穴ぐさ傾向と対策
マイラーズCもトニービンを持つ馬が台頭する!?
先週(4月16日~17日)の穴ぐさは[4.7.7.95](複勝率15.9%)で、単勝回収率が107%でした。ただ、皐月賞は堅い決着となり、穴ぐさに出番がなく……。申し訳ありませんでした。
皐月賞は直線でイクイノックスとジオグリフの争いになり、イクイノックスが一度は抜け出たものの、最後にジオグリフが差し切って優勝しました。イクイノックスは馬体重が10kg増の492kgで、ジオグリフは4kg減の494kgだったので、最後はその差も出たでしょうかね。
ただ、皐月賞をプラス体重で連対したのは2016年のマカヒキ以来で、それ以前は2003年のネオユニヴァースがいます。ご存知の通り、マカヒキもネオユニヴァースもダービー馬ですから、イクイノックスも順調なら次走が非常に楽しみでしょう。
今週はG1がありませんが、東京・阪神・福島でそれぞれ芝重賞(フローラS、マイラーズC、福島牝馬S)が組まれています。フローラSはオークスへ向けて重要な一戦となりますが、今年の3歳重賞では1番人気が勝てないケースが多いので、そのことは気になりますね。改めて、今年の3歳限定の芝重賞での人気別成績をご覧ください。
【2022年の3歳限定の芝重賞】
人気 | 牡牝混合戦 | 牝馬限定戦 |
1番人気 | [1.3.2.5] | [1.3.1.1] |
2番人気 | [2.2.0.7] | [3.0.1.2] |
3番人気 | [3.2.1.5] | [0.1.1.4] |
4番人気 | [2.0.1.8] | [0.0.1.5] |
5番人気 | [2.1.0.8] | [1.0.0.5] |
6番人気 | [1.0.3.7] | [0.0.1.5] |
7番人気以下 | [0.3.4.79] | [1.2.1.52] |
先週はアーリントンCでダノンスコーピオンが1番人気で優勝しましたが、それを含めても1番人気は[2.6.3.6]という成績です。勝利数は2番人気(5勝)や3番人気(3勝)の方が多いぐらいですから、この点はフローラSでも注意すべきでしょう。
今年、3歳牝馬限定の芝重賞は6レースが行われ、ほとんどの好走馬がひと桁馬番でした。
【2022年の3歳牝馬限定の芝重賞】
馬番 | 着別度数 |
馬番1~9番 | [5.6.6.37] |
馬番10~18番 | [1.0.0.37] |
馬券圏内に入った18頭のうち17頭はひと桁馬番で、ふた桁馬番だったのはクイーンCのプレサージュリフト(7枠13番)だけです。フローラSも、ひと桁馬番の馬の方が信頼しやすいですかね。
先々週の桜花賞は馬体重が470kgだったスターズオンアースが優勝しましたが、6レースすべてで馬体重が470kg台だった馬が馬券に絡んでいるので、そのことも覚えておくと良さそうです。
【2022年の3歳牝馬限定の芝重賞】
レース | 470kg台だった馬 |
桜花賞 | ①⑨⑬ |
フラワーC | ① |
フィリーズレビュー | ①⑫ |
チューリップ賞 | ③④⑤⑥ |
クイーンC | ②⑮ |
フェアリーS | ② |
今年の3歳牝馬限定の芝重賞では馬体重が470kg台だった馬が[3.2.1.7](複勝率46.2%)と好成績で、6レースすべてで③着以内に入り、チューリップ賞以外の5レースで連対しています。フローラSでも、ある程度の馬格がある馬はマークしておくと面白そうです。
一方、阪神で行われるマイラーズCは、対照的に大柄すぎない馬の方がいいかもしれません。というのも、今年の阪神芝外1600mの特別競走では、あまり大柄なタイプが勝っていないんですよ。
【2022年の阪神芝外1600mでの特別競走】
馬体重 | 着別度数 |
438kg以下 | [2.1.0.20] |
440~458kg | [2.1.0.22] |
460~478kg | [5.4.5.33] |
480~498kg | [1.2.3.21] |
500kg以上 | [1.3.3.18] |
今年、阪神芝外1600mの特別競走は11レースあり、480kg以上の馬は2勝止まりです。牡牝混合戦だった8レースでも、そのうち6レースは478kg以下の馬が勝っていて、馬格のあるタイプは②~③着が多いんですよね。
先週のストークS(3勝クラス)ではドゥラメンテ産駒のヴァリアメンテが勝ち、③着に母父ジャングルポケットのエルカスティージョが入りましたが、阪神芝外1600mの特別競走ではトニービン内包馬の好走が目立つので、マイラーズCでも注目すべきかと思います。
【2022年の阪神芝外1600mの特別競走で③着以内に入った4代血統表内にトニービンを持つ馬】
日付 レース |
着順馬名 | トニービン |
4月17日 ストークS |
①着ヴァリアメンテ ③着エルカスティージョ |
父母母父 母父父 |
4月16日 アーリントンC |
②着タイセイディバイン | 父母父 |
4月10日 桜花賞 |
①着スターズオンアース | 父母母父 |
4月9日 阪神牝馬S |
①着メイショウミモザ ②着アンドヴァラナウト |
父母父 母母父 |
3月27日 六甲S |
③着カレンシュトラウス | 父母父 |
3月26日 天神橋特別 |
①着メモリーエフェクト ②着エーティーソブリン |
母母父 母父母父 |
3月13日 小豆島特別 |
②着ヴィルヘルム ③着エーティーソブリン |
母父母父 母父母父 |
3月5日 チューリップ賞 |
②着ピンハイ | 母父父 |
2月20日 武庫川S |
①着シャーレイポピー ②着フラーズダルム |
母母父父 母母父 |
2月13日 こぶし賞 |
該当馬なし | |
2月12日 洛陽S |
