穴ぐさ傾向と対策
ヴィクトリアマイルの1番人気は惜敗続きを止められるか!?
先週(5月8日~9日)の穴ぐさは[8.8.10.89](複勝率22.6%)で、単勝回収率が110%、複勝回収率も110%でした。新潟大賞典では【B】評価だったサトノソルタスが7番人気で③着、NHKマイルCでは【A】評価だったソングラインが7番人気②着に入りました。馬券を獲ったみなさん、おめでとうございました!
NHKマイルCのソングラインは、枠順発表前に「5枠10番か、そうでなければ4枠8番に入って!」と願っていました。普段は、変な先入観を持たないようにするために、各馬の細かいチェックは枠順発表の後に行うようにしているんですが、今回のソングラインだけは内過ぎず外過ぎない偶数馬番に入ってほしくて……。本当に5枠10番となったので、ビックリしました。
レースでは、ソングラインがグレナディアガーズをパスして抜け出した時に勝ったと思ったんですが、さらにその後ろからソングラインを見るように進めていた馬がいましたね。シュネルマイスターの最後の末脚は圧巻でした。
シュネルマイスターはドイツ生まれですが、この馬もノーザンファームの生産で、②着ソングライン・③着グレナディアガーズもノーザンファーム生産馬で、いずれも騎手が継続騎乗でした。やはり芝1600mのG1は、このタイプに注目ということで、今週末のヴィクトリアマイルも要チェックでしょう。
改めて、今年のJRAの芝G1の勝ち馬と昨年以降のJRAの芝1600mのG1での勝ち馬を振り返りましょう。
【2021年のJRA芝G1】
レース | 優勝馬 | 人気 | 枠順 | 前走 | 生産 |
NHKマイルC | シュネルマイスター | 2 | 7枠15番 | 弥生賞②着 | Northern Farm(独) |
天皇賞・春 | ワールドプレミア | 3 | 1枠1番 | 日経賞③着 | ノーザンファーム |
皐月賞 | エフフォーリア | 2 | 4枠7番 | 共同通信杯①着 | ノーザンファーム |
桜花賞 | ソダシ | 2 | 2枠4番 | 阪神JF①着 | ノーザンファーム |
大阪杯 | レイパパレ | 4 | 6枠8番 | チャレンジC①着 | ノーザンファーム |
高松宮記念 | ダノンスマッシュ | 2 | 7枠14番 | 香港スプリント①着 | ケイアイファーム |
【2020年以降のJRAの芝1600mのG1】
レース | 優勝馬 | 生産 |
2021年NHKマイルC | シュネルマイスター | Northern Farm(独) |
2021年桜花賞 | ソダシ | ノーザンファーム |
2020年朝日杯FS | グレナディアガーズ | ノーザンファーム |
2020年阪神JF | ソダシ | ノーザンファーム |
2020年マイルCS | グランアレグリア | ノーザンファーム |
2020年安田記念 | グランアレグリア | ノーザンファーム |
2020年ヴィクトリアマイル | アーモンドアイ | ノーザンファーム |
2020年NHKマイルC | ラウダシオン | 白老ファーム |
2020年桜花賞 | デアリングタクト | 長谷川牧場 |
今年のJRAの芝G1は、大阪杯のレイパパレ以降はノーザンファーム(Northern Farm)の生産馬の優勝が続いていて、勝ち馬6頭は2~4番人気でした。JRAの芝1600mのG1ということでは、昨年のヴィクトリアマイル(アーモンドアイ)以降はノーザンファーム(Northern Farm)の生産馬が7連勝中です。
先週にこのコーナーでお伝えした通り、昨年以降のJRAの芝1600mのG1では、ノーザンファームの生産馬は騎手が継続騎乗したタイプがよく好走しています。
【2020年以降のJRAの芝1600mのG1でのノーザンファーム生産馬】
人気 | 着別度数 |
1番人気 | [3.4.2.0] |
2番人気 | [2.2.1.3] |
3番人気 | [1.1.0.5] |
