穴ぐさ傾向と対策
今年のチャンピオンズCでも1~2番人気は並び立たない!?
先週(11月24日~25日)の穴ぐさは[3.5.5.68](複勝率16.0%)で、複勝回収率が104%でした。ジャパンCはアーモンドアイが制し、堅い決着になりましたが、京阪杯で【C】評価だったナインテイルズが12番人気で②着に食い込み、波乱を演出してくれました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!
それにしても、ジャパンCでのアーモンドアイは衝撃的な強さでしたね。2分20秒6という驚異的なレコードタイムも去ることながら、ジャパンCで3歳馬が1番人気に推されて優勝したことも初めてで、今後は海外G1での活躍が期待されますね。無事にいってほしいものです。
さて、今週はチャンピオンズCが行われます。JRAのダートG1はフェブラリーSとチャンピオンズCの2レースですが、今年は京都でJBCが行われました。その時にこのコーナーでお伝えした通り、近年のダートG1での1番人気は惜敗続きなので、チャンピオンズCも1番人気が勝てるのかどうか?という点が焦点になるでしょう。
JRAのダートG1での1番人気の歴史を改めて振り返ってみましょう。
【JRAダートG1(Jpn1)での1番人気】
時代 | 年 レース | 1番人気の 着別度数 |
苦難の時代 | 97年フェブラリーS ~01年フェブラリーS |
[0.1.0.5] |
安定の時代 | 01年JCダート ~11年JCダート |
[15.3.3.1] |
惜敗の時代 | 12年フェブラリーS ~18年JBCレディスクラシック |
[1.6.4.5] |
2012年フェブラリーS以降は「惜敗の時代」となっていて、1番人気で勝利したのは15年フェブラリーSでのコパノリッキーだけです。今年のJBCの前にもこのデータを掲載して、JBCスプリントはマテラスカイが②着、JBCクラシックはサンライズソアが③着、JBCレディスクラシックはラビットランが②着でした。
16年以降のJRAでのダートG1(Jpn1)では、1番人気が[0.6.2.0]という結果が残されています。チャンピオンズCでも1番人気の②&③着付けは有効そうに思われますが……どうでしょう?
「惜敗の時代」(2012年以降)での1番人気は、枠順別の成績が次のようになっています。
【2012年以降のJRAダートG1(Jpn1)での1番人気】
枠番 | 着別度数 |
1枠 | 出走なし |
2枠 | [1.2.1.0] |
3枠 | [0.1.1.0] |
4枠 | [0.1.0.1] |
5枠 | [0.0.1.1] |
6枠 | [0.0.1.1] |
7枠 | [0.2.0.1] |
8枠 | [0.0.0.1] |
優勝した15年フェブラリーSのコパノリッキーは2枠(4番)で、1番人気は3枠以内だと[1.3.2.0]です。チャンピオンズCは4年連続でひと桁馬番の馬が優勝していますから、上位人気馬も真ん中から内枠の方が良さそうですね。
チャンピオンズCでの1番人気は昨年(テイエムジンソク)も一昨年(アウォーディー)も②着でしたが、他に馬券圏内に入った馬は6番人気以下で、3年前も1~3番人気で③着以内に入った馬は1頭だけ(3番人気②着のノンコノユメ)でした。
チャンピオンズCや前身のジャパンCダートでは、1~3番人気が揃って好走するケースが少ないので、その歴史をご覧いただきましょう。
【チャンピオンズC&ジャパンCダートでの1~3番人気】
人気 | 着順(00年→17年) |
1番人気 | ⑤①③②②①②①③①①①④③⑫⑦②② |
2番人気 | ⑧⑧⑤⑦④⑦⑨⑥⑧⑧⑤③⑩⑬①⑤⑫⑪ |
3番人気 | ⑫②⑥⑫⑬④⑤⑧⑥⑥⑨⑦②①③②⑬④ |
これは1~3番人気の着順で、いちばん左が00年で、年を追うごとに右へ進み、いちばん右が昨年(17年)になります。①~③着には色を付けましたが、ご覧の通り、1~3番人気が揃って馬券圏内に入ったのは4回だけ(01年、11年、13年、14年)です。そのうち3回は①&③着で、1~3番人気がワンツーを決めたことは01年(①着クロフネ、②着ウイングアロー)しかありません。
1~2番人気ということなら、一緒に馬券に絡んだことが一度(11年)しかありません。上位人気馬は並び立たないことが多いG1ですから、このことは頭の中に入れて臨みたいですね。
ただ、そうは言っても、人気薄だけが上位を独占したケースもほとんどなく、1~3番人気がどれも馬券圏内に入れなかったのは第1回ジャパンCダートの00年だけです。01年以降は1~3番人気が17年連続で③着以内に入り、09年以降は9年連続で連対馬が出ています。1~3番人気の取捨が今年のチャンピオンズCでも重要になってきそうです。
今週からは中山、阪神、中京の3場開催となります。12月1日~2日に行われる中山、阪神、中京の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
