穴ぐさ傾向と対策
シルクロードSは父サンデー系が突き抜ける!?
先週(1月21日~22日)の穴ぐさは[8.5.5.96](複勝率15.8%)で、単勝回収率が174%でした。重賞(アメリカJCC、東海S)は5番人気以内の馬が①~③着を占める結果になりましたが、その他のレースでは穴ぐさが勝ち切るケースも多く、今年の穴ぐさは[22.22.22.340](複勝率16.3%)という成績で、単勝回収率が179%となっています。
今年の穴ぐさを評価別でまとめると、次の通りです。
【2023年の穴ぐさ】
評価 | 着別度数 | 勝率 連対率 複勝率 |
単勝回収率 |
A | [7.12.9.114] | 4.9% 13.4% 19.7% |
104% |
B | [8.6.7.120] | 5.7% 9.9% 14.9% |
132% |
C | [7.4.6.106] | 5.7% 8.9% 13.8% |
320% |
複勝率は【A】>【B】>【C】ですが、単勝回収率は【C】>【B】>【A】となっていて、【C】もいい仕事をしています。というか、本来は【C】で勝ち切った馬を【A】にすべきだったのでしょうけれど……。【C】評価の馬も侮らずに、ご対応いただければと思います。
今週末からは東京開催が始まり、重賞は根岸Sが予定されています。昨年の勝ち馬テイエムサウスダンや、昨秋の武蔵野Sで①&②着となったギルデッドミラー、レモンポップなどが登録していて、好メンバーとなりそうですが、ちょっと気になることもあります。
昨年は、JRAでダート1600m以下の重賞が5レース行われ(根岸S、フェブラリーS、ユニコーンS、武蔵野S、カペラS)、1番人気は未勝利でした。その5レースに関するデータをご覧ください。
【2022年のダート1600m以下のJRA重賞】
人気 | 着別度数 |
1番人気 | [0.2.0.3] |
2番人気 | [3.0.1.1] |
3番人気 | [0.0.0.5] |
4番人気 | [0.1.1.3] |
5番人気 | [0.1.0.4] |
6番人気以下 | [2.1.3.48] |
【2022年のダート1600m以下のJRA重賞】
前走人気 | 着別度数 |
前走が1~5番人気 | [5.3.3.32] |
前走が6番人気以下 | [0.1.1.28] |
【2022年のダート1600m以下のJRA重賞】
馬体重 | 着別度数 |
478kg以下 | [0.2.1.19] |
480kg以上 | [5.3.4.45] |
1番人気は[0.2.0.3]で、勝利を収めたのは2番人気以下の馬でした。勝ち馬5頭は前走がダートOPで1~5番人気に推されていたので、前走で上位人気に支持されていた馬を評価するようにしたいですね。
1番人気だった5頭は、馬体重が514kg以上だと②②着で、494kg以下だと⑨⑥⑥着でした。勝利した5頭は馬体重が480kg以上だったので、馬格のあるタイプを上位に考えるといいでしょう。
ちなみに、上記の5レースのうち、古馬混合の4レースでは、514kg以上の馬が連対圏に入っています。根岸Sも、大きいことは良いことだという認識で臨んでみてはいかがでしょうか。
中京ではシルクロードSがあり、昨秋のスプリンターズSで②着に入ったウインマーベルや、同レースで2番人気(⑤着)だったナムラクレア、京阪杯を制したトウシンマカオなどが登録しています。
昨年のシルクロードSを勝利したのはメイケイエールで、年始のこのコーナーで記した通り、昨年以降の中京芝1600m以下の重賞では、馬番10番以内の父サンデー系の馬が勝つケースが多くなっています。
【2022年以降の中京芝1600m以下の重賞】
年 レース 距離 |
勝ち馬 | 馬番 | 父 |
2022年 京都金杯 1600m |
ザダル | 7 | トーセンラー |
2022年 シンザン記念 1600m |
マテンロウオリオン | 10 | ダイワメジャー |
2022年 シルクロードS 1200m |
メイケイエール | 3 | ミッキーアイル |
2022年 ファルコンS 1400m |
プルパレイ | 1 | イスラボニータ |
2022年 高松宮記念 1200m |
ナランフレグ | 2 | ゴールドアリュール |
2022年 葵S 1200m |
ウインマーベル | 7 | アイルハヴアナザー |
2022年 セントウルS 1200m |
メイケイエール | 5 | ミッキーアイル |
2023年 京都金杯 1600m |
イルーシヴパンサー | 7 | ハーツクライ |
2023年 シンザン記念 1600m |
ライトクオンタム | 2 | ディープインパクト |
今年の京都金杯を制したのは馬番7番だったハーツクライ産駒のイルーシヴパンサーで、シンザン記念で勝ったのは馬番2番だったディープインパクト産駒のライトクオンタムでした。
中京芝1600m以下の重賞は、昨年以降に9レースが行われ、すべて馬番10番以内の馬が勝ち、そのうち8レースで父サンデー系の馬が優勝しています。この流れを考えれば、今年のシルクロードSも馬番10番以内の父サンデー系に注目すべきですかね。
なお、今年1月の中京芝では特別競走が15レースあり、1600m以下での7レースはいずれも馬番7番以内の馬が勝っています。
【2023年1月の中京芝の特別競走】
馬番 | 1600m以下 | 2000m以上 |
