穴ぐさ傾向と対策
安田記念の父ディープインパクト系で狙い目なのは?
先週(5月29日~30日)の穴ぐさは[0.4.5.77](複勝率10.5%)でした。葵Sで【A】評価だったオールアットワンスが③着に入ったものの、ダービーや目黒記念では貢献できず、申し訳ありませんでした。ダービーはレース上がりが33秒9、目黒記念は32秒8で、ペース判断が甘かったと反省しています。
ダービーは圧倒的1番人気だったエフフォーリアが直線で抜け出したところを、最後にシャフリヤールが交わして第88代ダービー馬に輝きましたね。シャフリヤールはアルアインの全弟ですが、ダービー挑戦時の兄が516kgだったのに対して今回の弟は444kgで、小柄な体型が兄以上の切れ味を生み出しているのかもしれませんね。
今週末は、東京での春G1の最後を飾る安田記念が行われます。昨年の覇者で前走のヴィクトリアマイルを圧勝したグランアレグリアが中心でしょうが、今年のNHKマイルCを制したシュネルマイスターやサリオス、ラウダシオン、インディチャンプなどが登録していて、フルゲート割れですが、今年も好メンバーとなりそうです。
先週のダービーまでに今年のJRAの芝G1は9レースが行われ、勝ち馬は次の通りです。
【2021年のJRA芝G1】
レース | 優勝馬 | 人気 | 枠順 | 前走 | 生産 |
日本ダービー | シャフリヤール | 4 | 5枠10番 | 毎日杯①着 | ノーザンファーム |
オークス | ユーバーレーベン | 3 | 5枠9番 | フローラS③着 | ビッグレッドファーム |
ヴィクトリアマイル | グランアレグリア | 1 | 3枠6番 | 大阪杯④着 | ノーザンファーム |
NHKマイルC | シュネルマイスター | 2 | 7枠15番 | 弥生賞②着 | Northern Farm(独) |
天皇賞・春 | ワールドプレミア | 3 | 1枠1番 | 日経賞③着 | ノーザンファーム |
皐月賞 | エフフォーリア | 2 | 4枠7番 | 共同通信杯①着 | ノーザンファーム |
桜花賞 | ソダシ | 2 | 2枠4番 | 阪神JF①着 | ノーザンファーム |
大阪杯 | レイパパレ | 4 | 6枠8番 | チャレンジC①着 | ノーザンファーム |
高松宮記念 | ダノンスマッシュ | 2 | 7枠14番 | 香港スプリント①着 | ケイアイファーム |
9レースのうち7レースでノーザンファーム(Northern Farm)の生産馬が優勝していますが、1番人気で優勝したのはヴィクトリアマイルのグランアレグリアだけで、8レースは2~4番人気馬が勝利しています。1番人気が意外に勝ち切れないのが今年の芝G1のトレンドとなっていますが、安田記念ではどうでしょうか。
ヴィクトリアマイルでのグランアレグリアは3枠6番という内目の枠でしたが、今春の東京芝1600mの特別競走において、4枠以内で勝利を収めたのは同馬だけとなっています。また、連対圏に入った馬は父ディープインパクト系の馬が多いので、その傾向をご覧ください。
【2021年4~5月の東京芝1600mの特別競走】
枠順 | 着別度数 |
1枠 | [0.0.2.6] |
2枠 | [0.0.0.8] |
3枠 | [1.0.0.7] |
4枠 | [0.1.1.6] |
5枠 | [1.1.0.6] |
6枠 | [0.1.0.8] |
7枠 | [2.1.1.9] |
8枠 | [1.1.1.10] |
【2021年4~5月の東京芝1600mの特別競走での連対馬】
月日 レース |
①着 ②着 |
父 |
5月29日 葉山特別 |
①着セリユーズ ②着レッドライデン |
ディープインパクト エイシンフラッシュ |
5月16日 ヴィクトリアマイル |
①着グランアレグリア ②着ランブリングアレー |
ディープインパクト ディープインパクト |
5月9日 NHKマイルC |
①着シュネルマイスター ②着ソングライン |
Kingman キズナ |
5月9日 湘南S |
①着ハーメティキスト ②着モンブランテソーロ |
ロードカナロア ダノンバラード |
5月1日 秩父特別 |
①着ピーエムピンコ ②着ショーヒデキラ |
リアルインパクト ディープブリランテ |
父欄のピンク色は父サンデー系ですが、いずれもディープインパクトの系統です。ちなみに、上記の10頭のうち9頭は母父がサンデー系以外で、例外のレッドライデンの母父はディープインパクトです。つまり、今春の東京芝1600mの特別競走において、父か母父がサンデー系で連対圏に入った馬(8頭)はいずれも父か母父がディープインパクトの系統だったということです。
この傾向を見ると、今年の安田記念も父か母父がディープインパクトの系統の馬、中でも真ん中から外の枠に入ったタイプが有力に思われます。今年の登録馬のうち、母父がディープインパクト系の馬はいないので、注目すべきは父ディープインパクト系の馬ですね。
今春の東京芝1600mの特別競走では、父ディープインパクト系の馬が[3.4.3.17](複勝率37.0%)という成績で、この27頭については次のようなデータがあります。
【2021年4~5月の東京芝1600mの特別競走での父ディープインパクト系の馬】
間隔 | 着別度数 |
