穴ぐさ傾向と対策
それでもチャンピオンズCも前走好走馬が勝つ!?
先週(11月23日~24日)の穴ぐさは[0.5.2.74](複勝率8.6%)で、京阪杯で【A】評価だったカラクレナイが③着に入りました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!
ジャパンCは3番人気だったスワーヴリチャードが内枠(3枠5番)を活かして内を立ち回り、2度目のG1制覇を果たしましたね。スワーヴリチャードはノーザンファーム生産で、これで今年のJRAの芝G1での同牧場生産馬は18戦15勝となりました。
今週末のG1はダートのチャンピオンズCで、今年の残る芝G1は4レース(阪神JF、朝日杯FS、有馬記念、ホープフルS)です。ノーザンファーム生産馬はどこまで勝利数を伸ばすでしょうか。
今週末のチャンピオンズCの登録馬は20頭で、そのうちノーザンファーム生産馬は5頭(ウェスタールンド、クリソベリル、ゴールドドリーム、サトノティターン、チュウワウィザード)です。今年のフェブラリーSではゴールドドリームが②着に入りましたが(ノーザンファームの生産馬は1頭だった)、その雪辱をチャンピオンズCで果たせるでしょうか。
フェブラリーSを制したのは1番人気のインティでしたが、今秋のJRAダート重賞は、シリウスS(6番人気のロードゴラッソが優勝)、みやこS(7番人気のヴェンジェンスが優勝)、武蔵野S(9番人気のワンダーリーデルが優勝)と、波乱の決着が続いています。
今年、JRAのダート重賞は13レースが行われていて、そのうち1番人気が勝利したのは3レースです(最後に優勝したのは5月の平安Sでのチュウワウィザード)。最近の荒れっぷりを見ると、チャンピオンズCも波乱の決着が起きて不思議ない気がしてきますが、どうですかね?
ただ、最近のダート重賞を人気薄で制した馬も、実は前走着順は悪くなかったタイプが多いので、その傾向は覚えておいた方が良いかと思われます。
【2019年の古馬混合のJRAダート重賞】
前走着順 | 着別度数 |
前走①着 | [6.4.1.27] |
前走②着 | [2.2.4.10] |
前走③着 | [2.0.1.13] |
前走④着 | [1.1.3.13] |
前走⑤着 | [0.1.0.9] |
前走⑥着以下 | [0.3.2.60] |
今年、JRAでの古馬混合ダート重賞は11レースが行われ、勝利した馬は前走が①~④着でした。11頭のうち10頭は前走③着以内で、前走で好走していながらそれほど人気がなかった馬も目立つんですよね。
また、その11レースでは勝ち馬が出ている枠順にも特徴があり、7~8枠に入った馬は勝てていません。
【2019年の古馬混合のJRAダート重賞】
枠順 | 着別度数 |
1枠 | [1.1.2.13] |
2枠 | [0.2.2.14] |
3枠 | [1.3.1.16] |
4枠 | [5.0.2.15] |
5枠 | [2.2.0.18] |
6枠 | [2.1.1.18] |
7枠 | [0.1.2.19] |
8枠 | [0.1.1.20] |
優勝した11頭は1~6枠で、3~6枠だった馬が10頭と多くなっています。
チャンピオンズCが中京ダート1800mで行われるようになってから今年で6年目で、過去5回の優勝馬はいずれも前走⑤着以内で(5頭のうち4頭は前走④着以内)、ひと桁馬番(1~5枠)でした。波乱の決着が続いているダート重賞路線ですが、それでも、チャンピオンズCを勝つのも前走④着以内で真ん中から内枠に入った馬になるんじゃないか、という気がします。どうしょう!?
