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穴ぐさ傾向と対策

エプソムCも函館スプリントSもひと桁馬番が!?


先週(6月3日~4日)の穴ぐさは[1.4.2.74](複勝率8.6%)でした。安田記念では【B】評価だったガイアフォースが最後に鋭く追い込んだものの②着と同タイムの④着まででした。芝マイルG1勝ち馬の壁が厚かった印象です。

安田記念を制したのは大外枠だったソングラインで、前走でヴィクトリアマイルを勝利していたものの、今回も4番人気でしたね。中団の外目で流れに乗り、メンバー中2位の上がり33秒1で差し切って、②着セリフォスに1馬身1/4差を付ける快勝でした。

東京芝1600mの古馬戦では外枠の馬の差しが利くなあ、という印象でしたが、同じ東京芝のU型コースであっても、東京芝1800mでは異なる傾向が見られるので、今週末のエプソムCには別の意識が必要かと思います。

今年4月以降に東京芝1800mでの古馬戦は7レースあり、馬番別の成績が次のようになっています。

【2023年4月以降の東京芝1800mの古馬戦】
馬番 着別度数 複勝率
馬番1~5番 [5.3.3.24] 31.4%
馬番6~10番 [2.4.2.22] 26.7%
馬番11~18番 [0.0.2.15] 11.8%

連対圏に入った14頭は馬番10番以内で、勝利した7頭はひと桁馬番でした。200mの差ですが、東京芝1600m東京芝1800mでは明らかな違いが見られますから、注意したいですね。

上記の7レースに関しては、父サンデー系とそれ以外の父系の馬について、次のような成績が残されています。

【2023年4月以降の東京芝1800mの古馬戦】
父系 着別度数 連対率
父サンデー系 [2.2.3.35] 9.5%
父サンデー系以外 [5.5.4.26] 25.0%

父がサンデー系以外の馬の方が連対率が高く、7レースすべてで父がサンデー系以外の馬が連対しています。5月20日以降の4レースでは、父がサンデー系以外の馬が馬券圏内に2頭以上入っているので、エプソムC父がサンデー系以外の馬が中心になるかもしれませんね。

なお、昨年のエプソムCで優勝したのはモーリス産駒のノースブリッジで、東京芝1800mの重賞では、2021年以降の11レース連続で、4代血統表内にグレイソヴリン系かロベルト系を持つ馬が連対しています。

今年のエプソムCには、父がサンデー系以外で、4代血統表内にグレイソヴリン系かロベルト系を持つ馬として、インダストリアジャスティンカフェマテンロウスカイレインフロムヘヴンなどが登録していますが、どんな走りを見せてくれるでしょうか。

今週末からは函館開催もスタートし、日曜日(11日)に函館スプリントSが予定されています。芝1200mの古馬混合重賞は、昨年以降に13レースが行われ、ひと桁馬番の馬が勝つケースが多くなっています。

【2022年以降のJRAの芝1200mの古馬混合重賞】
馬番 G1 G2&G3
ひと桁馬番 [2.2.2.21] [9.6.6.68]
ふた桁馬番 [1.1.1.22] [1.4.4.61]

13レースのうち11レースでひと桁馬番の馬が勝っていて、G2&G3をふた桁馬番で勝ったのは、昨秋の京阪杯でのトウシンマカオ(7枠14番)だけです。

G2&G3の10レースに関しては、上位人気の好走例が多いので、人気別成績も見ていただきましょう。

【2022年以降のJRAの芝1200mの古馬混合G2&G3】
人気 着別度数
1番人気 [3.0.3.4]
2番人気 [5.1.0.4]
3番人気 [0.2.1.7]
4番人気 [0.1.3.6]
5番人気 [0.0.2.8]
6番人気以下 [2.6.1.100]

1~3番人気は[8.3.4.15](複勝率50.0%)で、10レースすべてで連対しています。函館スプリントSも、ひと桁馬番1~3番人気は好走確率が高そうに映りますが、どうでしょうか。

6月10~11日に行われる東京、阪神、函館の芝の使用コース特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。

6月10~11日
場所
東京 Cコース・3週目
阪神 Bコース・2週目
函館 Aコース・1週目

6月10日
場所 レース名 穴ぐさ
成績
東京9R 青梅特別 [0.1.2.29]
東京10R 芦ノ湖特別 [1.1.1.5]
東京11R ジューンS [1.0.2.27]
阪神9R 甲武特別 [1.0.0.2]
阪神10R 洲本特別 [1.4.0.15]
阪神11R 水無月S [2.1.4.23]
函館9R 駒ヶ岳特別 [1.1.1.17]
函館10R 松前特別 [0.2.1.19]
函館11R 函館日刊スポーツ杯 [2.0.4.38]