12月1日~2日
場所 | 芝 |
中山 | Aコース・1週目 |
阪神 | Aコース・1週目 |
中京 | Aコース・1週目 |
12月1日
場所 | レース名 | 穴ぐさ成績 |
中山9R | 葉牡丹賞 | [1.2.2.14] |
中山10R | 北総S | [0.1.2.27] |
中山11R | ステイヤーズS | [1.3.2.24] |
阪神9R | 再度山特別 | 出走ナシ |
阪神10R | 御影S | [0.2.2.13] |
阪神11R | チャレンジC | [2.2.0.21] |
中京10R | こうやまき賞 | [0.0.0.2] |
中京11R | 浜松S | [1.1.1.18] |
中京12R | 高山特別 | [0.0.0.13] |
12月2日
場所 | レース名 | 穴ぐさ成績 |
中山9R | チバテレ杯 | [2.0.1.9] |
中山10R | 市川S | [2.1.4.21] |
中山11R | ラピスラズリS | [0.2.1.21] |
阪神9R | 万両賞 | [1.2.0.2] |
阪神10R | 姫路特別 | [0.1.0.10] |
阪神11R | 逆瀬川S | [0.0.1.6] |
中京9R | 豊川特別 | [0.0.2.10] |
中京10R | 鳥羽特別 | [0.3.0.22] |
中京11R | チャンピオンズC | [1.1.5.29] |
中京12R | 鳴海特別 | [1.0.1.20] |
☆注目レース☆
チャンピオンズC(G1、中京ダート1800m)
チャンピオンズC&JCダートでの穴ぐさは[1.1.5.29](複勝率19.4%)で、複勝回収率は118%です。馬券に絡んだ穴ぐさは中2~4週の臨戦で、中京ダート1800mでのチャンピオンズCで激走した2頭は馬番4番でした。
近10年のチャンピオンズC&JCダートでは7番人気以下で③着以内に入った馬が10頭いて、いずれも前走がダートOPで、10頭中8頭は前走が③着以内で、例外の2頭は前走がダート重賞で2番人気でした。
チャンピオンズCで激走した馬は5頭で、いずれもひと桁馬番の関西馬でした。09年以降の激走馬9頭は父がサンデー系かミスプロ系で、チャンピオンズCでの5頭は父&母父がサンデー系、ミスプロ系、ノーザンダンサー系の組み合わせだったので、そのタイプをマークしておきましょう。
☆注目レース☆
ステイヤーズS(G2、中山芝3600m)
ステイヤーズSでの穴ぐさは[1.3.2.24](複勝率20.0%)で、複勝回収率は101%です。近2年は馬券圏内を1~3番人気が占める堅い決着になっているので、今年は穴馬の台頭を期待したいところですが、どうでしょう?
過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が6頭いて、すべて6歳以上の牡セン馬です。そのうち3回はトウカイトリックによるもので、同馬は父(エルコンドルパサー)の母父がサドラーズウェルズです。激走した6頭のうち5頭は4代血統表内にサドラーズウェルズかニジンスキーを持っていたので、スタミナ豊富な血脈を持つベテランを侮らないようにしましょう。
☆注目レース☆
御影S(1600万、阪神ダート1400m)
御影Sでの穴ぐさは[0.2.2.13](複勝率23.5%)で、複勝回収率は134%です。
馬券圏内に入った穴ぐさは父がサンデー系かミスプロ系で、4頭のうち3頭は母父もサンデー系かミスプロ系です。4頭は馬番8番以内で、3~5歳馬だったので、真ん中から内枠に入ったタイプに注目しましょう。
☆注目レース☆
葉牡丹賞(500万、中山芝2000m)
葉牡丹賞での穴ぐさは[1.2.2.14](複勝率26.3%)で、複勝回収率は164%です。
③着以内に入った穴ぐさは中3週以内の臨戦で、5頭のうち4頭は馬番7番以内でした。同じく5頭のうち4頭は4角4番手以内から馬券圏内に入っているので、ある程度前に行けるスピードのありそうなタイプをチェックしておきましょう。
☆注目レース☆
万両賞(500万、阪神芝1400m)
万両賞での穴ぐさは[1.2.0.2](複勝率60.0%)で、複勝回収率は346%です。
連対した3頭の穴ぐさは父か母父がサンデー系で、1~3月生まれでした。3頭は450~470kg台だったので、あまり大きくなくても早生まれの馬はマークしておくと良さそうです。
■ちなみに…■
チャレンジCでの穴ぐさは[2.2.0.21]です。芝2000mに戻った昨年は12頭立てで堅い決着になったので、今年は頭数が揃ってほしいところです。
近10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が7頭いて、いずれも中9週以内の臨戦でした。12年以降の激走馬6頭は近3走以内に連対歴がありましたが、いずれも重賞での勝利実績はなく、その6頭中3頭は芝重賞で馬券に絡んだことがない馬でもありました。実績よりも近走での勢いを気にかけましょう。