穴ぐさ傾向と対策
秋華賞も距離短縮馬に注目すべし!
先週(10月8日~10日)の穴ぐさは[4.5.11.101](複勝率16.5%)で、毎日王冠と京都大賞典は③着以内を1~4番人気が占める決着になりましたが、サウジアラビアRCで【B】評価だったグラニットが7番人気で②着に粘り込みました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました。
今週末は秋華賞があり、桜花賞&オークスを制したスターズオンアースが3歳牝馬三冠制覇を目指して出走する予定です。これまでに桜花賞&オークスを制覇した馬が秋華賞に出たことは6度あり、その成績は[5.0.1.0]。三冠牝馬に輝くケースが多いわけですが、スターズオンアースはどうでしょうか?
スターズオンアース自身は、桜花賞を制した時が7番人気、オークス優勝時が3番人気でした。今年のJRA平地G1では1番人気が勝てていないので、まずはそのジンクスをクリアできるかがポイントでしょうか。
【2022年のJRA平地G1】
人気 | 着別度数 |
1番人気 | [0.1.1.11] |
2番人気 | [3.2.0.8] |
3番人気 | [2.5.0.6] |
4番人気 | [3.0.4.6] |
5番人気 | [1.3.1.8] |
6番人気以下 | [4.2.7.148] |
今年はJRAの平地G1が13回あり、2~4番人気は2~3勝ずつをマークしているものの1番人気は[0.1.1.11]という成績で、優勝がないどころか、②着馬も1頭だけという状態です。今週末以降はG1レースが続くので、菊花賞や天皇賞・秋で上位人気が予想される馬は「早めにピリオドを打ってください」と思っているかもしれませんね。
ローズS前のこのコーナーでお伝えしましたが、今年の3歳牝馬限定の芝重賞は、父キングマンボ系の馬が勝利するケースが多いので、改めてその成績も確認しておきましょう。
【2022年の3歳牝馬限定の芝重賞】
父系 | 着別度数 |
父キングマンボ系 | [6.4.2.24] |
父デインヒル系 | [2.0.1.7] |
父サンデー系 | [1.5.6.58] |
父ロベルト系 | [1.1.1.18] |
父キングマンボ系以外の ミスプロ系 |
[0.0.0.3] |
父デインヒル系以外の ノーザンダンサー系 |
[0.0.0.7] |
上記6系統以外の父系 | [0.0.0.3] |
今年、3歳牝馬限定の芝重賞は10回あり、そのうち6レースで父キングマンボ系の馬が優勝しています。父キングマンボ系は、上記の10レースで1~2番人気に推された馬が[3.3.1.1]で、今年の秋華賞は、ドゥラメンテ産駒のスターズオンアースとキングカメハメハ産駒のスタニングローズが上位人気に推されそうなので、軸馬は決めやすそうですね。
秋華賞は今年も阪神芝2000mでの施行で、芝2000m重賞という観点では、前走から距離を短縮された馬が好成績を残している面が見られます。
【2022年の芝2000m重賞】
臨戦 | 牝馬限定戦 | 牡牝混合戦 |
前走から距離延長 | [1.2.1.31] 複勝率11.4% |
[4.4.2.51] 複勝率16.4% |
前走と同距離 | [0.1.2.18] 複勝率14.3% |
[7.6.8.82] 複勝率20.4% |
前走から距離短縮 | [4.2.2.9] 複勝率47.1% |
[3.4.4.33] 複勝率25.0% |
牝馬限定戦でも牡牝混合戦でも、今年の芝2000m重賞で好走率が高いのは距離短縮馬で、特に牝馬限定戦での距離短縮馬は[4.2.2.9](複勝率47.1%)という好成績です。
今年の秋華賞に登録している馬のうち、前走から距離短縮となるのは、前走でオークスを走った5頭(エリカヴィータ、スターズオンアース、ナミュール、ピンハイ、プレサージュリフト)だけです。スターズオンアースはいろんな面で良いデータが揃っているので、やはり、今年のJRA平地G1での1番人気不振のジンクスが最大の壁なのかもしれません。
今週末は土曜日に府中牝馬Sも予定されていて、今年のヴィクトリアマイルを勝利したソダシが登録しています。府中牝馬Sは、先週の毎日王冠と同じく、東京芝1800mでのG2ですから、先週にお伝えした通り、3代血統表内にグレイソヴリン系かロベルト系を持つ馬に注意すべきかと思います。
【2021年以降の東京芝1800mの重賞での連対馬】
年 レース |
①着 ②着 |
父 | 3代血統表内の ロベルト系・ グレイソヴリン系 |
2022年 毎日王冠 |
①着サリオス ②着ジャスティンカフェ |
ハーツクライ エピファネイア |
父母父トニービン 父エピファネイア |
2022年 エプソムC |
①着ノースブリッジ ②着ガロアクリーク |
モーリス キンシャサノキセキ |
父モーリス |
2022年 共同通信杯 |
①着ダノンベルーガ ②着ジオグリフ |
ハーツクライ ドレフォン |
父母父トニービン |
2021年 東スポ杯2歳S |
①着イクイノックス ②着アサヒ |
キタサンブラック カレンブラックヒル |
母母父トニービン |
2021年 府中牝馬S |
①着シャドウディーヴァ ②着アンドラステ |
ハーツクライ オルフェーヴル |
父母父トニービン 母父Dynaformer |
2021年 毎日王冠 |
①着シュネルマイスター ②着ダノンキングリー |
Kingman ディープインパクト |
母母父Highest Honor |
2021年 エプソムC |
①着ザダル ②着サトノフラッグ |
トーセンラー ディープインパクト |
母父Not For Sale |
2021年 共同通信杯 |
①着エフフォーリア ②着ヴィクティファルス |
エピファネイア ハーツクライ |
父エピファネイア 父母父トニービン |
先週の毎日王冠は、①着がハーツクライ産駒のサリオス(父母父トニービン)で、②着がエピファネイア産駒のジャスティンカフェでした。昨年以降の東京芝1800mの重賞では、3代血統表内にグレイソヴリン系かロベルト系を持つ馬が8レースすべてで連対し、そのうち7レースで優勝しています。ソダシはそれには該当しないので、その点がどう出るでしょうか!?
