穴ぐさ傾向と対策
朝日杯FSも1番人気は危ない!?
先週(12月7日~8日)の穴ぐさは[8.7.5.99](複勝率16.8%)で、単勝回収率が176%でした。阪神JFでは【A】評価だったマルターズディオサが②着に入り、カペラSでは【B】評価だったシュウジが③着となりました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!
今年の重賞での穴ぐさは、評価別の成績が次のようになっています。
【2019年の重賞での穴ぐさ】
評価 | 着別度数 | 複勝率 |
A | [4.7.10.89] | 19.1% |
B | [4.5.4.96] | 11.9% |
C | [3.2.4.100] | 8.3% |
複勝率は【A】>【B】>【C】の順になっていて、9月以降の重賞で馬券に絡んだ穴ぐさはすべて【A】か【B】です。今週末は朝日杯FSとターコイズSがありますから、どうぞ参考にしてみてください。
朝日杯FSが行われる阪神芝での重賞では、今年、穴ぐさが[2.5.2.36](複勝率20.0%)という成績で、複勝回収率が118%となっています。今年の阪神芝重賞での穴ぐさは、評価別の成績が次の通りです。
【2019年の阪神芝重賞での穴ぐさ】
評価 | 着別度数 | 複勝率 |
A | [1.4.2.8] | 46.7% |
B | [1.0.0.14] | 6.7% |
C | [0.1.0.14] | 6.7% |
実は【A】評価の馬と【B】&【C】評価の馬とでは、成績に大きな違いがあるんですよね。ということで、朝日杯FSの穴ぐさも、まずは【A】評価の馬に注目でしょうか。
それにしても、阪神JFでのレシステンシアは強烈な強さでしたね。1分32秒7というレコードで5馬身差を付けたんですから、4番人気ではありましたが、かなりの能力の持ち主だったということでしょう。
そして、リアアメリアが単勝1.8倍の1番人気で⑥着に敗れたものの、勝利したのはノーザンファーム生産馬(レシステンシア)ということで、改めて同牧場の生産馬の強さを見せつけられた思いもしました。
阪神JFでのレシステンシアは2枠4番で、今年のJRA平地G1での成績をノーザンファーム生産馬を中心に表すと次のようになります。
【2019年のJRA平地G1】
枠順 | ノーザンファーム生産の 1~3番人気 |
ノーザンファーム生産の 4番人気以下 |
ノーザンファーム以外 の生産馬 |
1枠 | [2.1.1.3] | [0.0.0.3] | [1.2.1.22] |
2枠 | [0.0.2.4] | [2.0.1.10] | [1.1.4.13] |
3枠 | [4.1.0.2] | [3.0.1.7] | [0.1.0.21] |
4枠 | [1.0.0.2] | [0.1.0.14] | [2.4.2.15] |
5枠 | [0.0.0.3] | [0.1.1.9] | [0.4.1.23] |
6枠 | [1.1.1.2] | [0.0.1.10] | [0.0.0.26] |
7枠 | [2.0.3.1] | [0.1.0.12] | [0.1.1.31] |
8枠 | [2.0.0.2] | [0.1.1.14] | [0.1.0.32] |
ノーザンファーム生産馬は、今年のJRA平地G1で21戦17勝です。その17勝のうち12勝が1~3番人気によるもので、4番人気以下で優勝した5頭は2~3枠です。ノーザンファーム以外の生産馬で勝利した4頭は1~4枠で、もう読み飽きたかもしれませんが(笑)、今年のJRAの平地G1は、ノーザンファーム生産の上位人気馬か、内目の枠の馬が勝っているということです。
今週末の朝日杯FSでは、ノーザンファームの生産馬は5頭が登録していて、サリオス、タイセイビジョン、ペールエール、レッドベルジュールは上位人気の可能性がありそうです。先週時にお伝えしましたが、今年の2歳芝重賞でのノーザンファーム生産馬は、ひと桁馬番の馬が勝っているので、朝日杯FSもそれを参考にすると良いかもしれません。
【2019年の2歳芝重賞でのノーザンファーム生産馬】
馬番 | 着別度数 |
ひと桁馬番 | [7.4.5.12] |
ふた桁馬番 | [0.1.0.6] |
阪神JFでリアアメリアが8枠15番に入ったのを見て、正直なところ、このデータは覆されるだろうと思ったのですが、優勝したのは2枠4番のレシステンシアで、勝ち馬はまたもひと桁馬番から現れました。朝日杯FSでのノーザンファーム生産馬はどんな枠順となるでしょうかね。
先週のこのコーナーでは、実は、ひとつだけ伝えることを控えたデータがありました。今年の阪神芝重賞での1番人気に関するデータです。秋開催時に記載したもので、1番人気は多頭数のレースだと馬券圏外に敗れているという内容です。改めてご覧ください。
【2019年の阪神芝重賞での1番人気】
頭数 | レース | 1番人気 | 着順 |
8頭 | 神戸新聞杯 | サートゥルナーリア | ① |
9頭 | 鳴尾記念 | メールドグラース | ① |
11頭 | 阪神大賞典 | シャケトラ | ① |
12頭 | 宝塚記念 ローズS チャレンジC |
キセキ ダノンファンタジー ギベオン |
② ① ⑨ |
13頭 | チューリップ賞 毎日杯 セントウルS |
ダノンファンタジー ヴァンドギャルド タワーオブロンドン |
① ③ ① |
14頭 | 大阪杯 阪神牝馬S |
ブラストワンピース ラッキーライラック |
