穴ぐさ傾向と対策
NHKマイルCもサンプロ配合馬が連対圏に!?
先週(4月29日~30日)の穴ぐさは[2.9.6.95](複勝率15.2%)で、天皇賞・春で【A】評価だったディープボンドが5番人気で②着に入りました。ディープボンドは、6番人気で③着だったシルヴァーソニックと同じ単勝オッズ(22.5倍)でしたね。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!
天皇賞・春を制したのはジャスティンパレスで、同馬は馬体重が472kgでした。メンバー中最速の上がり34秒9を計時しての2馬身半差の快勝で、①~③着はいずれも父サンデー系でしたから、やはり京都での天皇賞・春は父サンデー系に合うのでしょう。
今週末からは、東京競馬場で5週連続でG1が行われます。春の東京開催は2週が行われ、芝1勝クラス以上でのレースが13回あったのですが、直線での決め手が鋭いタイプが勝っています。勝ち馬が計時した上がりタイムを距離別で整理すると、次の通りです。
【2023年春の東京芝1勝クラス以上】
距離(レース数) | 勝ち馬が 計時した上がり |
勝ち馬の 4角位置取り |
1400m(2) | 33秒3~33秒5 | 9~15番手 |
1600m(3) | 33秒7~33秒9 | 2~9番手 |
1800m(2) | 33秒2~33秒5 | 3~8番手 |
2000m(2) | 33秒4~34秒1 | 1~4番手 |
2300~2400m(3) | 33秒8~34秒1 | 1~11番手 |
13レースの勝ち馬のうち、計時した上がりがもっとも遅かったのは、フローラSのゴールデンハインドと青葉賞のスキルヴィングの34秒1です。13レースのうち10レースの勝ち馬は33秒台の上がりで勝っていて、芝1800m以下での7レースはいずれも33秒台の上がりを使った馬が勝利しています。
今週末の東京競馬場は雨が降る可能性があるようですが、先週もそんな予報が出ていて、あまり降らなかったですからね。今週末もある程度の軽い芝で行われるようなら、どれだけ速い上がりを使えるか?という視点が重要になりそうです。
現3歳世代の芝1600m重賞という観点では、G1とG2~G3で人気別成績に違いが見られるので、ご覧ください。
【現3歳世代の芝1600m重賞】
人気 | G1 | G2~G3 |
1番人気 | [3.0.0.0] | [0.2.0.8] |
2番人気 | [0.1.0.2] | [3.1.3.3] |
3番人気 | [0.0.1.2] | [2.2.2.4] |
4番人気 | [0.0.0.3] | [1.1.2.6] |
5番人気 | [0.0.1.2] | [1.1.0.8] |
6番人気以下 | [0.2.1.35] | [3.3.3.71] |
現3歳世代の芝1600m重賞は、G1が3レース、G2~G3が10レースあり、G2~G3では1番人気が勝てていないのに、G1ではいずれも1番人気が制しています。今年のNHKマイルCは混戦模様ですが、1番人気には何が推されるでしょうか。
現3歳世代の芝1600m重賞は、父がサンデー系かキングマンボ系の馬がよく勝っているので、優勝馬の父をご覧ください。
【現3歳世代の芝1600m重賞】
レース・馬場 | 優勝馬 | 父 |
アーリントンC・重 | オオバンブルマイ | ディスクリートキャット |
桜花賞・良 | リバティアイランド | ドゥラメンテ |
ニュージーランドT・稍重 | エエヤン | シルバーステート |
チューリップ賞・良 | モズメイメイ | リアルインパクト |
クイーンC・稍重 | ハーパー | ハーツクライ |
フェアリーS・良 | キタウイング | ダノンバラード |
シンザン記念・良 | ライトクオンタム | ディープインパクト |
朝日杯FS・良 | ドルチェモア | ルーラーシップ |
阪神JF・良 | リバティアイランド | ドゥラメンテ |
デイリー杯2歳S・良 | オールパルフェ | リアルスティール |
アルテミスS・良 | ラヴェル | キタサンブラック |
