穴ぐさ傾向と対策
金鯱賞なら斤量58kgも克服可能!?
先週(3月7日~8日)の穴ぐさは[2.6.4.105](複勝率10.3%)でした。重賞がチューリップ賞、オーシャンS、弥生賞と行われましたが、いずれも馬券圏内を1~4番人気が占める堅い決着となってしまいました。
今週末は重賞が4レースあり(中山牝馬S、ファルコンS、フィリーズレビュー、金鯱賞)、金鯱賞以外はハンデ戦と1400m戦ですからね。その3レースはフルゲートにもなりそうで、穴馬の台頭もあるのではないかと思っています。
先週のこのコーナーでは、昨年の芝G1で③着以内に好走した馬について、今年初戦の成績を載せました。チューリップ賞の①~③着馬(マルターズディオサ、クラヴァシュドール、レシステンシア)やオーシャンSのダノンスマッシュ、弥生賞のワーケアなどが該当したんですが、オーシャンSに出走したタワーオブロンドンも該当し、同馬は斤量58kgで③着に敗れる結果となりました。
改めて、昨年の芝G1で③着以内に好走した馬について、今年初戦の成績を振り返ってみましょう。
【2019年のJRA芝G1で①~③着があった馬の2020年成績】
斤量 | レース・着順・馬名(人気) | 馬体重 |
53kg | 京都記念②着カレンブーケドール(2) | 466kg(増減なし) |
54kg | チューリップ賞①着マルターズディオサ(4) チューリップ賞②着クラヴァシュドール(2) チューリップ賞③着レシステンシア(1) 京都記念①着クロノジェネシス(1) |
444kg(増減なし) 446kg(-6kg) 488kg(+4kg) 460kg(+12kg) |
55kg | 中山記念②着ラッキーライラック(2) 京都牝馬S⑦着シゲルピンクダイヤ(2) 京都金杯⑰着カテドラル(1) |
518kg(+11kg) 462kg(+4kg) 494kg(+4kg) |
56kg | 弥生賞②着ワーケア(1) 1勝クラス②着グランレイ(2) オーシャンS①着ダノンスマッシュ(1) 中山記念①着ダノンキングリー(1) きさらぎ賞⑧着グランレイ(2) 東京新聞杯①着プリモシーン(4) 東京新聞杯⑫着ケイデンスコール(9) シルクロードS④着モズスーパーフレア(2) |
494kg(+2kg) 458kg(増減なし) 478kg(+4kg) 458kg(+6kg) 458kg(+6kg) 504kg(+8kg) 468kg(-6kg) 494kg(-6kg) |
57kg | 中山記念⑤着ペルシアンナイト(5) 小倉大賞典⑨着ヴェロックス(1) |
502kg(+8kg) 490kg(-4kg) |
58kg | オーシャンS③着タワーオブロンドン(2) 中山記念④着インディチャンプ(4) シルクロードS⑤着セイウンコウセイ(10) |
520kg(+6kg) 478kg(+16kg) 504kg(+12kg) |
斤量57kg以上で馬券圏内に入ったのは先週のタワーオブロンドンだけで、ダノンスマッシュやマルターズディオサなど①着となった5頭は馬体重が前走と同じかプラス体重でした。
今週末は金鯱賞にサートゥルナーリアが出走予定となっています。金鯱賞の登録頭数は13頭で、サートゥルナーリアの実績は断然上位ですが、斤量58kgを背負って今年初戦を勝利で飾れるでしょうか。
ちなみに、京都で行われた時(2010~11年)も含めて近10年の金鯱賞での1番人気は、斤量が56kg以下だと[0.0.1.3]で、57~58kgだと[5.1.0.0]なんですよね。斤量58kgではルーラーシップが2011年(京都)に優勝しています。金鯱賞での1番人気なら重斤量も克服可能なのかもしれません。
一方、今週末は3歳重賞が2レース(ファルコンS、フィリーズレビュー)あります。先週は3歳重賞がチューリップ賞と弥生賞の2レースで、どちらも1番人気馬は勝てず、1枠1番だった馬が連対圏に入りました。今年の3歳重賞は、相変わらず1番人気が勝てず、中央馬の中で最内枠だった馬が連対する流れが続いていますので、改めてご覧いただきましょう。
【2020年の3歳重賞】
レース 月日 |
①着 ②着 ③着 |
枠順 | 人気 |
弥生賞 3月8日 |
①着サトノフラッグ ②着ワーケア ③着オーソリティ |
1枠1番 7枠8番 8枠10番 |
2 1 3 |
チューリップ賞 3月7日 |
①着マルターズディオサ ②着クラヴァシュドール ③着レシステンシア |
8枠13番 1枠1番 3枠4 |
4 2 1 |
共同通信杯 2月16日 |
①着ダーリントンホール ②着ビターエンダー ③着フィリオアレグロ ④着マイラプソディ |
