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穴ぐさ傾向と対策

安田記念はふた桁馬番の牡馬が制す!?


先週(5月27日~28日)の穴ぐさは[2.2.7.75](複勝率12.8%)で、日本ダービー【B】評価だったハーツコンチェルトが6番人気で③着に差し込み、目黒記念【C】評価だったディアスティマが6番人気で②着に粘り込みました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!

日本ダービーはレースの1000m通過が60秒4となり、2番手以下が離れる形になったので、実質的にスローペースだったと思いますが、タスティエーラが4番手追走から上がり33秒5でまとめて優勝しましたね。鞍上のレーン騎手は、むらさき賞(ローシャムパーク)、日本ダービー、そして、目黒記念(ヒートオンビート)と勝利して、この日は5戦4勝(芝で4戦4勝)と無双状態でした。

今週末は安田記念があり、レーン騎手セリフォスに騎乗予定です。同レースには他にも、ジャックドールシャンパンカラーシュネルマイスターソダシソングラインなどが出走予定で、かなりの好メンバーでの争いになりそうです。

安田記念が行われる東京芝1600mでは、今年、NHKマイルCシャンパンカラーが制し、ヴィクトリアマイルソングラインが勝利したことは記憶に新しいところですが、昨年以降の芝1600mのG1は、2~3歳限定戦と古馬混合戦では優勝馬の血統(父系)が違うんですよね。

【2022年以降のJRAの芝1600mのG1】
父系 2~3歳限定戦 古馬混合戦
父ミスプロ系 [6.2.1.20] [0.0.1.16]
父サンデー系 [0.4.1.36] [3.2.2.27]
父ノーザンダンサー系 [0.0.3.14] [1.2.1.3]
父ロベルト系 [0.0.1.12] [0.0.0.10]
上記4系統
以外の父系
[0.0.0.6] [0.0.0.1]

昨年以降、JRAの芝1600mのG1は10レースが行われ、2~3歳限定の6レースは父ミスプロ系(父キングマンボ系)の馬が勝っていますが、古馬混合戦の4レースは父サンデー系か父ノーザンダンサー系の馬が優勝していて、②着馬の4頭もどちらかの父系でした。安田記念は古馬混合戦ですから、父サンデー系や父ノーザンダンサー系の馬を上位に考える手がありそうです。

古馬混合戦の4レースで③着以内に入った馬は8番人気以内でしたが、1~3番人気に推された馬が未勝利なので、この傾向はちょっと気になります。

【2022年以降のJRAの古馬混合の芝1600mのG1】
人気 着別度数
1番人気 [0.0.1.3]
2番人気 [0.1.1.2]
3番人気 [0.2.0.2]
4番人気 [3.0.0.1]
5番人気 [0.0.0.4]
6番人気 [1.0.1.2]
7番人気 [0.0.0.4]
8番人気 [0.1.1.2]
9番人気以下 [0.0.0.37]

優勝した4頭は4~6番人気で、1~3番人気は[0.3.2.7]です。安田記念は、2016年以降の近7年で1~2番人気が[0.4.3.7]と勝てていないので、好メンバーの今年も、間口を広く取って考える必要がありそうですね。

先週の日本ダービーを制したタスティエーラは6枠12番目黒記念を差し切ったヒートオンビートは5枠10番で、今春の東京芝の重賞では、性別で勝ち馬の出る馬番が異なっています。

【2023年春の東京芝の重賞】
馬番 牡セン馬 牝馬
ひと桁馬番 [0.3.1.37] [3.2.2.24]
ふた桁馬番 [5.1.3.26] [0.2.2.24]

今春の東京芝では重賞が8レースあり、牡馬で優勝した5頭はふた桁馬番で、牝馬で勝利した3頭はひと桁馬番でした。偶然なのか、必然なのか。ここまできっちり分かれていると、安田記念でも気になりませんか?

ちなみに、今春の東京芝1600mの古馬戦では、勝ち馬のほとんどが外枠から出ているという傾向もあります。

【2023年春の東京芝1600mの古馬戦】
枠順 着別度数
1枠 [0.1.1.6]
2枠 [0.0.0.9]
3枠 [1.0.0.10]
4枠 [0.0.2.10]
5枠 [0.2.0.10]
6枠 [0.3.0.10]
7枠 [4.0.2.8]
8枠 [2.1.2.9]

今春に東京芝1600mでの古馬戦は7レースあり、そのうち6レースで7~8枠の馬が勝っています。3枠で勝ったのはヴィクトリアマイルソングラインで、ご存知の通り、あのレースでは8枠16番だったソダシが僅差の②着に入りました。

外枠が良い、ということであれば、安田記念は、ふた桁馬番の牡セン馬にチャンスが広がる可能性がありそうですが……、果たしてどうなるでしょうか!?

