、今春の東京芝のOPで連対圏に入った馬を振り返りましょう。
【2022年4~5月の東京芝でのOP】
月日 レース |
①着 ②着 |
父 | 母父 |
5月22日 オークス |
①着スターズオンアース ②着スタニングローズ |
ドゥラメンテ キングカメハメハ |
Smart Strike クロフネ |
5月21日 メイS |
①着カレンシュトラウス ②着エイシンチラー |
ルーラーシップ リアルインパクト |
ゼンノロブロイ フレンチデピュティ |
5月15日 ヴィクトリアマイル |
①着ソダシ ②着ファインルージュ |
クロフネ キズナ |
キングカメハメハ ボストンハーバー |
5月14日 京王杯SC |
①着メイケイエール ②着スカイグルーヴ |
ミッキーアイル エピファネイア |
ハービンジャー キングカメハメハ |
5月8日 NHKマイルC |
①着ダノンスコーピオン ②着マテンロウオリオン |
ロードカナロア ダイワメジャー |
Sligo Bay キングカメハメハ |
5月8日 メトロポリタンS |
①着ヴァイスメテオール ②着フライライクバード |
キングカメハメハ スクリーンヒーロー |
キングヘイロー シンボリクリスエス |
5月7日 プリンシパルS |
①着セイウンハーデス ②着キングズパレス |
シルバーステート キングカメハメハ |
マンハッタンカフェ Dubawi |
5月1日 スイートピーS |
①着ウインエクレール ②着コントディヴェール |
ディープインパクト ブラックタイド |
アドマイヤコジーン キングカメハメハ |
4月30日 青葉賞 |
①着プラダリア ②着ロードレゼル |
ディープインパクト ディープインパクト |
クロフネ キングカメハメハ |
4月24日 フローラS |
①着エリカヴィータ ②着パーソナルハイ |
キングカメハメハ ディープインパクト |
フジキセキ City Zip |
21日(土)に行われたメイSには父か母父がキングカメハメハという馬が出走せず、ルーラーシップ産駒のカレンシュトラウスが優勝しました。上表ではキングカメハメハ系を黄色にして、キングカメハメハの部分を赤文字にしました。今春の東京芝のOPでは10レースすべてで父か母父がキングカメハメハ系の馬が連対し、父か母父がキングカメハメハという馬が出走した9レースではいずれも連対圏に入っています。今週末の日本ダービーや目黒記念でもキンカメ内包馬には注目すべきでしょう。
オークスで優勝したスターズオンアースは馬体重が464kgで、③着に入ったナミュールは426kg、④着まで追い込んだピンハイは402kgでした。昨年以降に芝2400mでの重賞は7レースあり、それほど大柄ではないタイプがよく勝っているので、その傾向をご覧ください。
【2021年以降の芝2400mでの重賞】
馬体重 | 着別度数 |
438kg以下 | [0.0.1.9] |
440~478kg | [6.3.3.40] |
480kg以上 | [1.4.3.45] |
7レースのうち6レースの勝ち馬は478kg以下で、480kg以上で勝利したのは昨年の京都大賞典でのマカヒキ(506kg)だけです。昨年の京都大賞典はレースの上がり3Fが36秒4とかかり、それ以外の6レースはレースの上がり3Fが33~35秒台だったので、日本ダービーもある程度の軽い馬場であれば馬体重が重くないタイプに向く可能性がありそうです。
今年の日本ダービーで上位人気が予想される馬は馬格のあるタイプが多いんですよね。皐月賞①着のジオグリフは前走時が494kg、同②着のイクイノックスは前走時が492kg、同③着のドウデュースは前走時が496kg、同④着のダノンベルーガは前走時が504kでした。
2016年以降の近6年の日本ダービーでは、前走時馬体重が490kg以上だった馬が[2.5.2.29]という成績で、6年すべてで連対しているものの、ワンツー(①&②着)になったのは2016年(①着マカヒキ、②着サトノダイヤモンド)だけです。今年はどうでしょうか!?