6枠6番 2枠2番 7枠7番 8枠8番 |
3 4 2 1 |
クイーンC 2月15日 |
①着ミヤマザクラ ②着マジックキャッスル ③着セイウンヴィーナス ⑩着ルナシオン |
1枠1番 6枠9番 4枠5番 3枠3番 |
2 4 12 1 |
きさらぎ賞 2月9日 |
①着コルテジア ②着ストーンリッジ ③着アルジャンナ |
1枠1番 7枠7番 8枠8番 |
7 4 1 |
京成杯 1月19日 |
①着クリスタルブラック ②着スカイグルーヴ ③着ディアスティマ |
1枠1番 8枠12番 6枠7番 |
7 1 6 |
フェアリーS 1月13日 |
①着スマイルカナ ②着チェーンオブラブ ③着ポレンティア ⑥着アヌラーダプラ |
1枠1番 4枠8番 3枠5番 6枠11番 |
3 7 5 1 |
シンザン記念 1月12日 |
①着サンクテュエール ②着プリンスリターン ③着コルテジア ⑦着ルーツドール |
1枠1番 6枠6番 3枠3番 8枠9番 |
2 5 9 1 |
今年は3歳重賞が8レース行われ、1番人気は[0.2.2.4]です。それに対して、中央馬の中で最内枠だった馬は[6.2.0.0]とパーフェクト連対を継続中で、弥生賞はサトノフラッグが優勝しました。今年のファルコンSとフィリーズレビューはどちらも登録馬がすべて中央馬ですから、やはり1枠1番の馬は見逃せないところでしょう。
なお、昨年のフィリーズレビューは1枠1番だったノーワンが12番人気ながら勝利し(①着同着)、ファルコンSでの1枠1番は2015年にタガノアザガルが14番人気で優勝しています。1枠1番は、かなりの人気薄でも、気を配っておいた方が良いように思われますが、どうでしょう?
今週末も中山、阪神、中京の3場開催ですが、中京芝はBコースに変更となるのでご注意ください。3月14日~15日に行われる3場(中山、阪神、中京)の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
3月14日~15日
場所 | 芝 |
中山 | Aコース・3週目 |
阪神 | Aコース・3週目 |
中京 | Bコース・1週目 |
3月14日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
中山9R | 山桜賞 | [0.0.0.1] |
中山10R | 房総特別 | [0.0.4.24] |
中山11R | 中山牝馬S | [1.3.4.31] |
阪神9R | ゆきやなぎ賞 | [0.0.0.3] |
阪神10R | 心斎橋S | [1.2.1.27] |
阪神11R | ポラリスS | [1.3.3.25] |
中京10R | 熱田特別 | [1.2.3.22] |
中京11R | ファルコンS | [0.3.3.32] |
中京12R | 瀬戸特別 | [3.0.2.23] |
3月15日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
中山9R | スピカS | [1.0.2.10] |
中山10R | 東風S | [2.1.0.23] |
中山11R | アネモネS | [0.0.1.34] |
阪神9R | 淡路特別 | [0.0.1.10] |
阪神10R | 甲南S | [1.3.2.22] |
阪神11R | フィリーズレビュー | [4.2.1.28] |
中京10R | 沈丁花賞 | [1.1.1.20] |
中京11R | 金鯱賞 | [0.4.1.27] |
中京12R | 賢島特別 | [2.4.3.20] |
☆注目レース☆
フィリーズレビュー(G2、阪神芝1400m)
フィリーズレビューでの穴ぐさは[4.2.1.28](複勝率20.0%)で、複勝回収率は155%です。馬券圏内に激走した穴ぐさは、父か母父がサンデー系かミスプロ系で、その7頭のうち6頭は中5週以内の臨戦でした。
過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が9頭いて、3頭は4角3番手以内に付けての粘り込み、6頭は4角7番手以下からの差し込みです。先行して激走した3頭はいずれも偶数馬番で、差して激走した6頭のうち5頭は馬番10番以内でした。
9頭のうち8頭は中5週以内の臨戦で、その8頭のうち7頭はマイナス体重だったので、順調に使われて絞れてきているタイプが狙い目になりそうです。9頭はいずれも1400m戦への出走歴があり、7頭は1400mでの連対歴があったので、1400m実績をチェックして臨むと良いでしょう。