今週末は東京阪神の2場開催となります。6月3~4日に行われる東京、阪神の芝の使用コース特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。

6月3~4日
場所
東京 Cコース・2週目
阪神 Bコース・1週目

6月3日
場所 レース名 穴ぐさ
成績
東京9R 稲城特別 [1.0.1.4]
東京10R 由比ヶ浜特別 [0.2.3.39]
東京11R アハルテケS [2.1.1.35]
阪神9R 三木特別 [0.0.1.8]
阪神10R 小豆島特別 [0.0.1.12]
阪神11R 鳴尾記念 [2.3.0.32]

6月4日
場所 レース名 穴ぐさ
成績
東京9R ホンコンJCT [1.1.1.17]
東京10R 麦秋S [2.4.5.29]
東京11R 安田記念 [4.2.2.43]
東京12R 小金井特別 [2.2.3.23]
阪神9R 加古川特別 [0.2.1.27]
阪神10R 岸和田S [1.1.0.3]
阪神11R 松風月S [1.1.0.4]
※条件が過去とは異なるレースもあります。レース番号が変更になる場合もあります。

注目レース
安田記念(G1、東京芝1600m)

安田記念での穴ぐさは[4.2.2.43](複勝率15.7%)で、昨年は【B】評価だったサリオスが8番人気で③着に入り、一昨年は【A】評価だったダノンキングリーが8番人気で優勝しました。2016年以降の近7年に限ると[3.0.1.17](複勝率19.0%)で、複勝回収率が102%です。

近10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が10頭いて、そのうち8頭は芝1600mのG1で⑤着以内に入ったことがありました。例外の2頭は4~5歳で、近2走がともに③着以内だったので、芝マイルのG1実績があるか、勢いのある若い馬が狙い目でしょう。

激走した10頭のうち9頭は5歳以上で、同じく10頭のうち9頭はふた桁馬番でした。10頭の母父はサンデー系かノーザンダンサー系で、10頭のうち9頭は父もサンデー系かノーザンダンサー系なので、両系統を持つふた桁馬番の馬をマークして臨みましょう。

注目レース
麦秋S(3勝クラス、東京ダート1400m)

麦秋Sでの穴ぐさは[2.4.5.29](複勝率27.5%)で、複勝回収率は149%です。昨年は【A】評価だったゴールドパラディンが8番人気で②着に食い込み、2016年以降の近7年のうち6年で馬券に絡んでいます。

③着以内に入った11頭の穴ぐさは中9週以内での臨戦で、そのうち10頭は5~7歳でした。ダート1400mの時に馬券に絡んだ6頭は、父か母父がノーザンダンサー系かミスプロ系で、中6週以内での臨戦で、前走で上がり35秒2~36秒5を計時していました。前走で速い上がりをマークしていた馬が侮れないでしょう。

注目レース
小金井特別(2勝クラス、東京ダート1400m)

小金井特別での穴ぐさは[2.2.3.23](複勝率23.3%)で、複勝回収率は157%です。昨年は【A】評価だったティケイプルメリアが6番人気で②着、【B】評価だったフィナールショコラが9番人気で③着に入る【穴ぐさダブル】になりました。

激走した7頭の穴ぐさは3~5歳で、母父がサンデー系かロベルト系です。7頭のうち6頭は前走で掲示板外に敗れていましたが、その6頭は左回りで勝ち鞍があり、そのうち5頭は東京で勝ったことがありました。左回りで実績がある馬の巻き返しに注意しましょう。

ちなみに…
鳴尾記念での穴ぐさは[2.3.0.32]です。中京での近2年を含めて、7番人気以下で③着以内に入った馬は9頭いて、いずれも5歳以上で馬番10番以内の馬です。2017年以降の4頭は前走が③着以内だったので、好調そうなタイプはマークしておきましょう。

阪神で激走した7頭は父がサンデー系かノーザンダンサー系で、馬体重が498kg以下でした。7頭のうち6頭は6~8歳で、同じく7頭のうち6頭は芝重賞での連対歴があったので、重賞実績のあるベテランが侮れません。


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