穴ぐさ傾向と対策
ジャパンCはキングマンボ系かサンデー系か!?
先週(11月19日~20日)の穴ぐさは[3.7.6.104](複勝率13.3%)で、マイルCSで【C】評価だったダノンザキッドが8番人気で②着に激走しました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!
ダノンザキッドは父ジャスタウェイ×母父Dansiliという配合で、母父父父がダンチヒでした。先週のこのコーナーでお伝えした通り、今秋のJRA・G1ではダンチヒを持つ馬が馬券に絡んでいて、マイルCSでも継続されましたから、今週末のジャパンCでも注目すべきでしょう。
【2022年秋のJRA・G1で5代血統表内にダンチヒを持って③着以内に入った馬】
レース | 着順・馬名 | ダンチヒ |
マイルCS | ②着ダノンザキッド | 母父父父 |
エリザベス女王杯 | ①着ジェラルディーナ ②着ウインマリリン |
5×4 4×4 |
天皇賞・秋 | ③着ダノンベルーガ | 母父母父父 |
菊花賞 | ②着ボルドグフーシュ | 父父母父 |
秋華賞 | ②着ナミュール | 父父父父 |
スプリンターズS | ①着ジャンダルム ②着ウインマーベル |
母母父 5×5 |
今秋にJRA・G1は6レースが行われ、5代血統表内にダンチヒを持つ馬が③着以内に入り、天皇賞・秋以外の5レースで連対しています。今年のジャパンCに登録している日本馬の中では、ダノンベルーガやデアリングタクトなどがダンチヒを持っていますが、どんな走りを見せるでしょうか。
強烈な末脚を見せてマイルCSを制したセリフォスは3歳で、引き続き、3歳以上の芝重賞では3歳馬に注目すべきとも言えそうですね。今年の3歳以上の芝重賞では、年齢別の成績が次の通りです。
【2022年の3歳以上の芝重賞】
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3歳 | [5.3.5.23] | 13.9% | 22.2% | 36.1% |
4歳 | [9.8.6.74] | 9.3% | 17.5% | 23.7% |
5歳 | [12.10.14.149] | 6.5% | 11.9% | 19.5% |
6歳 | [3.11.4.85] | 2.9% | 13.6% | 17.5% |
7歳以上 | [3.1.2.66] | 4.2% | 5.6% | 8.3% |
好走率がいちばん高いのは3歳で、3歳馬は今秋のJRA・G1でも、スプリンターズSでウインマーベル(7番人気)が②着、天皇賞・秋でイクイノックス(1番人気)が①着・ダノンベルーガ(4番人気)が③着、エリザベス女王杯でライラック(12番人気)が②着(同着)、マイルCSでセリフォス(6番人気)が①着と連対圏に入っています。
ジャパンCに登録している3歳の日本馬はダノンベルーガだけですが、同馬はダンチヒを持っていますし、チャンスが出てくるかもしれませんね。
ジャパンCは東京芝2400mでのG1で、今秋の京都大賞典前のこのコーナーでは、「芝2400mの重賞ではチーム分けが有効になる!?」という話をしました。覚えているでしょうか? 昨年以降の芝2400mの重賞では、①着と②着が同父系の馬になるケースが多い、という話でした。改めて、その成績をご覧ください。
【2021年以降の芝2400mの重賞での連対馬】
年 レース |
①着 ②着 |
父 |
2022年 京都大賞典 |
①着ヴェラアズール ②着ボッケリーニ |
エイシンフラッシュ キングカメハメハ |
2022年 ダービー |
①着ドウデュース ②着イクイノックス |
ハーツクライ キタサンブラック |
2022年 オークス |
①着スターズオンアース ②着スタニングローズ |
ドゥラメンテ キングカメハメハ |
2022年 青葉賞 |
①着プラダリア ②着ロードレゼル |
ディープインパクト ディープインパクト |
2021年 ジャパンC |
①着コントレイル ②着オーソリティ |
ディープインパクト オルフェーヴル |
2021年 京都大賞典 |
①着マカヒキ ②着アリストテレス |
ディープインパクト エピファネイア |
2021年 ダービー |
①着シャフリヤール ②着エフフォーリア |
ディープインパクト エピファネイア |
2021年 オークス |
①着ユーバーレーベン ②着アカイトリノムスメ |
ゴールドシップ ディープインパクト |
2021年 青葉賞 |
①着ワンダフルタウン ②着キングストンボーイ |
ルーラーシップ ドゥラメンテ |
父欄は、ピンク色がサンデー系、黄色がキングマンボ系、オレンジ色がロベルト系で、昨年以降の芝2400mの重賞で連対圏に入った馬(18頭)はこの3系統です。
優勝馬は父サンデー系か父キングマンボ系で、父キングマンボ系の馬が勝ったレースは②着も父キングマンボ系の馬となっていて、父サンデー系の馬が勝利したレースは②着が父サンデー系の馬か父ロベルト系の馬です。サンデーサイレンスとロベルトは父ヘイルトゥリーズン系とまとめられるので、「父ヘイルトゥリーズン系と父キングマンボ系で、チーム分けする作戦が有効なのでは!?」ということです。
今年のジャパンCの登録馬では、父サンデー系はシャフリヤール、ダノンベルーガ、ユーバーレーベンなどで、デアリングタクトは父ロベルト系ですから、同じ父ヘイルトゥリーズン系と考えられます。一方、父キングマンボ系はヴェラアズール、テーオーロイヤル、ボッケリーニなどです。どちらのチームが優勢となるでしょうか?