なお、今年のオークスを制したスターズオンアースは大外枠(8枠18番)でしたが、1990年以降のオークスで8枠の馬が勝利した年は昨年以前に4度あり(2010年は①着同着)、同年の日本ダービーでは1枠か8枠の馬が優勝しています
【1990年以降のオークスで8枠の馬が優勝した年】
年 | オークス優勝馬 | ダービー優勝馬 |
1991年 | イソノルーブル(8枠20番) | トウカイテイオー(8枠20番) |
1997年 | メジロドーベル(8枠16番) | サニーブライアン(8枠18番) |
1999年 | ウメノファイバー(8枠16番) | アドマイヤベガ(1枠2番) |
2010年 | アパパネ(8枠17番) サンテミリオン(8枠18番) |
エイシンフラッシュ(1枠1番) |
2022年 | スターズオンアース(8枠18番) | ? |
1991年と1997年は皐月賞を制していた馬が大外枠で日本ダービーも勝利し、1999年と2010年は皐月賞で敗れていたものの1枠に入った馬が差し切って戴冠を果たしています。
上記の4年のうち、日本ダービーがCコースで施行されたのは2010年だけですが、今年もCコース初週として開催される予定ですから、馬場の内側が良いことを想定しながら予想をするようにしたいですね。
5月28~29日に行われる東京、中京、新潟の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
5月28~29日
場所 | 芝 |
東京 | Cコース・1週目 |
中京 | Aコース・4週目 |
新潟 | Bコース・4週目 |
5月28日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 富嶽賞 | [1.1.4.32] |
東京10R | 葉山特別 | [1.1.2.18] |
東京11R | 欅S | [0.1.2.41] |
中京9R | 御在所特別 | [1.1.1.18] |
中京10R | 伊勢S | [1.4.4.31] |
中京11R | 葵S | [1.1.6.32] |
新潟9R | ゆきつばき賞 | [0.1.4.25] |
新潟10R | 荒川峡特別 | [2.1.2.19] |
新潟11R | 五泉特別 | [3.2.2.35] |
5月29日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京8R | 青嵐賞 | [1.1.0.21] |
東京9R | 薫風S | [4.2.1.30] |
東京10R | むらさき賞 | [3.0.2.37] |
東京11R | 日本ダービー | [1.2.3.41] |
東京12R | 目黒記念 | [2.2.3.39] |
中京9R | 香嵐渓特別 | [2.1.2.30] |
中京10R | 安土城S | [0.0.0.24] |
中京11R | 白百合S | [0.2.2.9] |
中京12R | 朱雀S | [3.1.4.31] |
新潟9R | 石打特別 | [0.0.3.30] |
新潟10R | 清津峡特別 | [0.0.0.3] |
新潟11R | 三国特別 | [0.1.1.17] |
☆注目レース☆
日本ダービー(G1、東京芝2400m)
日本ダービーでの穴ぐさは[1.2.3.41](複勝率12.8%)で、複勝回収率は125%です。
近10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が7頭いて、前走が芝2000m以上のOPで、①~③着か、3~4番人気だった馬です。7頭はキャリア5~7戦で、そのうち6頭は父か母父がサンデー系でした。同じく7頭のうち6頭は前走時馬体重が486kg以上でした。
激走した7頭のうち、馬番6番より外枠だった4頭はノーザンファームの生産馬で、それ以外の3頭はノーザンファーム以外の生産馬で馬番1~3番でした。ノーザンファームの生産馬と内枠の馬をマークしておくと良さそうです。
☆注目レース☆
葵S(G3、中京芝1200m)
葵Sでの穴ぐさは[1.1.6.32](複勝率20.0%)で、複勝回収率は114%です。昨年は【A】評価だったオールアットワンスが9番人気で③着に入り、2014年以降は8年のうち7年で穴ぐさが馬券に絡んでいます。
重賞の近4年(2018~20年は京都、21年は中京)では7番人気以下で③着以内に入った馬が5頭いて、いずれも2勝馬です。5頭のうち4頭は牝馬で、4頭の牝馬は前走が⑤着以内でひと桁馬番でした。2019年以降の激走馬4頭は4代血統表内にストームキャットかダンチヒを持っていたので、そのようなタイプを侮らないようにしましょう。
☆注目レース☆
薫風S(3勝クラス、東京ダート1600m)
薫風Sでの穴ぐさは[4.2.1.30](複勝率18.9%)で、複勝回収率は110%です。
馬券圏内に激走した7頭の穴ぐさは4~6歳で、中2~4週での臨戦でした。7頭のうち6頭は左回りで勝ち鞍があり、7頭のうち6頭は近4走以内にダートで連対歴がありました。1600m戦で③着以内に入った4頭のうち3頭は父か母父がサンデー系で、メンバー中2位以内の上がりを使って差し込んでいたので、サンデー系内包で決め手のありそうなタイプをマークしておきましょう。
☆注目レース☆
朱雀S(3勝クラス、中京芝1200m)
朱雀Sでの穴ぐさは[3.1.4.31](複勝率20.5%)で、複勝回収率は121%です。
③着以内に入った8頭の穴ぐさは、いずれも騎手が前走時と異なる馬でした。2015年以降の6頭は中9週以上での臨戦で、ひと桁馬番から4角7番手以内に付けていました。その6頭のうち5頭は父か母父がサンデー系だったので、サンデー系内包で間隔が開いているタイプを見逃さないようにしましょう。
☆注目レース☆
伊勢S(3勝クラス、中京ダート1900m)
伊勢Sでの穴ぐさは[1.4.4.31](複勝率22.5%)で、複勝回収率は154%です。ダート1900mの時に限ると[1.3.3.20](複勝率25.9%)で、複勝回収率は205%となっています。
ダート1900mで馬券に絡んだ7頭の穴ぐさは父がミスプロ系かサンデー系でした。7頭のうち6頭は馬番7番より外枠で、その6頭のうち5頭は馬体重が500kg以上だったので、真ん中から外枠で馬格のあるタイプを評価すると良さそうです。7頭は近3走以内に掲示板内があったので、近走成績もチェックしておきましょう。
☆注目レース☆
葉山特別(2勝クラス、東京芝1600m)
葉山特別での穴ぐさは[1.1.2.18](複勝率18.2%)で、複勝回収率は114%です。
馬券圏内に激走した4頭の穴ぐさは4~6歳で、中6週以内での臨戦でした。4頭は左回りで勝ち鞍があり、3代血統表内にミスプロ系を持っていたので、そのようなタイプをマークしておきましょう。
■ちなみに…■
目黒記念での穴ぐさは[2.2.3.39]です。近10年の目黒記念では、7番人気以下で③着以内に入った馬が13頭いて、父か母父がサンデー系かグレイソヴリン系の馬です。
激走した13頭は、ハンデ55kg以下の馬が8頭で、ハンデ56kg以上の馬が5頭です。ハンデ55kg以下だった8頭のうち7頭は馬番9番以内で、ハンデ56kg以上だった5頭のうち4頭は馬番9番より外枠でした。13頭は左回りの芝で③着以内の好走歴があり、そのうち12頭は芝重賞での連対実績があるか、近2走以内に芝で連対歴があったので、重賞実績か勢いのあるタイプが侮れないでしょう。