☆注目レース☆
中山牝馬S(G3、中山芝1800m)
中山牝馬Sでの穴ぐさは[1.3.4.31](複勝率20.5%)で、複勝回収率は162%です。③着以内に入った穴ぐさは中8週以内の臨戦で、その8頭のうち中山での激走馬6頭は馬番10番以内でした。
過去10年で7番人気以下で③着以内に入った馬は13頭いて、いずれも中8週以内の臨戦で、5歳以上の馬が10頭と多くなっています。中山で激走した10頭のうち9頭は3代血統表内にグレイソヴリン系かボールドルーラー系かロベルト系を持っていたので、重い芝でもパワーを発揮できそうな血統馬をマークしておきましょう。
中山で激走した10頭のうち8頭は馬場を1周する1800mで勝利実績があったので、O型の1800mでの戦績を確認しておくと良いでしょう。
☆注目レース☆
ポラリスS(OP特別、阪神ダート1400m)
ポラリスSでの穴ぐさは[1.3.3.25](複勝率21.9%)で、複勝回収率は114%です。一昨年はタガノエスプレッソが9番人気で②着、昨年はバイラが7番人気で③着に入りました。
馬券に絡んだ穴ぐさは父か母父がミスプロ系かノーザンダンサー系で、7頭のうち6頭は前走が掲示板外でしたが、その6頭のうち5頭は2~3走前に③着以内の好走歴がありました。7頭のうち4頭はダートOPで馬券に絡んだ実績があったので、地力のある馬は前走着順だけで見限らないように注意しましょう。
☆注目レース☆
甲南S(3勝クラス、阪神ダート2000m)
甲南Sでの穴ぐさは[1.3.2.22](複勝率21.4%)で、複勝回収率は123%です。
③着以内に入った穴ぐさは4~6歳の牡馬で、6頭のうち5頭は父か母父がロベルト系です。6頭は中3~5週の臨戦で、ダート2000mで馬券圏内に入った3頭はダート2000m以上での③着以内があったので、長距離実績のあるタイプを見逃さないようにしましょう。
☆注目レース☆
房総特別(2勝クラス、中山芝1200m)
房総特別での穴ぐさは[0.0.4.24](複勝率14.3%)で、複勝回収率は102%です。
馬券圏内に入った4頭の穴ぐさは4~5歳の牡馬で、父がサンデー系かミスプロ系です。4頭のうち3頭は馬体重が500kg以上で、同じく4頭のうち3頭は近2走以内に勝ち鞍を挙げていたので、そのようなタイプはマークしておきましょう。
☆注目レース☆
賢島特別(2勝クラス、中京芝1600m)
賢島特別での穴ぐさは[2.4.3.20](複勝率31.0%)で、複勝回収率は134%です。近4年連続で穴ぐさが馬券に絡んでいて、昨年は【B】評価だったメイショウモウコが9番人気で②着に入りました。
新装後の中京で③着以内に入った穴ぐさは6頭で、いずれも父か母父がサンデー系です。6頭のうち5頭は前走が馬券圏外でしたが、6頭の前走の上がり3Fタイムは32秒8~34秒8で、4頭は前走でメンバー中3位以内の上がりを計時していました。前走での上がりタイム(順位)をチェックして臨みましょう。
☆注目レース☆
熱田特別(1勝クラス、中京芝2000m)
熱田特別での穴ぐさは[1.2.3.22](複勝率21.4%)で、複勝回収率は162%です。
新装後の中京芝2000mで激走した穴ぐさは5頭で、父か母父がサンデー系です。5頭は父か母父がグレイソヴリン系かノーザンダンサー系でもあるので、サンデー系&グレイソヴリン系か、サンデー系&ノーザンダンサー系という配合馬をマークしておきましょう。
新装後の激走馬5頭は前走が掲示板外でしたが、そのうち4頭は前走が2000m以外で、3頭は前走が2200mでした。前走が2000m以外だった馬の巻き返しが期待できそうです。
■ちなみに…■
金鯱賞での穴ぐさは[0.4.1.27]で、ファルコンSでは[0.3.3.32]です。過去10年で7番人気以下で③着以内に入った馬は、金鯱賞は6頭、ファルコンSは8頭です。
金鯱賞で激走した6頭はいずれも②~③着で、父か母父がサンデー系でした。凱旋門賞(⑯着)帰りだった一昨年のサトノノブレス(②着)以外の5頭は前走④着以内で、2013年以降の激走馬5頭は馬体重が490kg以上でした。前走で掲示板に載っていた大型馬が侮れないでしょう。
ファルコンSでの激走馬8頭のうち、新装後の芝1400mでの激走馬は6頭で、その6頭はすべてひと桁馬番でした。6頭のうち父か母父がサンデー系の馬が2頭で、それら以外の4頭は父か母父がノーザンダンサー系でした。6頭のうち5頭は過去に左回りの1400mで④着以内に入ったことがあったので、キャリアの浅い3歳戦ですが、左回りの1400m実績は重要でしょう。