穴ぐさ傾向と対策
菊花賞は内枠有利ではない!?
先週(10月12日~15日)の穴ぐさは[6.3.4.84](複勝率13.4%)でした。秋華賞と府中牝馬Sという重賞がありましたが、なかなか貢献できず、申し訳ありません。
秋華賞は桜花賞③着・オークス③着だったクロノジェネシスが最後の一冠を制して、G1馬に輝きました。春までは430~440kg台で走っていた馬ですが、今回は20kg増の452kgで、夏を越しての成長力を見せる形となりましたね。
クロノジェネシスはノーザンファーム生産馬で、これで昨年以降の芝2000mのG1はノーザンファーム生産馬が8戦7勝となりました。今月末には天皇賞・秋がありますが、そこでも中心はノーザンファーム生産馬ですかね。
今週末は菊花賞があり、ノーザンファーム生産馬はヴェロックス、サトノルークス、ヒシゲッコウ、ホウオウサーベル、ワールドプレミアなどが出走予定です。天皇賞・春はノーザンファーム生産のフィエールマンが優勝しましたが、長距離戦でもノーザンファーム生産馬は強さを見せているんですよね。
一昨年以降に芝3000m以上の重賞は13レースが行われ、次のような結果となっています。
【2017年以降の芝3000m以上の重賞】
人気 | ノーザンファーム生産馬 | ノーザンファーム以外 の生産馬 |
1番人気 | [7.1.0.1] | [3.0.1.0] |
2番人気 | [1.4.2.4] | [0.0.0.2] |
3番人気 | [1.0.1.6] | [0.0.1.4] |
4番人気 | [0.2.1.4] | [0.0.1.5] |
5番人気 | [0.0.1.4] | [0.1.0.7] |
6番人気 | [0.2.0.7] | [0.1.1.2] |
7番人気 | [1.0.0.4] | [0.0.0.8] |
8番人気以下 | [0.0.3.26] | [0.2.1.54] |
13レースのうち10レースでノーザンファーム生産馬が優勝していて、勝てなかった3レースの勝ち馬はすべて1番人気でした(17年天皇賞・春のキタサンブラック、17年菊花賞のキセキ、18年ステイヤーズSのリッジマン)。ノーザンファーム生産で勝利した10頭のうち9頭は1~3番人気で、これを考えると、菊花賞も上位人気のノーザンファーム生産馬が有力に思われますね。
ちなみに、天皇賞・春の前にもお伝えしましたが、近年の長距離重賞は優勝馬が外枠から出る傾向が強いので、そのことも頭の中に入れておくと良いでしょう。
【芝3000m以上の重賞】
枠順 | 2015~16年 | 2017~2019年 |
1枠 | [3.0.3.11] | [0.1.1.14] |
2枠 | [2.2.2.11] | [1.2.1.14] |
3枠 | [1.0.0.16] | [0.3.1.16] |
4枠 | [0.1.2.15] | [0.0.4.17] |
5枠 | [1.1.0.16] | [0.2.1.18] |
6枠 | [0.3.1.15] | [3.3.1.16] |
7枠 | [1.1.1.20] | [4.2.3.19] |
8枠 | [2.2.1.19] | [5.0.1.24] |
2015~16年は内枠からも多くの勝ち馬が出ていましたが、2017年以降は13頭の優勝馬のうち12頭が6~8枠です。秋華賞は内目を回った馬に有利に働くレースになりましたが、近年の長距離重賞は力のある馬が外枠でも問題なく勝利するケースが目立つので、菊花賞は内枠有利とは考え過ぎずに臨むようにしましょう。
今週末は21日(月)にも東京開催があり、3日間(10月19日~21日)の開催となります。3場(東京・京都・新潟)の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
10月19日~21日
場所 | 芝 |
東京 | Aコース・3週目 |
京都 | Aコース・3週目 |
新潟 | Aコース・2週目 |
10月19日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | アイビーS | [0.1.0.1] |
東京10R | 赤富士S | [1.2.3.29] |
東京11R | 富士S | [0.0.3.34] |
京都9R | 久多特別 | [1.4.3.18] |
京都10R | トルマリンS | 出走ナシ |
京都11R | 室町S | [0.1.1.32] |
新潟10R | 岩船特別 | [0.0.0.3] |
新潟11R | 妙高特別 | [2.0.4.29] |
新潟12R | 稲光特別 | [2.1.2.10] |
10月20日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 鷹巣山特別 | [0.0.1.13] |
東京10R | 甲斐路S | [0.1.2.14] |
東京11R | ブラジルC | [0.3.2.30] |
京都8R | なでしこ賞 | [1.2.1.11] |
京都9R | 北野特別 | [0.0.1.6] |
京都10R | 桂川S | [2.2.2.28] |
京都11R | 菊花賞 | [1.1.3.34] |
京都12R | 大山崎特別 | [0.1.0.17] |
新潟10R | 十日町特別 | [0.1.1.13] |
新潟11R | 北陸S | [3.2.1.16] |
新潟12R | 飛翼特別 | [2.0.3.22] |