4番人気 | [0.0.0.7] |
5番人気 | [0.0.2.4] |
6番人気以下 | [1.1.2.29] |
【2020年以降のJRAの芝1600mのG1でのノーザンファーム生産馬】
騎手 | 着別度数 |
継続騎乗 | [7.6.5.24] |
乗り替わり | [0.2.2.24] |
この表はシュネルマイスター(独・Northern Farm生産)も含んでいます。騎手が継続騎乗したノーザンファーム生産馬は、昨年のヴィクトリアマイルで①&③着、昨年の安田記念で①&②&③着、昨年のマイルCSで①&②&③着、昨年の阪神JFで①&②着、昨年の朝日杯FSで①&②&③着、今年の桜花賞で①&②着、今年のNHKマイルCで①&②&③着です。ヴィクトリアマイルもこのタイプを中心に考えるべきでしょう。
今年のヴィクトリアマイルにはグランアレグリアが出走予定で、同馬はノーザンファームの生産で、ルメール騎手が継続騎乗の予定ですから、安泰と思っている人も多いのでしょうね。ただ、ちょっと気になるというか、今年の東京芝の重賞で1番人気馬が勝てていないことが引っ掛かるんですよね。
【2021年の東京芝重賞での勝ち馬と1番人気馬】
レース | 勝ち馬(人気) | 1番人気馬(着順) |
NHKマイルC | シュネルマイスター(2) | グレナディアガーズ(③着) |
青葉賞 | ワンダフルタウン(3) | キングストンボーイ(②着) |
フローラS | クールキャット(5) | オヌール(⑧着) |
ダイヤモンドS | グロンディオーズ(7) | オーソリティ(②着) |
共同通信杯 | エフフォーリア(4) | ステラヴェローチェ(⑤着) |
クイーンC | アカイトリノムスメ(2) | ククナ(③着) |
東京新聞杯 | カラテ(5) | ヴァンドギャルド(④着) |
東京芝での重賞は今年7レースが行われ、勝ち馬の7頭のうち6頭は5番人気以内ですが、1番人気馬は[0.2.2.3]と未勝利です。1番人気の7頭は単勝オッズが2.3倍以上で、そのうち4頭は単勝オッズが3倍台だったので、グランアレグリアが圧倒的な支持を集めれば違うのかもしれませんが……。
ちなみに、東京芝のG1での1番人気ということであれば、昨年以降に限ると[5.2.1.0]で馬券圏外になった馬がいないというデータもあります。連外になったのも先週のNHKマイルCでのグレナディアガーズ(③着)だけで、安定した成績を残しているので、おそらく1番人気のグランアレグリアも突き抜けられるかどうかが焦点になってくるんじゃないでしょうか。
東京芝は今週末からBコースに替わるので、ご注意ください。5月15日~16日に行われる東京、中京、新潟の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
5月15日~16日
場所 | 芝 |
東京 | Bコース・1週目 |
中京 | Aコース・2週目 |
新潟 | Bコース・6週目 |
5月15日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 日吉特別 | [1.0.3.29] |
東京10R | 緑風S | [2.1.2.14] |
東京11R | 京王杯SC | [2.1.2.36] |
中京9R | あずさ賞 | [0.0.0.6] |
中京10R | 遠州灘S | [0.1.0.6] |
中京11R | 都大路S | [1.1.1.28] |
新潟10R | わらび賞 | [0.2.3.22] |
新潟11R | 八海山S | [1.0.2.35] |
新潟12R | 胎内川特別 | [0.1.2.20] |
5月16日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | テレ玉杯 | [1.0.2.14] |
東京10R | 青竜S | [1.0.1.12] |