⑥ ⑧ |
16頭 | マーメイドS 阪神JF |
センテリュオ リアアメリア |
④ ⑥ |
18頭 | 阪急杯 フィリーズレビュー 桜花賞 アーリントンC |
ミスターメロディ アウィルアウェイ ダノンファンタジー フォッサマグナ |
⑦ ⑦ ④ ⑯ |
今年の阪神芝重賞での1番人気は、13頭立て以下だと[6.1.1.1]ですが、14頭立て以上だと[0.0.0.8]です。阪神JFのリアアメリアはこのデータを覆すんじゃないかと思っていたんですが、継続されてしまったんですよね……。
今週末の朝日杯FSは多頭数となりそうで、そうなると1番人気馬にとってはイヤなデータと言えるでしょう。果たしてどんな結末となるでしょうか。
12月14日~15日に行われる3場(中山、阪神、中京)の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
12月14日~15日
場所 | 芝 |
中山 | Aコース・3週目 |
阪神 | Aコース・3週目 |
中京 | Aコース・3週目 |
12月14日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
中山9R | ひいらぎ賞 | [3.4.4.26] |
中山10R | 香取特別 | [1.0.1.25] |
中山11R | ターコイズS | [1.1.2.30] |
阪神9R | さざんか賞 | [1.0.0.2] |
阪神10R | 蛍池特別 | 出走ナシ |
阪神11R | タンザナイトS | [1.1.0.10] |
中京10R | 豊川特別 | [1.0.2.12] |
中京11R | 三河S | [0.2.1.26] |
中京12R | 中京日経賞 | [1.1.2.28] |
12月15日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
中山9R | 舞浜特別 | [0.1.0.28] |
中山10R | 北総S | [0.1.2.30] |
中山11R | ディセンバーS | [0.1.1.22] |
阪神9R | 北摂特別 | [0.2.0.6] |
阪神10R | 元町S | [0.2.2.18] |
阪神11R | 朝日杯FS | [1.4.1.38] |
阪神12R | 高砂特別 | [1.1.2.18] |
中京10R | 寒椿賞 | [1.0.0.7] |
中京11R | 浜松S | [1.0.1.19] |
中京12R | 尾張特別 | [2.1.1.12] |
☆注目レース☆
ターコイズS(G3、中山芝1600m)
ターコイズSでの穴ぐさは[1.1.2.30](複勝率11.8%)で、重賞になってからは[1.1.1.9](複勝率25.0%)で、複勝回収率は216%です。昨年は【A】評価だったリバティハイツが10番人気で②着、【C】評価だったデンコウアンジュが13番人気で③着に入る【穴ぐさダブル】でした。
馬券圏内に入った穴ぐさ4頭はいずれも関西馬で、中9週以内の臨戦でした。4頭はすべて芝重賞での連対歴があり、そのうち3頭は芝重賞ウイナーだったので、実績ある関西馬は侮れないでしょう。
過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が11頭いて、OP特別だった頃の5頭は関東馬で、重賞になってからの6頭は関西馬です。重賞で激走した6頭は母系にニジンスキーかサドラーズウェルズかリアルシャダイを持っていたので、スタミナ豊富な血脈を持つタイプに要注意でしょう。
☆注目レース☆
元町S(3勝クラス、阪神芝外1600m)
元町Sでの穴ぐさは[0.2.2.18](複勝率18.2%)で、マイル戦に限ると[0.1.1.10](複勝率16.7%)です。昨年はメサルティムが8番人気で②着に食い込みました。
マイル戦で激走した2頭はノーザンファーム生産の3~4歳で、ディープインパクト産駒とディープブリランテ産駒です。どちらも直線に坂のあるU型の芝1800mで勝利実績があったので、1600mよりも長い距離で実績があると良さそうです。
☆注目レース☆
ひいらぎ賞(1勝クラス、中山芝1600m)
ひいらぎ賞での穴ぐさは[3.4.4.26](複勝率29.7%)で、複勝回収率は160%です。
③着以内に入った穴ぐさは、11頭のうち5頭が牡馬で、6頭が牝馬です。牝馬で激走した6頭のうち、09年以降の5頭は父サンデー系で、10年以降の4頭は前走でメンバー中3位以内の上がりを使っていました。
牡馬で激走した5頭は父がサンデー系以外で、母父がサンデー系という馬も1頭だけです。牡馬で激走した5頭のうち、前走でメンバー中3位以内の上がりを使っていたのは1頭だけなので、牡馬は持続力で勝負するタイプ、牝馬は決め手のある父サンデー系が狙い目となりそうです。
■ちなみに…■
朝日杯FSでの穴ぐさは[1.4.1.38]です。過去10年の同レースでは7番人気以下で③着以内に入った馬が7頭います。
激走した7頭は中5週以内の臨戦で、そのうち6頭は前走が芝1400~1800mの重賞でした。前走が⑤着以下だったのは昨年②着のクリノガウディー(前走⑦着)だけで、7頭のうち5頭は前走で③着以内に好走していました。
阪神施行となってからの激走馬は5頭で、すべてキャリア4戦以内の関西馬です。その5頭のうち4頭は前走で4角4番手以内の競馬をしていたので、前走で先行力を見せていた関西馬はマークしておきましょう。