サウジアラビアRC・良 | ドルチェモア | ルーラーシップ |
新潟2歳S・良 | キタウイング | ダノンバラード |
アーリントンCはディスクリートキャット産駒のオオバンブルマイが勝ちましたが、同レースは重馬場でした。良~稍重馬場での12レースは、父サンデー系か父キングマンボ系の馬が優勝しています。
ニュージーランドTを制したエエヤンは父シルバーステート×母父ティンバーカントリーという配合で、上記の13レースでは、父&母父がサンデー系&ミスプロ系という組み合わせの馬(サンプロ配合馬)がよく連対しているので、その成績もご覧ください。
【現3歳世代の芝1600m重賞で、父&母父がサンデー系&ミスプロ系という組み合わせで連対した馬】
レース | 着順・馬名 | 父 | 母父 |
アーリントンC | ②着セッション | シルバーステート | Dubawi |
桜花賞 | ②着コナコースト | キタサンブラック | キングカメハメハ |
ニュージーランドT | ①着エエヤン | シルバーステート | ティンバーカントリー |
チューリップ賞 | ②着コナコースト | キタサンブラック | キングカメハメハ |
クイーンC | ②着ドゥアイズ | ルーラーシップ | ディープインパクト |
フェアリーS | ①着キタウイング ②着メイクアスナッチ |
ダノンバラード ルーラーシップ |
アイルハヴアナザー ディープインパクト |
シンザン記念 | ①着ライトクオンタム | ディープインパクト | Quality Road |
朝日杯FS | ①着ドルチェモア | ルーラーシップ | ディープインパクト |
阪神JF | ②着シンリョクカ | サトノダイヤモンド | キングカメハメハ |
デイリー杯2歳S | ①着オールパルフェ | リアルスティール | ルーラーシップ |
アルテミスS | 該当なし | ||
サウジアラビアRC | ①着ドルチェモア | ルーラーシップ | ディープインパクト |
新潟2歳S | ①着キタウイング | ダノンバラード | アイルハヴアナザー |
この配合馬は、アルテミスS以外の12レースで連対しています。ただ、ワンツー(①&②着)となったのはフェアリーSだけなので、その点は注意した方がいいかもしれませんね。
今年のNHKマイルCの登録馬では、エエヤン、オールパルフェ、セッション、トーホウガレオン、ドルチェモアの5頭が該当します。そこまで多くありませんが、果たしてどんな結果となるでしょうか。
5月6~7日に行われる東京、京都、新潟の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
5月6~7日
場所 | 芝 |
東京 | Aコース・3週目 |
京都 | Aコース・3週目 |
新潟 | Bコース・2週目 |
5月6日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 秩父特別 | [0.0.0.8] |
東京10R | 立夏S | [0.6.1.30] |
東京11R | プリンシパルS | [1.4.2.35] |
京都9R | 鴨川特別 | [1.0.1.6] |
京都10R | 平城京S | [1.1.3.28] |
京都11R | 京都新聞杯 | [2.4.3.39] |
新潟9R | わらび賞 | [0.2.3.28] |
新潟10R | 荒川峡特別 | [3.2.2.20] |
新潟11R | 越後S | [1.2.6.31] |
5月7日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 湘南S | [1.2.3.42] |
東京10R | メトロポリタンS | [0.2.0.17] |
東京11R | NHKマイルC | [3.1.6.38] |
東京12R | 立川特別 | [2.2.3.28] |
京都9R | 烏丸S | [0.2.1.26] |
京都10R | 橘S | [3.3.3.20] |