10月15~16日に行われる東京、阪神、新潟の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
10月15~16日
場所 | 芝 |
東京 | Aコース・2週目 |
阪神 | Aコース・2週目 |
新潟 | Aコース・1週目 |
10月15日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | プラタナス賞 | [0.1.3.27] |
東京10R | 白秋S | [1.0.3.39] |
東京11R | 府中牝馬S | [1.0.1.42] |
阪神9R | 紫菊賞 | 出走なし |
阪神10R | 能勢特別 | [0.0.0.10] |
阪神11R | 太秦S | [2.2.4.20] |
新潟9R | 松浜特別 | [0.2.1.19] |
新潟10R | 十日町特別 | [0.1.1.22] |
新潟11R | 飛翼特別 | [2.0.4.30] |
10月16日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京10R | テレビ静岡賞 | [2.1.3.37] |
東京11R | オクトーバーS | [1.2.3.30] |
東京12R | 鷹巣山特別 | [0.2.1.19] |
阪神9R | もみじS | [2.2.0.14] |
阪神10R | 西宮S | [0.0.2.14] |
阪神11R | 秋華賞 | [0.1.3.43] |
阪神12R | 平城京S | [1.1.2.26] |
新潟9R | 粟島特別 | [2.3.4.18] |
新潟10R | 菅名岳特別 | [0.1.0.10] |
新潟11R | 信越S | [2.1.0.27] |
☆注目レース☆
太秦S(OP特別、阪神ダート1800m)
太秦Sでの穴ぐさは[2.2.4.20](複勝率28.6%)で、複勝回収率は109%です。ダート1800mの時に限ると[1.1.3.4](複勝率55.6%)で、複勝回収率が177%となっています。
ダート1800mで③着以内に入った5頭の穴ぐさはすべて母父がサンデー系で、父ロベルト系と父ボールドルーラー系が2頭ずつ、父ミスプロ系が1頭です。その5頭は前走が5番人気以内か⑤着以内だったので、前走での人気&着順をチェックしておきましょう。
☆注目レース☆
テレビ静岡賞(3勝クラス、東京ダート1400m)
テレビ静岡賞での穴ぐさは[2.1.3.37](複勝率14.0%)で、ダート1400mの時に限ると[2.1.3.30](複勝率16.7%)で、複勝回収率が102%です。
馬券圏内に入った6頭の穴ぐさのうち、5頭は3~5歳で、同じく5頭は馬番6~13番でした。6頭は前走が馬券圏外でしたが、そのうち5頭は左回りのダート1400~1600mの1勝クラス以上で勝ち鞍があったので、左回りのU型コースで実績がある馬は侮れないでしょう。
☆注目レース☆
粟島特別(1勝クラス、新潟芝外1800m)
粟島特別での穴ぐさは[2.3.4.18](複勝率33.3%)で、複勝回収率は160%です。昨年はフレイミングサンが10番人気で③着に食い込みました。
芝の時に限ると[1.2.4.18](複勝率28.0%)という成績で、③着以内に入った7頭は3~5歳でした。その7頭は前走が⑤着以下でしたが、そのうち5頭は2走前に④着以内を記録していたので、前走着順で評価を落としている馬に妙味がありそうです。7頭のうち6頭は父か母父がサンデー系かグレイソヴリン系の馬です。
■ちなみに…■
秋華賞での穴ぐさは[0.1.3.43]で、府中牝馬Sでは[1.0.1.42]です。
近10年の秋華賞では7番人気以下で馬券に絡んだ馬が6頭いて、いずれも②~③着です。6頭は中4週以内での臨戦で、そのうち2015年以降の5頭は前走が④着以内でした。6頭のうち5頭は馬番8番より外枠です。
激走した6頭はキャリア6~9戦で、2015年以降の5頭は父か母父がサンデー系でした。6頭のうち5頭は、母の3代血統表内にサドラーズウェルズ、フェアリーキング、ニジンスキー、ヌレイエフのいずれかがあったので、母系に底力のある血脈を持つ馬が面白そうです。
近10年の府中牝馬Sでは7番人気以下で③着以内に入った馬が8頭いて、いずれも父か母父がサンデー系です。その8頭は父か母父か母母父がノーザンダンサー系でもあったので、サンデー系とノーザンダンサー系を持つ馬が有力でしょう。
8頭のうち7頭は近4走以内に芝で連対歴があり、同じく8頭のうち7頭は左回りの芝で勝利実績があったので、近走成績や左回りでの実績もチェックしておくと良さそうです。