東京11R | ヴィクトリアマイル | [2.2.4.34] |
東京12R | BSイレブン賞 | [0.2.0.22] |
中京9R | 寒狭川特別 | [0.0.1.8] |
中京10R | 朱雀S | [3.1.3.29] |
中京11R | 栗東S | [1.2.2.35] |
新潟10R | 春日山特別 | [1.0.0.5] |
新潟11R | 弥彦S | [0.1.2.19] |
新潟12R | 中ノ岳特別 | [1.2.0.31] |
☆注目レース☆
ヴィクトリアマイル(G1、東京芝1600m)
ヴィクトリアマイルでの穴ぐさは[2.2.4.34](複勝率19.0%)で、複勝回収率は132%です。昨年は1~5番人気が馬券圏内を占める結果だったので、今年は穴馬の台頭があってほしいところです。
過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が11頭いて、いずれも前走が芝重賞で、7頭は前走で⑤着以内に入っていて、それ以外の4頭のうち3頭は前走が5番人気以内でした。前走が6番人気以下で⑥着以下だったのは、前年優勝のホエールキャプチャ(13年②着)で、前走⑤着以内か前走5番人気以内の馬、もしくはヴィクトリアマイルの前年以前の好走馬に注目すべきでしょう。
2015年以降に激走した8頭は前走が4角5番手以内の競馬をしていて、5代血統表内にサドラーズウェルズかフェアリーキングかダンシングブレーヴかニジンスキーを持っていました。底力のありそうな血脈を持つ先行型に要注意ですね。
☆注目レース☆
緑風S(3勝クラス、東京芝2400m)
緑風Sでの穴ぐさは[2.1.2.14](複勝率26.3%)で、複勝回収率は181%です。
馬券圏内に入った5頭の穴ぐさは4~6歳の牡馬で、いずれも左回りの芝で勝利実績がありました。5頭のうち4頭は前走が馬券圏外でしたが、その4頭は2~4走前に③着以内があったので、近走に好走歴があるタイプを狙うのが良さそうです。5頭のうち4頭は芝2400mで勝ち鞍があったので、距離実績も確認して臨みましょう。
☆注目レース☆
朱雀S(3勝クラス、中京芝1200m)
朱雀Sでの穴ぐさは[3.1.3.29](複勝率19.4%)で、複勝回収率は123%です。昨年はバーニングペスカが9番人気で②着に食い込みました。今年は中京芝1200mでの施行ですが、相性の良さを見せたいところです。
馬券に絡んだ7頭の穴ぐさのうち、2015年以降の5頭は中10週以上の休み明けでした。そのうち1頭は休み明けが初めてでしたが、残りの4頭のうち3頭は休み明けでの連対実績があったので、間隔が開いていたタイプが侮れなさそうです。7頭は前走時と騎手が異なっていて、4頭の鞍上は過去にも騎乗歴がなかったので、騎手との相性はあまり気にしなくても良さそうです。
☆注目レース☆
わらび賞(1勝クラス、新潟ダート1800m)
わらび賞での穴ぐさは[0.2.3.22](複勝率18.5%)で、複勝回収率は108%です。
③着以内に入った5頭の穴ぐさは中4週以内での臨戦で、前走が右回りでした(5頭のうち4頭は前走が掲示板外)。5頭のうち4頭は2~3走前に左回りで③着以内に入っていたので、左回り実績馬に妙味がありそうです。2010年以降の4頭は偶数馬番だったので、迷ったら偶数馬番の馬の評価を上げてもいいかもしれません。
■ちなみに…■
京王杯SCでの穴ぐさは[2.1.2.36]です。過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が8頭います。
激走した8頭のうち7頭は父か母父がノーザンダンサー系で、2014年以降の6頭はいずれも母父がノーザンダンサー系です。その6頭は前走がOPで、6頭のうち5頭は前走が芝重賞で、同じく6頭のうち5頭は前走が芝1600mでした。8頭は中6週以内の臨戦で、2014年以降の6頭のうち5頭は馬番8番より外枠だったので、順調さや枠順も加味して穴馬を選出すると良さそうです。