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穴ぐさ傾向と対策

【穴ぐさトリプル】を実現したサンプロ配合を解説します


今週末の重賞はマイルCS東スポ杯2歳S。その予想に役立つ情報と穴ぐさの好走率が高い特別競走をご紹介します。マイルCSの連対圏は、今年も「ひと桁馬番の馬 + ふた桁馬番の馬」に!?

先週(11月9日~10日)の穴ぐさは[4.9.7.96](複勝率17.2%)で、エリザベス女王杯武蔵野Sでは馬券圏内に入れなかったものの、福島記念【A】評価のアラタが①着、【C】評価のフェアエールングが②着、【B】評価のダンディズムが③着に入る【穴ぐさトリプル】となりました。重賞での【穴ぐさトリプル】は初めてで、馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!

福島記念で【穴ぐさトリプル】を達成した3頭は、アラタ&大野騎手フェアエールング&丹内騎手ダンディズム&三浦騎手で、いずれも鞍上と好相性だったり、高いコース実績があるジョッキーだったんですよね。中でも【A】評価のアラタは、父キングカメハメハ×母父ハーツクライという配合で、福島記念で好相性の「サンプロ配合馬」(父&母父がサンデー系&ミスプロ系の配合馬)でした。





「サンプロ配合」とは、父サンデー系×母父ミスプロ系、もしくは、父ミスプロ系×母父サンデー系という配合のことで、『サラブレモバイル』で独自に命名したものです。近年、サンデー系の馬と、キングカメハメハの系統に代表されるミスプロ系の馬が組み合わせられた配合馬が多く、その活躍が目立つレースがあります。そのひとつが福島記念でした。

昨年の福島記念を制したホウオウエミーズは父ロードカナロア×母父アグネスタキオンという配合で、2016年以降の福島記念では8年連続で「サンプロ配合馬」が③着以内に好走していました。今年の該当馬は3頭(アラタシーズンリッチシリウスコルト)で、このうちシーズンリッチシリウスコルトは、近10年の福島記念で馬券圏内に入った馬がいなかった8枠となり、「3枠6番アラタに注目した」と福島記念を担当した穴ぐさ選者は話していました。

ちなみに、【A】評価のアラタ【B】評価のダンディズム7~8歳でしたが、担当の穴ぐさ選者は、「福島記念はベテランが穴を開ける印象が強い」という認識だったとのことで、年齢面はむしろ好材料と捉えていたようです。このような傾向分析は重要ですね。

近年の福島記念で「サンプロ配合馬」が好相性なのは、ペースが緩むことなく、それでいて最後の底力と決め手も問われる展開になりやすいことが関係しているのでしょう。「サンプロ配合馬」は、スピード底力直線での決め手をバランス良く求められる条件に適性が高く、芝1800~2400mの上級条件で相性が良い印象があります。ただ、芝だけでなく、例えば近年のチャンピオンズCでも好走率が高くなっているんですよね(その辺りの話は『馬券ゼミ 第28回』で詳しく話しています)。

『サラブレモバイル』では、父系に関するデータだけではなく、&母父の組み合わせや母系面も頭に入れながら予想を組み立てています。今後もご注目ください。
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先週のエリザベス女王杯は、淀みない流れを先行し、早めに動いたスタニングローズが2馬身差を付けて優勝する結果となりました。スタニングローズは父キングカメハメハ×母父クロフネという配合で、今秋の京都芝の重賞では、次の馬が勝利を収めています。

【2024年10~11月の京都芝重賞】
レース 勝ち馬 母父
エリザベス女王杯 スタニングローズ キングカメハメハ クロフネ
デイリー杯2歳S ランフォーヴァウ ロードカナロア ディープインパクト
ファンタジーS ダンツエラン ロードカナロア Into Mischief
スワンS ダノンマッキンリー モーリス Holy Roman Emperor
菊花賞 アーバンシック スワーヴリチャード ハービンジャー
秋華賞 チェルヴィニア ハービンジャー キングカメハメハ
京都大賞典 シュヴァリエローズ ディープインパクト Sevres Rose

黄色はキングマンボ系、ピンク色はサンデー系、オレンジ色はロベルト系、赤色はノーザンダンサー系です。『サラブレモバイル』ではこのような色分けで、血統を把握しやすくしています。

デイリー杯2歳Sは7頭立てで、それ以外の6レース(11~18頭立て)では、父か母父がノーザンダンサー系の馬が優勝していることが分かります。この流れは今週末のマイルCSでも続くでしょうか。

昨年以降の京都芝外1600mの重賞では、11頭立て以上の時に限ると、連対圏が「ひと桁馬番の馬1頭 + ふた桁馬番の馬1頭」という組み合わせになっています。

【2023年以降の京都芝外1600mの重賞】
レース 頭数 ①着 ②着
2024年デイリー杯2歳S 7頭 5番 6番
2024年マイラーズC 17頭 14番 3番
2024年シンザン記念 18頭 5番 13番
2024年京都金杯 18頭 2番 11番
2023年マイルCS 16頭 16番 1番
2023年デイリー杯2歳S 11頭 2番 10番
2023年マイラーズC 15頭 10番 7番

該当レースは上記の7つで、昨年のマイルCSは8枠16番だったナミュールが制しました。先週の京都芝の結果を見ると、今年もふた桁馬番の馬が有力かもしれませんね。

なお、上記の7レースで優勝した馬は、前走での上がりがメンバー中3位以内か、前走が海外だったので、その該当馬もマークしておくと良さそうです。

芝1600mのG1(JRA)は今春の安田記念以来で、父系に関しては次のようなデータもあります。

【2022年以降の芝1600mのG1(JRA)】
父系 2~3歳
限定戦
古馬
混合戦
父ミスプロ系 [8.2.2.29] [0.1.3.31]
父サンデー系 [1.7.4.57] [4.4.2.53]
父ロベルト系 [1.1.1.23] [1.0.1.15]
父ノーザンダンサー系 [0.0.3.29] [3.3.2.11]
上記4系統
以外の父系
[0.0.0.9] [0.0.0.2]