ちなみに、今秋の東京芝2400mでは5レースが行われ、次のような成績となっています。
【2022年秋の東京芝2400m】
人気 | 着別度数 |
1番人気 | [1.1.1.2] |
2番人気 | [2.2.0.1] |
3番人気 | [0.0.1.4] |
4番人気 | [2.2.0.1] |
5番人気 | [0.0.0.5] |
6番人気以下 | [0.0.3.23] |
【2022年秋の東京芝2400m】
父系 | 着別度数 |
父キングマンボ系 | [2.2.0.6] |
父サンデー系 | [1.1.4.21] |
上記2系統以外の父系 | [2.2.1.9] |
今秋の東京芝2400mで連対圏に入った10頭は1~4番人気で、父キングマンボ系の好走率が高くなっています。父サンデー系の馬は出走頭数が多いものの③着以下が多くなっていますが……、ジャパンCではどうでしょうか!?
今週末は東京&阪神の2場開催で、阪神芝はBコースに替わるので、ご注意ください。11月26~27日に行われる東京、阪神の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
11月26~27日
場所 | 芝 |
東京 | Cコース・2週目 |
阪神 | Bコース・1週目 |
11月26日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | カトレアS | [1.2.2.12] |
東京10R | シャングリラS | [0.3.2.34] |
東京11R | キャピタルS | [4.3.2.37] |
阪神9R | 江坂特別 | [1.2.0.15] |
阪神10R | 茨木S | [0.0.0.3] |
阪神11R | 京都2歳S | [0.0.1.9] |
11月27日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京8R | ベゴニア賞 | [1.0.0.18] |
東京9R | オリエンタル賞 | [0.1.0.20] |
東京10R | アプローズ賞 | [0.0.2.20] |
東京11R | ウェルカムS | [0.0.3.31] |
東京12R | ジャパンC | [1.1.0.43] |
阪神9R | 白菊賞 | [1.2.2.9] |
阪神10R | 立雲峡S | [0.1.0.5] |
阪神11R | カノープスS | [0.0.0.6] |
阪神12R | 京阪杯 | [3.1.2.41] |
☆注目レース☆
キャピタルS(リステッド、東京芝1600m)
キャピタルSでの穴ぐさは[4.3.2.37](複勝率19.6%)で、2014年以降に限ると[2.2.2.18](複勝率25.0%)で、複勝回収率は122%です。一昨年はミラアイトーンが9番人気で③着、昨年はトラインが6番人気で②着に入りました。
馬券圏内に入った9頭の穴ぐさのうち8頭は中7週以内での臨戦で、同じく9頭のうち8頭はひと桁馬番でした。9頭は前走で掲示板外に敗れていましたが、そのうち7頭は芝OPでの勝利実績があったので、OP実績馬は前走着順が悪くても侮らないようにしましょう。
☆注目レース☆
カトレアS(OP特別、東京ダート1600m)
カトレアSでの穴ぐさは[1.2.2.12](複勝率29.4%)で、複勝回収率は150%です。一昨年はプルスウルトラが7番人気で③着、昨年はカフェカルマが6番人気で②着に入りました。
③着以内に激走した5頭の穴ぐさは中6週以内での臨戦で、6~8枠でした。5頭はキャリア2~5戦で、左回りでの勝ち鞍があったので、東京に限らず、左回りでの戦績をチェックして臨みましょう。
☆注目レース☆
白菊賞(1勝クラス、阪神芝外1600m)
白菊賞での穴ぐさは[1.2.2.9](複勝率35.7%)で、複勝回収率は237%です。
馬券に絡んだ5頭の穴ぐさは父か母父がサンデー系で、前走で4角5番手以内に付けていました。5頭のうち3頭は前走が芝で①着で、残りの2頭は前走が芝重賞で0秒3~0秒5差で走っていました。前走でのレースぶりを確認しておくと良さそうです。
■ちなみに…■
ジャパンCでの穴ぐさは[1.1.0.43]で、京阪杯では[3.1.2.41]、京都2歳Sでは[0.0.1.9]です。昨年の京阪杯では【A】評価だったファストフォースが6番人気で③着に入っていて、京阪杯は近4年のうち3年で穴ぐさが馬券に絡んでいます。
近10年のジャパンCの勝ち馬は1~5番人気で、6番人気以下で③着以内に入った馬は5頭います。その5頭は中3週以内での臨戦で、芝G1で④着以内に入ったことがありました。5頭のうち3頭がディープインパクト産駒で、残りの2頭はハーツクライ産駒とジャングルポケット産駒です。5頭のうち4頭は母父がミスプロ系で、残りの1頭は母母父がミスプロ系だったので、日本ダービーで連対圏に入った馬を父に持ち、母父か母母父がミスプロ系の馬が侮れないでしょう。
近10年の京阪杯では7番人気以下で③着以内に入った馬が15頭いて、そのうち11頭がふた桁人気でした。2014年以降に激走した10頭は5~7歳で、そのうち9頭は関西馬だったので、関西所属のベテランが侮れません。2014年以降に激走した10頭のうち7頭は前走が①~④着で、その他の3頭は同年に芝1200m以下の重賞で③着以内に好走した実績がありました。前走④着以内の馬と重賞実績馬をマークしておきましょう。
OP特別の頃も含めて近10年の京都2歳Sでは6番人気以下で③着以内に入った馬が6頭いて、その6頭は中6週以内での臨戦で、近2走以内に勝ち鞍を挙げていました。6頭は馬体重が466~490kgで、父か母父がサンデー系かノーザンダンサー系だったので、そのようなタイプを見逃さないようにしましょう。