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速攻レースインプレ

紆余曲折ありながら見事に重賞タイトル奪取

文/浅田知広 写真/武田明彦



1番人気が勝てない重賞といえば、以前は先週行われた七夕賞が有名で、04年まで26連敗。しかし近年はそこそこで、過去10年では3勝を挙げている。

一方、同じサマー2000シリーズのハンデ戦・こちら函館記念は、現在のところ11連敗中。そして来月の小倉記念12連敗中と、七夕賞で1番人気が勝つようになってから、どうもこの両レースに押しつけられた(?)ような格好である。

そんな函館記念で今年、1番人気に推されたのはトリコロールブルーで、単勝オッズは3.1倍。これまでG3以下にかぎれば[5.1.1.0]。そして鞍上ルメール、しかし重賞未連対。なんとも「3.1倍」にふさわしく、そしてこれはまた1番人気の連敗も続いてしまうのか、という危惧もあり、というところだ。

では、なにを買うのかとその他の馬を見てみると。離れて2番人気のブレスジャーニーで6.6倍、そして3番人気のスズカデヴィアスが7.9倍と続き、11倍台までに出走馬の半数以上にあたる8頭。別の馬をアタマにすると決めたところで馬券が当たるような気もしないのが、このハンデ戦でもある。

先行型が複数いるメンバーで、さてどんな展開になるのかと思えば、スタート直後はクラウンディバイダカレンラストショーが少々競り、1コーナーではカレンラストショーが先頭。クラウンディバイダが控えたところに外からマイネルハニーと、見た目、速いペースでの入りになったようだった。

しかし、その後は落ち着いて向正面あたりでは12秒台中盤の連続。1000m通過は60秒3と結局は落ち着き、またそのラップ以上に、「序盤に競らなかった」先行型が良さそうな展開だ。

ちょうどそこに、うまくはまり込んでいたのが、競った前を見つつ4番手につけたエアアンセム(5番人気)、その直後にいたサクラアンプルール(7番人気)といったあたりだった。

逆に、序盤は「しめしめ」、しかし中盤に落ち着いてマズい流れになったのが後方待機の人気どころ、トリコロールブルーブレスジャーニー、そしてスズカデヴィアス。さらに、ブラックバゴ(4番人気)に至っては、ペースが緩んで折り合いを欠いてしまってもいた。

後方までいったんはぎゅっと馬群が詰まって迎えた3コーナー。ここからペースが上がり、逃げたカレンラストショー、2番手のマイネルハニーを交わし、4角で先頭に立ったのが紅一点エテルナミノル(13番人気)。え、エテルナミノル? 道中は4番手あたりでエアアンセムの外。確かにこの馬も、ちょうどいいところで流れに乗っていたのだ。

ただ、脚質的に仕方ないが、惜しむらくは、少し先頭に立つのが早かった。直後から外に出したエアアンセムが残り200mで並びかけ、さらに外からはサクラアンプルールと、ベテラン7歳牡馬2頭。その後方からようやくブレスジャーニースズカデヴィアス、馬群からトリコロールブルーも差を詰めたが、このあたりは時既に遅し(そして1番人気12連敗)。エアアンセムエテルナミノルを捕らえ、サクラアンプルールの追撃も抑えて、7歳にして重賞初制覇を達成したのだった。

新馬、ホープフルSと2連勝を飾ったエアアンセムの2歳時だったが、その後は1600万条件の安定勢力になり、さらに屈腱炎での休養もあって7歳に。しかし今年は3月についに1600万条件を脱すると、続くオープンの都大路Sでは②着。そして前走・エプソムCは⑤着と、弥生賞④着以来となる重賞での掲示板を確保していた。

そしてついに、ここで重賞初制覇。デビュー2連勝、しかしともに8番人気と、血統(エアデジャヴーの孫、最近の活躍馬ではエアスピネルの従兄弟)のわりに人気がない感もあった競走生活のスタートから、紆余曲折ありつつ、タイトルを手にするところまでたどり着いたのはお見事だ。もちろん、今後も足もと次第という面はあるだろうが、長期休養明けからむしろ結果を出しているだけに、次走(札幌記念?)以降も要注目の存在になる。

②着のサクラアンプルールは、昨年のその札幌記念の覇者。ここは休養明け、トップハンデ57.5キロでこの結果なら、連覇の可能性も十分にあるだろう。

そして大健闘の③着にエテルナミノル。ダート巧者の多いエンパイアメーカー産駒ながら、先週の七夕賞ではパワーポケットが12番人気で③着、そして今週のエテルナミノルは13番人気で③着。終わってから「そこだったか!」と思ったところで、次の芝重賞出走馬がいつ出てくるかわからないのが難点である。

エテルナミノル自身がクイーンSを選ぶと中1週だが、さてどうするだろうか。ちなみに、来週の中京記念は2000年代に入って1番人気18連敗。また頭を悩ますことになりそうだ。


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