中4週以内 | [0.1.3.5] |
中5週以上 | [3.3.0.12] |
【2021年4~5月の東京芝1600mの特別競走での父ディープインパクト系の馬】
馬体重 | 着別度数 |
マイナス体重 | [0.3.0.4] |
前走と同体重 | [0.0.0.2] |
プラス体重 | [3.1.3.11] |
連対圏に入った7頭のうち6頭は中5週以上での臨戦で、勝利を収めた3頭はプラス体重でした。
今年の安田記念に登録している父ディープインパクト系は6頭いて、そのうち4頭は中5週以上で、中4週以内になるのはグランアレグリア(中2週)とラウダシオン(中2週)なんですよね。グランアレグリアもラウダシオンも中2週という臨戦は初めてなので、間隔が詰まる点をクリアできるかがポイントになりそうです。
6月5日~6日に行われる東京、中京の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
6月5日~6日
場所 | 芝 |
東京 | Cコース・2週目 |
中京 | Bコース・2週目 |
6月5日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 稲城特別 | [1.0.1.4] |
東京10R | 由比ヶ浜特別 | [0.1.2.35] |
東京11R | アハルテケS | [2.1.1.29] |
中京9R | 一宮特別 | 出走ナシ |
中京10R | 松風月S | 出走ナシ |
中京11R | 鳴尾記念 | [2.2.0.27] |
6月6日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | ホンコンJCT | [1.1.1.17] |
東京10R | 麦秋S | [1.3.5.25] |
東京11R | 安田記念 | [3.2.1.39] |
東京12R | 小金井特別 | [2.1.2.19] |
中京9R | 蒲郡特別 | [0.1.2.15] |
中京10R | 弥富特別 | 出走ナシ |
中京11R | 高山S | [0.0.0.16] |
☆注目レース☆
麦秋S(3勝クラス、東京ダート1400m)
麦秋Sでの穴ぐさは[1.3.5.25](複勝率26.5%)で、複勝回収率は154%です。昨年はメイショウコゴミが9番人気で③着、一昨年はサザンヴィグラスが11番人気で②着に激走しています。
③着以内に入った9頭の穴ぐさのうち8頭は5~7歳で、9頭のうち7頭は馬番8~15番でした。9頭は中9週以内での臨戦で、そのうち8頭は父がミスプロ系かノーザンダンサー系です。9頭のうち4頭は前走が③~⑤着で、残りの5頭のうち4頭は前走で4角4番手以内に付けていたので、前走でのレースぶりをチェックして臨みましょう。
☆注目レース☆
小金井特別(2勝クラス、東京ダート1600m)
小金井特別での穴ぐさは[2.1.2.19](複勝率20.8%)で、複勝回収率は140%です。一昨年はトークフレンドリーが12番人気で③着に入り、昨年は①着ロジヒューズ(9番人気)&③着アイアムピッカピカ(6番人気)という【穴ぐさダブル】でした。
馬券圏内に激走した5頭の穴ぐさは3~5歳で、いずれも母父がサンデー系です。5頭は左回りのダートで連対歴があり、そのうち4頭は左回りのダートで勝ち鞍がありました。5頭のうち4頭は前走で掲示板外に敗れていましたが、左回り実績のある馬は巻き返しに注意した方が良さそうです。
☆注目レース☆
稲城特別(1勝クラス、東京芝2400m)
稲城特別での穴ぐさは[1.0.1.4](複勝率33.3%)で、複勝回収率は128%です。
馬券に絡んだ2頭の穴ぐさは3歳で、中2週以内での臨戦でした。2頭は前走時馬体重が482kg以下で、前走は⑤~⑥着ながら上がり34秒4~34秒5を計時していました。初の古馬相手でも、斤量減がプラスに働きそうな3歳馬は侮れないでしょう。
■ちなみに…■
安田記念での穴ぐさは[3.2.1.39]という成績で、鳴尾記念では[2.2.0.27]です。過去10年の安田記念では7番人気以下で③着以内に入った馬が11頭いて、2000m(阪神)で行われた近9年の鳴尾記念では7番人気以下で③着以内に入った馬が7頭います。
安田記念で激走した11頭のうち6頭は前走②~③着で、前走が馬券圏外だった5頭は以前に芝1600mのG1で④着以内に入ったことがありました。11頭のうち3~4歳馬は3頭で、8頭は5歳以上の馬なので、ベテランが侮れない傾向が見られます。
2013年以降に激走した8頭のうち7頭は父か母父がノーザンダンサー系で、そのうち6頭は父&母父がサンデー系&ノーザンダンサー系という組み合わせです。2013年以降の8頭は5~8枠で、そのうち7頭は偶数馬番だったので、真ん中から外枠の偶数馬番の馬に注目しましょう。
阪神芝2000mでの鳴尾記念で激走した7頭は5~8歳で、そのうち6頭は6歳以上なので、こちらもベテランが侮れない傾向があります。7頭のうち6頭は芝重賞での連対歴があり、4頭は重賞ウイナーでした。
激走した7頭のうち4頭は騎手が前走時と異なっていましたが、6頭は過去に連対実績のある騎手とのコンビで、5頭はその騎手と勝ち鞍を挙げたことがあったので、ジョッキーとの相性にも注目すると良さそうです。