馬番1~7番 | [7.5.4.33] | [5.4.6.41] |
馬番8~16番 | [0.2.3.24] | [3.4.2.30] |
2000m以上の特別競走では馬番8番より外枠からも勝ち馬が出ていますが、U型コースの1600m以下では馬番7番以内からしか優勝馬が出ていないんですよね。中京芝は今週末からBコースに替わりますし、真ん中から内枠の馬に有利に働く傾向は今後も継続されるんじゃないでしょうか。
ちなみに、今年1月の中京芝の特別競走においては、もうひとつ気になる点があります。
【2023年1月の中京芝の特別競走】
馬体重 | 着別度数 |
マイナス体重 | [0.7.6.45] |
前走と同体重 | [3.2.1.15] |
プラス体重 | [12.6.8.68] |
勝利した15頭はプラス体重か、前走と同体重だった馬で、マイナス体重の馬は勝てていません。今年1月の中京芝の重賞では、マイナス体重だった馬が[0.1.1.14]という成績ですから、冬場なのに体が減って出てきた馬には用心した方がいいでしょう。
1月28~29日に行われる東京、中京、小倉の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
1月28~29日
場所 | 芝 |
東京 | Dコース・1週目 |
中京 | Bコース・1週目 |
小倉 | Aコース・3週目 |
1月28日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 白嶺S | [3.0.0.36] |
東京10R | クロッカスS | [0.1.2.12] |
東京11R | 白富士S | [3.0.3.26] |
中京9R | 白梅賞 | [0.2.1.9] |
中京10R | 茶臼山高原特別 | [0.0.1.8] |
中京11R | 伊賀S | [0.1.1.4] |
小倉9R | 日田特別 | [1.0.1.22] |
小倉10R | 平尾台特別 | [0.1.0.16] |
小倉11R | 周防灘特別 | [2.1.2.38] |
1月29日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | セントポーリア賞 | [2.3.2.16] |
東京10R | 節分S | [0.3.2.28] |
東京11R | 根岸S | [2.2.4.39] |
中京9R | 刈谷特別 | [1.3.2.33] |
中京10R | 美濃S | [1.2.0.13] |
中京11R | シルクロードS | [0.1.3.44] |
小倉9R | くすのき賞 | [0.0.1.23] |
小倉10R | 足立山特別 | [0.0.1.7] |
小倉11R | 巌流島S | [2.0.2.41] |
☆注目レース☆
白富士S(リステッド、東京芝2000m)
白富士Sでの穴ぐさは[3.0.3.26](複勝率18.8%)で、単勝回収率が190%です。
馬券に絡んだ6頭の穴ぐさは6~7歳で、中9週以内での臨戦でした。6頭は前走がOPで馬券圏外でしたが、そのうち5頭は前走時馬体重が472kg以上で、4頭は前走時がプラス体重でした。6頭のうち5頭は12~2月に勝利実績があり、同じく6頭のうち5頭は馬番7番以内だったので、順調に使われていて、真ん中から内枠に入った馬の巻き返しに注意しましょう。
☆注目レース☆
セントポーリア賞(1勝クラス、東京芝1800m)
セントポーリア賞での穴ぐさは[2.3.2.16](複勝率30.4%)で、複勝回収率は172%です。
馬券圏内に入った7頭の穴ぐさは父か母父がサンデー系で、そのうち6頭は2~3月生まれでした。7頭のうち5頭は左回りでの出走歴があり、例外の2頭は芝OPでの出走歴があったので、左回りやOPなどの経験が豊かなタイプを見限らないようにしましょう。
☆注目レース☆
白梅賞(1勝クラス、中京芝1600m)
白梅賞での穴ぐさは[0.2.1.9](複勝率25.0%)で、複勝回収率は210%です。昨年は【A】評価だったタガノエスコートが9番人気で②着、【B】評価だったセルバーグが7番人気で③着に入る【穴ぐさダブル】になりました。
激走した3頭の穴ぐさは父か母父がサンデー系で、ひと桁の偶数馬番でした。3頭は前走が芝1600m以上で4角5番手以内に付けていたので、マイル以上の距離である程度の先行力を見せていた馬をマークしておきましょう。
■ちなみに…■
根岸Sでの穴ぐさは[2.2.4.39]で、シルクロードSでは[0.1.3.44]です。昨年の根岸Sでは【C】評価だったテイエムサウスダンが6番人気で優勝しました。
近10年の根岸Sでは7番人気以下で③着以内に入った馬が6頭いて、6~8歳の関西馬です。6頭はダートOPでの勝利実績があり、そのうち5頭はひと桁馬番でした。6頭は前走がダートOPで、5頭は前走がダート重賞だったので、前走でも重賞を使われていたベテランが侮れないでしょう。
近10年のシルクロードSでは7番人気以下で③着以内に入った馬が10頭いて、いずれも②~③着です。10頭のうち牝馬の4頭はハンデ53~54kgで、牡馬の6頭のうち5頭はハンデ55~57kgでした。10頭のうち6頭は前走が③着以内で、残りの4頭のうち3頭は2~3走前に③着以内に好走していました。前走が馬券圏外だった4頭はひと桁馬番でもあったので、前走好走馬とひと桁馬番の馬に妙味がありそうです。