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速攻レースインプレッション

皐月賞で同じシーンが見られる可能性も十分!?

文/浅田知広、写真/小金井邦祥


1月7日にJRA賞各部門の受賞馬が発表され、最優秀2歳牡馬にはホープフルSの優勝馬コントレイルが選出された。これまでも、朝日杯FS不出走馬が注目された年が何度かあったが、最終的には「G1」の格がものを言っていた。しかし、2017年にホープフルSがG1に昇格し、朝日杯FSと同格に。昨年はコントレイルとサリオスがともに3戦3勝、G1とG3を1勝ずつでまったく並び、ついに朝日杯FS優勝馬以外がタイトルを手にするに至った。みなさんはどちらの馬が、最優秀2歳牡馬にふさわしいと思っていただろうか?

そんな議論はさておき。これで、なにか少し存在感が希薄になったように思えるのが京成杯だ。1999年に従来の中山芝1600mから2000mへと延長され、皐月賞と同コース・同距離」がウリになったこの一戦。以降、皐月賞馬こそ出ていないものの、18年にはジェネラーレウーノ(本競走①着)が8番人気の皐月賞で③着になったほか、エイシンフラッシュやサンツェッペリン、シックスセンスといった京成杯好走馬が、皐月賞で波乱を演出してきた。

しかし、2014年に同じ中山芝2000mのホープフルSが重賞、それもG2に昇格(前身とされるのは阪神のラジオNIKKEI杯2歳Sだが)。それから2017年にG1化、そして最優秀2歳牡馬まで出すことになった。もともと皐月賞と同コース・同距離」にはトライアルの弥生賞があったところに、ホープフルSのこの出世スピード。間に挟まれた京成杯の心境やいかにと、つい考えてしまいたくなる。

そんな流れを受けた京成杯。今年、1番人気に推されたのは、ここを勝てば文句なしに皐月賞の有力候補……になるかどうか以前に、皐月賞桜花賞かという話になりそうな、良血「牝馬」スカイグルーヴだった。11月の東京芝2000m戦を5馬身差で圧勝し、ここは2戦目・重賞初挑戦ながら単勝は2.1倍の断然人気。ここからやや離れてエリカ賞を制したヒュッゲ、同コースで未勝利勝ちのゼノヴァースと、芝2000m戦で勝利を挙げてきた馬が上位人気を占めた。

このうち、スカイグルーヴヒュッゲはともに前走が逃げ切り勝ち、しかしどちらもハナへ行かずとも……という走りで位置取りが注目されたが、2頭は道中2番手で併走。先手を奪ったのは、京都2歳Sで③着に逃げ残ったロールオブサンダーだった。

スタートから3ハロン目に13秒0を記録するなどやや落ち着いた流れになり、前半の800m通過は49秒0、1000mは61秒5(稍重)。向正面前半ではスカイグルーヴヒュッゲが前に並ぼうかという場面もあったが、そのままロールオブサンダーが先頭で3コーナーへ。ここで少しペースが上がると、外からスカイグルーヴにかぶされたヒュッゲは早くも脱落。一方、3番人気のゼノヴァースは後方馬群から差を詰めにかかったものの、こちらも手応えはいまひとつだった。

対して、スカイグルーヴはまったく楽な手応えのままロールオブサンダーに並びかけ、直線入口で先頭へ。そのまま半馬身、1馬身と突き放しにかかり、後続はさらに4~5馬身後ろ。スカイグルーヴの大楽勝になるのではないかとも思われた。

しかし、大外から1頭だけ、そのスカイグルーヴに迫る馬が現れた。道中では馬群からやや離れた後方を追走していたクリスタルブラックだ。残り200m手前では伸びてはいるが前まではとても……という態勢に見えたが、そこから末脚爆発。1頭まったく違う脚を繰り出してスカイグルーヴを追撃し、残り50mでこれを捕らえて鮮やかな差し切り勝ちを収めたのだ。

前後半の1000mは61秒5-60秒6と決して前が止まる流れではなかったが、ラスト200m12秒6だけを切り取れば、スカイグルーヴが強気に出すぎた、という見方もできる。しかし、③着ディアスティマは②着スカイグルーヴと2馬身半差。クリスタルブラックさえいなければ楽々と圧勝していたはずで、この馬が強かった、と考えるのが妥当だろうか。

12月15日の中山芝1800m戦でデビュー勝ちを飾ったばかりのクリスタルブラック。その新馬戦は出遅れて後方追走になったものの、4コーナー大外からまくり気味に進出し、残り200mあたりで先頭へ。そこから1ハロン11秒5とさらに脚を使って突き放す強い競馬を見せていた。

ただ、それでもここは7番人気の低評価。新馬戦、そして今回も向正面あたりの走りを見れば東京のほうが向きそうなタイプにも見受けられたが、2戦続けて中山の急坂で群を抜く末脚を繰り出しているのは見逃せない。

稍重で2分2秒1の勝ち時計は、コントレイルのホープフルS(良)に0秒7差。あちらも確かに強かったが、まだ抜け出してからの走りに課題を残しており、直線での迫力だけならクリスタルブラックもまったく見劣らない。同じ「中山芝2000m」の重賞勝ち馬同士、そこに弥生賞の優勝馬やサリオスなどを交えた皐月賞はどんな結果になるのだろうか。先に抜け出したコントレイルをめがけてゴール前でクリスタルブラックが急襲、そんなシーンが見られる可能性も十分にありそうだ。


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