10月21日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 三峰山特別 | [2.1.1.20] |
東京10R | テレビ静岡賞 | [2.0.2.30] |
東京11R | オクトーバーS | [1.0.0.16] |
☆注目レース☆
赤富士S(3勝クラス、東京ダート2100m)
赤富士Sでの穴ぐさは[1.2.3.29](複勝率17.1%)で、複勝回収率は151%です。昨年はパルトネルラーフが11番人気で勝ち、近6年のうち5年で馬券に絡んでいます。
馬券圏内に入った6頭のうち5頭は偶数馬番で、同じく6頭のうち5頭はひと桁馬番です。準OPで③着以内に入った5頭のうち4頭は4~5歳で、同じく5頭のうち4頭は父か母父がサンデー系かミスプロ系だったので、そのようなタイプをマークしておきましょう。
☆注目レース☆
桂川S(3勝クラス、京都芝1200m)
桂川Sでの穴ぐさは[2.2.2.28](複勝率17.6%)で、複勝回収率は102%です。
③着以内に入った6頭は3~5歳で、1200m戦での5頭は父がサンデー系かミスプロ系です。その5頭は前走が京都以外で馬券圏外に敗れていましたが、プラス体重で巻き返しています。5頭のうち4頭は4角5番手以内からの激走なので、京都替わりで先行力のあるタイプをマークしておきましょう。
☆注目レース☆
北陸S(3勝クラス、新潟ダート1200m)
北陸Sでの穴ぐさは[3.2.1.16](複勝率27.3%)で、複勝回収率は116%です。
馬券に絡んだ6頭は5~8歳の牡セン馬で、6頭のうち5頭が5~6歳です。6頭の鞍上はすべて前走から乗り替わっていて、そのうち5頭は関東騎手でした。6頭のうち4頭は関西馬で、関東騎手が騎乗する関西馬を侮らない方が良さそうです。
☆注目レース☆
久多特別(2勝クラス、京都芝外1400m)
久多特別での穴ぐさは[1.4.3.18](複勝率30.8%)で、複勝回収率は141%です。穴ぐさのいた近6年すべてで馬券に絡む馬が出ています。
③着以内に入った穴ぐさは中6週以内の臨戦で、2014年以降の5頭は中1~2週でした。8頭のうち7頭は前走が馬券圏外でしたが、同じく8頭のうち7頭は近4走以内に③着以内の好走歴があったので、順調に使われている馬は2走前以前の着順も確認して臨むようにしましょう。
☆注目レース☆
稲光特別(1勝クラス、新潟芝直1000m)
稲光特別での穴ぐさは[2.1.2.10](複勝率33.3%)で、複勝回収率は116%です。穴ぐさのいた5年のうち4年で馬券に絡む馬が出ています。
馬券に絡んだ5頭はふた桁馬番で、5頭のうち4頭は3~4歳馬です。5頭は父か母父がサンデー系かミスプロ系で、いずれもダートでの出走歴があったので、そのようなタイプに注意しましょう。
☆注目レース☆
十日町特別(1勝クラス、新潟芝1400m)
十日町特別での穴ぐさは[0.1.1.13](複勝率13.3%)で、芝1400mに限ると[0.1.1.7](複勝率22.2%)で、複勝回収率は305%です。一昨年はキラービューティが10番人気で③着、昨年はメイショウシャチが15番人気で②着に食い込みました。
その2頭は馬番2~5番で、父か母父がサンデー系です。どちらも直線平坦の芝1400mで勝ったことがあったので、その実績がある馬は人気薄でも侮らない方が良さそうです。
☆注目レース☆
なでしこ賞(1勝クラス、京都ダート1400m)
なでしこ賞での穴ぐさは[1.2.1.11](複勝率26.7%)で、複勝回収率は180%です。
馬券圏内に入った4頭は父か母父がミスプロ系で、いずれも芝で⑥着以内に入ったことがありました。京都ダート1400mでの3頭は中3週以内の臨戦だったので、ミスプロ系を持つ馬で順調に使われている馬をマークしておきましょう。
■ちなみに…■
菊花賞での穴ぐさは[1.1.3.34]で、昨年は【C】評価だったユーキャンスマイルが③着に食い込みました。同馬を含めて過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が11頭います。
激走馬11頭のうち、中8週以内の臨戦ではなかったのは昨年の勝ち馬フィエールマン(3ヶ月半ぶり)だけで、前走が⑤着以下だったのは2年前の②着馬クリンチャー(前走がセントライト記念⑨着)だけです。父か母父がサンデー系ではなかったのは2014年③着のゴールドアクターだけで、間隔がある程度詰まっている父か母父がサンデー系で、前走④着以内の馬をマークすべきでしょう。
2012年以降の激走馬7頭は馬体重が436~488kgで、2016年以降に激走した5頭のうち4頭はノーザンファームの生産馬です。近10年での激走馬11頭のうち、馬体重が500kg以上だったのは2010年③着のビートブラック(510kg)だけなので、大きすぎない馬が良いでしょう。
富士Sでの穴ぐさは[0.0.3.34]で、近10年での勝ち馬はすべて1~6番人気です。近10年で7番人気以下で③着以内に入った馬は9頭で、そのうち8頭が11~15番人気だったので、かなりの人気薄までチェックすべきレースと言えます。
激走した9頭のうち8頭は芝1600m重賞で③着以内に入ったことがあり、同じく9頭のうち8頭は左回りで勝ったことがあり、7頭は東京競馬場での勝利実績がありました。4歳以上で激走した7頭のうち5頭は芝1600mを1分32秒台で勝ったことがあったので、高速決着での実績の有無を確認しておくと良さそうです。