京都11R | 鞍馬S | [0.0.1.32] |
新潟9R | 咲花特別 | [0.1.0.8] |
新潟10R | 駿風S | [1.1.2.36] |
新潟11R | 新潟大賞典 | [2.3.3.40] |
☆注目レース☆
NHKマイルC(G1、東京芝1600m)
NHKマイルCでの穴ぐさは[3.1.6.38](複勝率20.8%)で、複勝回収率は125%です。
近10年のNHKマイルCでは7番人気以下で③着以内に入った馬が12頭いて、2016年以降の8頭はふた桁馬番でした。激走した12頭のうち7頭は芝1600m以上の重賞で③着以内に入ったことがあり、それ以外の5頭は芝OPでの勝利実績がありました。
2016年以降に激走した8頭のうち7頭は、4代血統表内にストームキャットかダンチヒかノーザンテーストを持っていたので、スピード型のノーザンダンサー系の有無を確認しておくと良さそうです。
☆注目レース☆
橘S(リステッド、京都芝外1400m)
橘Sでの穴ぐさは[3.3.3.20](複勝率31.0%)で、複勝回収率は177%です。昨年は【C】評価だったウインマーベルが5番人気で①着、【A】評価だったジャスパークローネが10番人気で②着に入る【穴ぐさワンツー】となりました。
馬券圏内に入った9頭の穴ぐさは中2~6週の臨戦で、9頭のうち5頭は前走で⑤着以内に入り、それ以外の4頭は前走が重賞で⑦着以下でした。2009年以降の7頭は近3走以内に勝ち鞍があったので、前走だけでなく、2~3走前の戦績もチェックして臨みましょう。
☆注目レース☆
越後S(OP特別、新潟ダート1200m)
越後Sでの穴ぐさは[1.2.6.31](複勝率22.5%)で、複勝回収率は151%です。
馬券に絡んだ9頭の穴ぐさは馬番10番以内で、そのうち8頭は馬番7番以内でした。9頭のうち8頭は5歳以上で、2015年以降の5頭は左回りでの連対歴があったので、新潟に限らず、東京や中京などの左回り実績を確認しておきましょう。
☆注目レース☆
立夏S(3勝クラス、東京ダート1600m)
立夏Sでの穴ぐさは[0.6.1.30](複勝率18.9%)で、複勝回収率は140%です。
③着以内に入った7頭の穴ぐさは4~6歳で、そのうち6頭は4~5歳の牡セン馬でした。7頭は父か母父がサンデー系かミスプロ系で、そのうち6頭は東京で勝ち鞍があり、5頭は東京で2勝以上を挙げていました。ある程度若くて、東京実績がある馬が侮れないでしょう。
☆注目レース☆
立川特別(2勝クラス、東京ダート1600m)
立川特別での穴ぐさは[2.2.3.28](複勝率20.0%)で、ダート戦の時に限ると[2.1.3.22](複勝率21.4%)で、複勝回収率が102%です。
ダートで③着以内に入った穴ぐさは6頭のうち5頭が4~5歳で、同じく6頭のうち5頭は馬番9番より外枠でした。6頭は4角6番手以内から③着以内入っていて、そのうち4頭は母父がノーザンダンサー系で、残りの2頭は母父がサンデー系でした。
■ちなみに…■
京都新聞杯での穴ぐさは[2.4.3.39]で、新潟大賞典では[2.3.3.40]です。昨年の京都新聞杯では【B】評価だったアスクワイルドモアが8番人気で優勝しました。
近10年の京都新聞杯では7番人気以下で③着以内に入った馬が10頭いて、そのうち9頭は父か母父がサンデー系です。10頭のうち8頭は前走でメンバー中3位以内の上がりを使い、例外の2頭も前走の上がりは34秒台だったので、前走での上がりをチェックしておくと良いでしょう。2016年以降の7頭のうち6頭は1勝馬で、その6頭のうち5頭は馬券圏外が0~1回だったので、1勝馬でも底の割れていないタイプに妙味がありそうです。
近10年の新潟大賞典では7番人気以下で③着以内に入った馬が12頭いて、そのうち10頭は父か母父がサンデー系です。12頭のうち9頭は6歳以上で、2018年以降の8頭のうち7頭は馬番9番より外枠でした。12頭のうち11頭は左回りの芝で馬券圏内があり、そのうち8頭は左回りの芝で勝ち鞍があったので、左回り実績も確認しておくと良さそうです。