2022年以降だと芝1600mのG1(JRA)は16レースが行われ、そのうち古馬混合の8レースでは、父ミスプロ系の馬が勝てていない一方で、父ノーザンダンサー系の好走率の高さが目立ちます。

ノーザンダンサー系の馬は[3.3.2.11](複勝率42.1%)という成績で、8レースのうち、今年のヴィクトリアマイル以外の7レースで馬券に絡む馬が出ています。今年のマイルCSの登録馬で父ノーザンダンサー系なのは、オオバンブルマイチャリンナミュールレイベリングですね。

→【穴ぐさ】は10月以降の重賞で
6週連続で馬券圏内に激走中!←

今週末から東京芝福島芝はコース替わりとなりますので、ご注意ください。11月16日~17日に行われる東京、京都、福島の芝の使用コース平地特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。

11月16日~17日
場所
東京 Cコース・1週目
京都 Bコース・3週目
福島 Bコース・1週目

11月16日
場所 レース名 穴ぐさ
成績
東京9R 南武特別 [2.0.1.15]
東京10R 晩秋S [1.0.2.36]
東京11R 東スポ杯2歳S [0.3.4.35]
京都9R 秋明菊賞 [0.1.0.8]
京都10R 近江特別 [0.0.2.15]
京都11R アンドロメダS [0.0.2.42]
福島9R 高湯温泉特別 [1.0.1.30]
福島10R 西郷特別 [1.1.2.42]
福島11R キビタキS [0.0.0.3]

11月17日
場所 レース名 穴ぐさ
成績
東京9R 赤松賞 [2.1.2.15]
東京10R 秋色S [0.0.1.8]
東京11R 霜月S [2.3.3.44]
京都9R 比叡S [3.2.1.11]
京都10R グランアレグリアC 出走なし
京都11R マイルCS [1.2.3.48]
京都12R 壬生特別 [4.0.3.32]
福島9R 磐梯山特別 [1.0.3.22]
福島10R 五色沼特別 [0.0.3.30]
福島11R 福島民友C [2.5.4.36]
※条件が過去とは異なるレースもあります。レース番号が変更になる場合もあります。

注目レース
東スポ杯2歳S(G2、東京芝1800m)

東スポ杯2歳Sでの穴ぐさは[0.3.4.35](複勝率16.7%)で、複勝回収率は126%です。昨年は【B】評価のシュバルツクーゲルが8番人気で②着に入りました。

近10年では6番人気以下で③着以内に入った馬が6頭いて、いずれも父か母父がサンデー系です。6頭は芝で初勝利を挙げた時にメンバー中1~2位の上がりを計時していたので、サンデー系内包で決め手を見せていた馬をマークしておきましょう。6頭のうち5頭はキャリア2~3戦で、同じく6頭のうち5頭は馬番1~4番でした。

注目レース
福島民友C(リステッド、福島ダート1700m)

福島民友Cでの穴ぐさは[2.5.4.36](複勝率23.4%)で、複勝回収率は106%です。2019年以降の近5年連続で穴ぐさが馬券に絡んでいます。

ダート1700mの時に限ると[1.4.2.20](複勝率25.9%)で、③着以内に入った7頭の穴ぐさは父か母父がノーザンダンサー系かミスプロ系で、7頭のうち6頭は4~6歳でした。7頭のうち6頭は近4走以内に③着以内の好走歴があり、同じく7頭のうち6頭は馬番8番以内だったので、ある程度の好調さが感じられるひと桁馬番の馬が狙い目でしょう。

注目レース
比叡S(3勝クラス、京都芝外2400m)

比叡Sでの穴ぐさは[3.2.1.11](複勝率35.3%)で、複勝回収率は185%です。

馬券圏内に入った6頭の穴ぐさは中9週以内での臨戦で、5頭は京都で勝ち鞍があり、例外の1頭は京都が初めてでした。6頭は前走時馬体重が498kg以下で、2010年以降の5頭の父はドゥラメンテディープインパクト(2頭)、マンハッタンカフェメイショウドトウなので、芝2200m以上のG1で勝ち鞍がある馬の産駒が良さそうです。

注目レース
赤松賞(1勝クラス、東京芝1600m)

赤松賞での穴ぐさは[2.1.2.15](複勝率25.0%)で、複勝回収率は157%です。2018年以降は該当馬のいた4年のうち3年で③着以内に入っています。

馬券に絡んだ5頭の穴ぐさは中6週以内での臨戦で、そのうち4頭は偶数馬番でした。5頭のうち4頭は芝1600m以下での前走でメンバー中3位以内の上がり(33秒9~35秒6)を使っていて、残りの1頭は前走が芝2000mで4角先頭でした。前走が芝2000mだった馬も初勝利時にメンバー中最速の上がりを使っていたので、決め手のあるタイプをチェックしておくといいでしょう。

ちなみに…
マイルCSでの穴ぐさは[1.2.3.48]で、昨年は【C】評価のジャスティンカフェが7番人気で③着、一昨年は【C】評価のダノンザキッドが8番人気で②着に差し込みました。

近10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が6頭いて、7~9番人気でした。6頭は父ヘイルトゥリーズン系で、そのうち5頭が父サンデー系です。6頭のうち5頭は近2走以内に芝重賞での③着以内があり、同じく6頭のうち5頭は前走の芝重賞で①着か0秒3差以内で走っていました。6頭は芝1800m以上での勝ち鞍があり、そのうち5頭は3~5歳でした。


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