11月30日~12月1日に行われる3場(中山、阪神、中京)の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
11月30日~12月1日
場所 | 芝 |
中山 | Aコース・1週目 |
阪神 | Aコース・1週目 |
中京 | Aコース・1週目 |
11月30日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
中山9R | 葉牡丹賞 | [2.2.2.16] |
中山10R | 鹿島特別 | [1.2.2.27] |
中山11R | ステイヤーズS | [1.3.2.27] |
阪神9R | 再度山特別 | [0.0.0.2] |
阪神10R | 御影S | [0.2.2.13] |
阪神11R | チャレンジC | [2.2.0.24] |
中京10R | こうやまき賞 | [0.0.0.2] |
中京11R | 犬山特別 | [1.3.2.24] |
中京12R | 長良川特別 | [2.1.2.24] |
12月1日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
中山9R | 南総S | [1.0.1.15] |
中山10R | 市川S | [3.1.5.22] |
中山11R | ラピスラズリS | [0.2.1.24] |
阪神9R | 万両賞 | [1.2.0.2] |
阪神10R | 猪名川特別 | [0.0.2.8] |
阪神11R | 逆瀬川S | [0.0.1.6] |
中京9R | 桑名特別 | [2.0.2.27] |
中京10R | 名古屋日刊スポーツ杯 | [1.1.3.20] |
中京11R | チャンピオンズC | [1.2.5.31] |
中京12R | 鳴海特別 | [1.1.1.22] |
☆注目レース☆
チャンピオンズC(G1、中京ダート1800m)
チャンピオンズC&JCダートでの穴ぐさは[1.2.5.31](複勝率20.5%)で、複勝回収率は120%です。昨年のチャンピオンズCでは【A】評価だったウェスタールンドが②着に食い込みました。
チャンピオンズC&JCダートで馬券に絡んだ穴ぐさ(8頭)は中4週以内の臨戦で、そのうち6頭は5~7歳の牡セン馬です。中京でのチャンピオンズCでは3頭が激走していて、いずれも偶数馬番でした。
近10年のチャンピオンズC&JCダートでは7番人気以下で③着以内に入った馬が10頭いて、いずれも前走がダートOPで、中7週以内の臨戦でした。10頭のうち7頭は前走が③着以内で、例外の3頭は前走がダート重賞で2~3番人気でした。
激走馬10頭はすべて父がサンデー系かミスプロ系で、母父はサンデー系かミスプロ系かノーザンダンサー系です。チャンピオンズCで激走した馬は6頭で、そのうち5頭はひと桁馬番で、例外の1頭は直線で内を捌いて差し込んだ昨年のウェスタールンド(7枠12番)です。距離ロスを抑えて走れそうな馬が良いでしょう。
☆注目レース☆
御影S(3勝クラス、阪神ダート1400m)
御影Sでの穴ぐさは[0.2.2.13](複勝率23.5%)で、複勝回収率は134%です。
馬券圏内に入った4頭は父がサンデー系かミスプロ系で、4頭のうち3頭は母父もサンデー系かミスプロ系です。4頭は3~5歳馬で、馬番8番以内だったので、真ん中から内枠に入ったタイプが侮れないでしょう。
☆注目レース☆
葉牡丹賞(1勝クラス、中山芝2000m)
葉牡丹賞での穴ぐさは[2.2.2.16](複勝率27.3%)で、複勝回収率は158%です。一昨年はアサギリジョーが8番人気で③着、昨年はシークレットランが7番人気で優勝しました。
③着以内に入った6頭のうち5頭は中3週以内の臨戦で、同じく6頭のうち5頭はひと桁馬番でした。2010年以降の5頭は前走が芝1800~2000mで、そのうち4頭は前走で③着以内に好走していたので、未勝利勝ち直後の馬も含めて前走が中距離で好走しているタイプを侮らないようにしましょう。
■ちなみに…■
ステイヤーズSでの穴ぐさは[1.3.2.27]で、チャレンジCでは[2.2.0.24]です。過去10年で7番人気以下で③着以内に入った馬は、ステイヤーズSが5頭、チャレンジCが7頭です。
ステイヤーズSで激走した5頭はすべて6歳以上の牡セン馬で、そのうち3回はトウカイトリックによるものです。トウカイトリックは父の母父がサドラーズウェルズで、激走した馬はいずれも4代血統表内にサドラーズウェルズかニジンスキーを持っていました。スタミナ豊富な血脈を持つ馬は、高齢であってもマークしておくべきでしょう。
チャレンジCで激走した7頭のうち6頭は芝1800mの時で、2000mで激走した1頭は9月施行時(2011年)です。7頭のうち6頭は近3走以内に芝で連対歴がありましたが、芝重賞で③着以内に入ったことがあった馬は3頭だけです。重賞実績よりも近走での勢いに注目すると良さそうです。