該当馬なし |
2月20日以降の9レースでは、いずれも4代血統表内にトニービンを持つ馬が馬券に絡んでいて、③着以内に2頭が入ったレースも5回あります。今年のマイラーズCは、【大柄すぎないタイプ】・【トニービンを持つ馬】がキーワードになるかもしれません。
4月23~24日に行われる東京、阪神、福島の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
4月23~24日
場所 | 芝 |
東京 | Aコース・1週目 |
阪神 | Bコース・3週目 |
福島 | Aコース・2週目 |
4月23日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 新緑賞 | [0.0.0.3] |
東京10R | 晩春S | [1.3.3.31] |
東京11R | オアシスS | [0.3.3.36] |
阪神9R | あやめ賞 | [0.1.2.10] |
阪神10R | 丹波特別 | [0.1.2.15] |
阪神11R | 難波S | [1.0.2.33] |
福島9R | 飯盛山特別 | [3.1.1.26] |
福島10R | 尾瀬特別 | [0.1.3.12] |
福島11R | 福島牝馬S | [2.1.1.37] |
4月24日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 石和特別 | [2.1.1.9] |
東京10R | 鎌倉S | [1.3.3.34] |
東京11R | フローラS | [2.0.3.39] |
阪神9R | 千里山特別 | [0.0.1.19] |
阪神10R | 甲南S | [1.4.2.26] |
阪神11R | マイラーズC | [1.5.2.29] |
福島9R | 雪うさぎ賞 | [1.2.2.31] |
福島10R | 燧ヶ岳特別 | [1.2.1.18] |
福島11R | 福島中央テレビ杯 | [2.4.1.35] |
☆注目レース☆
マイラーズC(G2、阪神芝外1600m)
マイラーズCでの穴ぐさは[1.5.2.29](複勝率21.6%)で、複勝回収率は144%です。過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が7頭いて、そのうち5頭が穴ぐさです。
京都開催の頃も含めて激走した7頭は馬体重が470kg以上の牡馬で、そのうち6頭は5歳以上で、同じく7頭のうち6頭は4角4番手以内から馬券圏内に入っていました。2013年以降に激走した6頭は3~6月の芝で勝ち鞍があったので、春実績も確認しておくと良さそうです。
☆注目レース☆
甲南S(3勝クラス、阪神ダート2000m)
甲南Sでの穴ぐさは[1.4.2.26](複勝率21.2%)で、複勝回収率は125%です。昨年はシャンパンクーペが8番人気で②着に食い込みました。
馬券圏内に入った7頭の穴ぐさは4~6歳の牡馬で、父か母父がロベルト系かミスプロ系でした。7頭のうち6頭は中3~5週の臨戦で、ダート2000mで③着以内に入った4頭はダート2000m以上で馬券に絡んだことがあったので、長距離実績のある馬が侮れないでしょう。
☆注目レース☆
石和特別(2勝クラス、東京芝1800m)
石和特別での穴ぐさは[2.1.1.9](複勝率30.8%)で、複勝回収率は219%です。
激走した4頭の穴ぐさは中6週以内での臨戦で、父か母父がノーザンダンサー系でした。4頭は左回りの芝で③着以内に入ったことがあり、そのうち3頭は前走でメンバー中3位以内の上がりを使っていたので、決め手のありそうな左回り実績馬をマークしておきましょう。
☆注目レース☆
燧ヶ岳特別(1勝クラス、福島芝2600m)
燧ヶ岳特別での穴ぐさは[1.2.1.18](複勝率18.2%)で、複勝回収率は150%です。
③着以内に入った4頭の穴ぐさは4~5歳の牡セン馬で、父か母父がサンデー系です。4頭は前走が馬券圏外でしたが、いずれも4代血統表内にサドラーズウェルズかニジンスキーを持っていたので、スタミナ血脈を持つ馬の変わり身に期待する手がありそうです。
■ちなみに…■
フローラSでの穴ぐさは[2.0.3.39]で、福島牝馬Sでは[2.1.1.37]です。新潟で行われた昨年の福島牝馬Sでは、【C】評価だったサンクテュエールが10番人気で③着に入りました。過去10年のフローラSでは7番人気以下で③着以内に入った馬が9頭いて、福島牝馬Sでは11頭います。
フローラSで激走した9頭は9番人気以下で、そのうち7頭はふた桁人気だったので、かなりの下位人気馬までチェックする必要がありそうです。9頭は中3~11週での臨戦で、そのうち8頭は前走が芝1800m以上でひと桁着順でした。同じく9頭のうち8頭は2~3月生まれだったので、誕生月も確認しておくといいでしょう。
9頭のうち7頭は父か母父がサンデー系で、同じく9頭のうち7頭は5代血統表内にノーザンテーストかダンチヒを持っていました。2013年以降の8頭のうち7頭は、前走が重賞か、前走が未勝利戦&1勝クラスで①~②着に入っていました。
福島牝馬Sで激走した11頭の内訳は、4歳2頭、5歳6頭、6歳3頭です。中5週以上で激走した7頭のうち6頭は前走が芝重賞で、中4週以内だった4頭のうち3頭は前走が3勝クラス以下でした。福島開催時に激走した9頭のうち7頭は右回りでO型の芝1800~2000mで勝ち鞍があったので、その実績はチェックしておくようにしましょう。
11頭のうち5頭はノーザンファームの生産馬で、その5頭のうち4頭は4~5歳でした。ノーザンファーム以外の生産馬6頭は5~6歳でした。