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速攻レースインプレッション

上位人気馬の明暗を分けた、仕掛けのタイミング

文/編集部(T)、写真/井立和


今週は中山と小倉が雨や雪の影響を受けたが、京都は雨が降らず、稍重でスタートした芝は土曜の昼過ぎに良に回復。日曜は終始良馬場で、この日の京都芝は5レース行われたが、結果的に4角先頭の馬が①④②①③着という成績で、前が止まりづらい馬場となった。

そんな馬場状態で迎えた日経新春杯のメンバーを見ると、前走で4角先頭の競馬をしていたのはエーティーラッセンだけ。ただ、サイモンラムセスロードヴァンドールレッドレオンなども前に行くことが考えられ、逃げた馬が早めに交わされる展開もあり得るだけに、“4角先頭"となると、さてどの馬になるのか。そのあたりの展開が、レースを考える上でひとつのポイントになっていた。

実際、そのエーティーラッセンが好ダッシュを決めてすんなりとハナに立つ。そうなると当然ペースは上がらず、前半1000m通過が61秒6というのは、昨年に比べると実に3秒3も遅いペースとなった。

目に見えて分かるスローペースだった中、1番人気レッドジェニアルはゲートでチャカついて出遅れ、この時点で戦線離脱気味に。一方、2番人気モズベッロと3番人気アフリカンゴールドは先団を見るような位置で、虎視眈々という感じで追走する。3コーナー手前でプリンスオブペスカが早めに進出し、連れてアフリカンゴールドが前へ。

一方、モズベッロ池添騎手はそこで仕掛けず、内でジッと脚を溜めていた。結果的に、この選択がモズベッロの勝利に繋がったのだろう。

マクリ気味に進出した2頭も、ペースを考えると悪くない仕掛けにも見えたが、その時点でまだ1000m以上残っていては、さすがに脚が保たない。逃げたエーティーラッセンが先頭を譲らずに逃げ込みを図る中、直線で馬場の真ん中に持ち出したモズベッロが残り200mで先頭に立ち、2馬身半差を付けて悠々とゴールに飛び込んだ。

モズベッロは前走の3勝クラス(中山芝2500m)で④着に敗れていて、ここが格上挑戦の一戦。それでもここで2番人気に推されたのは、ハンデ52kgの恩恵もあったのだろうが、2走前に今回と同じコースで2勝クラスを勝った時の勝ちっぷりが良く、その点も好感されたのだろう。

これで京都芝外2400mを2戦2勝とし、重賞ウィナーの仲間入りを果たしたモズベッロ。今回はハンデに加え、池添騎手の絶妙の仕掛けの恩恵もあったもので、今後は斤量が増えてどうかがポイントになるだろう。

ただ、近年の日経新春杯を軽ハンデで好走した馬のその後の成績を見ると、シャケトラ(17年②着、53kg)、シュヴァルグラン(16年②着、54kg)など、後にG1でも上位に入った馬の名前がある。過去10年の勝ち馬のうち、3頭が後にG1を制している(11年ルーラーシップ、17年ミッキーロケット、19年グローリーヴェイズ)出世レースで、このコースで重賞を勝つということは、それだけ価値があるということなのだろう。今後も目が離せない存在になっていきそうだ。

②着レッドレオンは先団で進めたが、勝負所で進出したモズベッロに蓋をされて仕掛け遅れた感じで、その時のロスが響いた感じ。その分脚が溜まったと見ることもできそうだが、いずれにしても勝負付けはまだ終わっていないだろう。

武豊騎手騎乗で1番人気に推されたレッドジェニアル(⑦着)も、出遅れは響いたものの、トップハンデ56kgでモズベッロと並んでメンバー最速タイの上がり34秒5を使っていて、力の一端は示した。同じ4歳のモズベッロとは明暗が分かれたが、敗因も確かなだけに、今回だけで評価を下げるのは危険だろう。

古馬中長距離戦線の現状を見ると、昨年の宝塚記念&有馬記念を制したリスグラシューがこの日引退式を迎え、ターフを去った。アーモンドアイフィエールマングローリーヴェイズなどの5歳勢に対し、ワールドプレミアなどを含めた4歳勢がどう戦うか。モズベッロが“グランプリ男"池添騎手を鞍上に、G1戦線を席巻…という場面が見られても不思議はなさそうだ。


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