6月11日
場所 レース名 穴ぐさ
成績
東京9R 八王子特別 [1.1.1.22]
東京10R 夏至S [0.0.3.29]
東京11R エプソムC [1.3.3.41]
阪神9R 三田特別 [2.2.0.14]
阪神10R 安芸S [0.1.0.41]
阪神11R 三宮S [0.2.0.30]
函館9R 遊楽部特別 [3.1.1.25]
函館10R 津軽海峡特別 [1.2.2.25]
函館11R 函館スプリントS [1.2.2.37]
※条件が過去とは異なるレースもあります。レース番号が変更になる場合もあります。

注目レース
水無月S(3勝クラス、阪神芝1200m)

水無月Sでの穴ぐさは[2.1.4.23](複勝率23.3%)で、複勝回収率は130%です。

馬券圏内に激走した7頭の穴ぐさは馬番10番以内で、そのうち6頭は偶数馬番です。7頭のうち6頭は4~5歳で、同じく7頭のうち6頭は中7週以内での臨戦でした。7頭は阪神か中山か中京で勝ち鞍があったので、直線に急坂があるコースでの実績をチェックしておきましょう。

注目レース
洲本特別(2勝クラス、阪神ダート1400m)

洲本特別での穴ぐさは[1.4.0.15](複勝率25.0%)で、複勝回収率は158%です。

連対した5頭の穴ぐさは5~6歳で、そのうち4頭は馬番8番より外枠の偶数馬番でした。5頭は前走が阪神以外で、そのうち4頭は前走が⑤着以下でしたが、その4頭のうち3頭は阪神ダートでの連対歴があったので、阪神実績馬の巻き返しに注意しましょう。

注目レース
三田特別(2勝クラス、阪神芝外2400m)

三田特別での穴ぐさは[2.2.0.14](複勝率22.2%)で、複勝回収率は117%です。

連対圏に入った4頭の穴ぐさは前走が①~⑤着で、中3週以内での臨戦でした。4頭は母父がノーザンダンサー系かミスプロ系で、そのうち3頭は4代血統表内にニジンスキーを持っていたので、スタミナ血脈を持ち、順調に使われているタイプが侮れないでしょう。

注目レース
松前特別(2勝クラス、函館芝1800m)

松前特別での穴ぐさは[0.2.1.19](複勝率13.6%)で、複勝回収率は109%です。

馬券に絡んだ3頭の穴ぐさは父か母父がサンデー系で、馬番2~5番でした。3頭のうち2頭は札幌芝で勝ち鞍があり、残りの1頭は北海道の洋芝が初めてだった3歳馬です。内目の枠に入ったサンデー系内包馬で、洋芝に適性のありそうなタイプに妙味がありそうです。

注目レース
津軽海峡特別(2勝クラス、函館ダート1700m)

津軽海峡特別での穴ぐさは[1.2.2.25](複勝率16.7%)で、複勝回収率は116%です。

③着以内に入った5頭の穴ぐさは5~6歳で、2013年以降の4頭は前走から2ヶ月以上開いていました。5頭はダート1700mで1勝クラス(500万)を勝ったことがあり、2013年以降の4頭は父がミスプロ系かストームキャット系でした。ダート1700mで実績がある馬は、間隔が開いていても軽視しない方が良さそうです。

注目レース
遊楽部特別(1勝クラス、函館芝1800m)

遊楽部特別での穴ぐさは[3.1.1.25](複勝率16.7%)で、複勝回収率は106%です。昨年は【C】評価だったブルトンクールが7番人気で優勝しました。

馬券に絡んだ5頭の穴ぐさは3~4歳の関東馬で、いずれも偶数馬番でした。5頭は前走が⑦着以下でしたが、そのうち4頭は馬体重が454kg以下で、同じく5頭のうち4頭は4角2番手以内から馬券圏内に入ったので、小柄な先行型の巻き返しに注意しましょう。

ちなみに…
エプソムCでの穴ぐさは[1.3.3.41]で、函館スプリントSでは[1.2.2.37]です。昨年のエプソムCでは【A】評価だったガロアクリークが8番人気で②着に食い込み、函館スプリントSでは【C】評価だったジュビリーヘッドが②着、【A】評価だったタイセイアベニールが13番人気で③着に入る【穴ぐさダブル】になりました。

近10年のエプソムCでは7番人気以下で③着以内に入った馬が6頭いて、そのうち5頭は馬番8番以内で、芝重賞での馬券圏内があったタイプです。2014年以降の5頭は父か母父がサンデー系で、左回りでの勝利実績があったので、左回りや重賞で実績がある馬をマークしておきましょう。

近10年の函館スプリントSでは7番人気以下で③着以内に入った馬が10頭いて、父か母父がサンデー系かノーザンダンサー系です。10頭のうち8頭が関西馬で、6歳以上の馬が6頭いるので、関西馬やベテランが侮れないでしょう。牝馬の2頭は馬体重が464~476kgで、牡セン馬の8頭は470~534kgでした。2017年以降の5頭は480~534kgだったので、馬格のあるタイプの方が狙いやすそうです。


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