穴ぐさ傾向と対策
宝塚記念も上位人気馬は騎手が重要に!?
先週(6月17日~18日)の穴ぐさは[8.4.7.93](複勝率17.0%)で、単勝回収率が152%でした。ユニコーンSでは【A】評価だったサンライズジークが7番人気で②着に入り、「穴ぐさ報告掲示板」にも多くの的中報告をしていただき、ありがとうございました。
今週末は、JRAの2023年上半期を締めくくる宝塚記念があります。昨年のJRA年度代表馬であるイクイノックスが出走予定で、同世代のジャスティンパレスやアスクビクターモア、ひとつ上の世代であるジェラルディーナなども参戦する予定です。
今年のJRAでの芝G1(10レース)を振り返ると、1600m以下の5レースと2000m以上の5レースでは、人気別の成績に違いが見られます。
【2023年のJRAの芝G1】
人気 | 1600m以下 | 2000m以上 |
1番人気 | [1.0.2.2] | [1.2.1.1] |
2番人気 | [0.1.0.4] | [3.1.0.1] |
3番人気 | [0.2.1.2] | [0.0.0.5] |
4番人気 | [2.0.0.3] | [1.0.0.4] |
5番人気 | [0.0.1.4] | [0.2.0.3] |
6番人気以下 | [2.2.1.57] | [0.0.4.58] |
1600m以下の5レースでは1~3番人気が1勝で、6番人気以下の馬が2レースで勝利を収めましたが、2000m以上の5レースは連対圏に入った10頭が1~5番人気で、優勝した5頭は1~4番人気でした。芝2000m以上のG1は、比較的堅い決着が多かったんですよね。
芝2000m以上のG1での1~5番人気については、騎手によって好走率に大きな差が出ているので、そのデータをご覧ください。
【2023年のJRAの芝2000m以上のG1での1~5番人気】
騎手 | 着別度数 |
継続騎乗 | [4.5.1.6] |
乗り替わり | [1.0.0.8] |
今年の日本ダービーにおいて、レーン騎手に乗り替わったタスティエーラが優勝したことは記憶に新しいところですが、実は、今年の芝2000m以上のG1(JRA)で騎手が乗り替わって1~5番人気に推され、馬券圏内に入ったのは同馬だけです。1~5番人気は、圧倒的に騎手が継続騎乗した馬の方が好走率が高いので、宝塚記念の上位人気も騎手が前走時と同じ馬の方が狙いやすいでしょう。
その点では、ルメール騎手が継続騎乗の予定であるイクイノックスは良さそうですが、同馬について、気になる点もあります。阪神芝の重賞では、今年の3月25日以降、父サンデー系の馬が勝てていないんですよね。
【2023年の阪神芝の重賞】
月日 レース |
勝ち馬 | 父 |
6月18日 マーメイドS |
ビッグリボン | ルーラーシップ |
6月3日 鳴尾記念 |
ボッケリーニ | キングカメハメハ |
4月15日 アーリントンC |
オオバンブルマイ | ディスクリートキャット |
4月9日 桜花賞 |
リバティアイランド | ドゥラメンテ |
4月8日 阪神牝馬S |
サウンドビバーチェ | ドゥラメンテ |
4月2日 大阪杯 |
ジャックドール | モーリス |
3月25日 毎日杯 |
シーズンリッチ | ドゥラメンテ |
3月19日 阪神大賞典 |
ジャスティンパレス | ディープインパクト |
3月12日 フィリーズレビュー |
シングザットソング | ドゥラメンテ |
3月4日 チューリップ賞 |
モズメイメイ | リアルインパクト |
2月26日 阪急杯 |
アグリ | Caravaggio |
2月18日 京都牝馬S |
ララクリスティーヌ | ミッキーアイル |
2月12日 京都記念 |
ドウデュース | ハーツクライ |
父の欄は、ピンク色がサンデー系、黄色がキングマンボ系、赤色がストームキャット系、オレンジ色がロベルト系です。父サンデー系の馬は、3月19日までの6レースのうち4レースで勝利を収めていたものの、3月25日以降は他父系の馬が勝っていて、その7レースのうち5レースで父キングマンボ系の馬が優勝しています。
この流れを見ると、宝塚記念でも父がサンデー系以外の馬にチャンスが…!?と思ってしまいますが、どうでしょうか。
宝塚記念は阪神芝2200mでの施行で、最近の芝2200mの重賞は、メンバー中1~2位の上がりを使った馬ばかりが勝っているので、その成績をご覧ください。
【2022年9月以降のJRAの芝2200mの重賞】
上がり | 着別度数 |
メンバー中1位 | [4.2.2.1] |
メンバー中2位 | [4.3.1.1] |
メンバー中3位 | [0.1.3.4] |
メンバー中4~5位 | [0.3.0.18] |
メンバー中6位以下 | [0.0.1.65] |
昨年9月以降に限ると、JRAで芝2200mの重賞は8レースが行われ、いずれもメンバー中1~2位の上がりを計時した馬が制しています。メンバー中1~2位の上がりを使った馬は[8.5.3.2]という好成績で、馬券圏内に入れなかった2頭は、馬番1~2番で馬体重が502kg以上でした。
今年の宝塚記念も、「どの馬が上位の上がりを使うか?」という視点で予想する作戦は有効なのではないでしょうか。
【月額会員が利用できるコーナー紹介】
6月24~25日に行われる東京、阪神、函館の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
6月24~25日
場所 | 芝 |
東京 | Dコース・2週目 |
阪神 | Bコース・4週目 |
函館 | Aコース・3週目 |
6月24日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 清里特別 | [0.1.3.28] |
東京10R | 日野特別 | [0.4.1.25] |
東京11R | 江の島S | [0.3.2.21] |
阪神9R | 鷹取特別 | [1.0.1.34] |
阪神10R | ストークS | [0.0.2.22] |
阪神11R | 天保山S | [1.0.1.23] |
函館9R | 恵山特別 | [1.0.1.12] |
函館10R | 竜飛崎特別 | [0.1.2.10] |
函館11R | 青函S | [0.0.0.3] |
6月25日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
東京9R | 八ヶ岳特別 | [0.2.0.13] |
東京10R | 甲州街道S | [1.1.1.3] |
東京11R | パラダイスS | [2.1.4.19] |
阪神8R | 城崎特別 | [0.0.1.15] |
阪神9R | 舞子特別 | [0.1.1.32] |
阪神10R | 花のみちS | [3.1.2.17] |
阪神11R | 宝塚記念 | [1.3.2.40] |
阪神12R | リボン賞 | [0.2.0.28] |
函館9R | 北海H | [1.1.1.26] |
函館10R | HTB杯 | [0.2.2.28] |
函館11R | 大沼S | [1.4.4.31] |
☆注目レース☆
パラダイスS(リステッド、東京芝1400m)
パラダイスSでの穴ぐさは[2.1.4.19](複勝率26.9%)で、複勝回収率は158%です。
馬券圏内に入った7頭の穴ぐさは馬番11番以内で、2019年以降の4頭はハンデ54kgの牡セン馬です。2016年以降の6頭は5~7歳で、2018年以降の5頭は5代血統表内にノーザンダンサーのクロスを持っていたので、連続開催最終週の馬場をこなせそうなベテランが侮れないでしょう。
☆注目レース☆
大沼S(リステッド、函館ダート1700m)
大沼Sでの穴ぐさは[1.4.4.31](複勝率22.5%)で、複勝回収率は121%です。昨年は【A】評価だったロッシュローブが8番人気で②着に食い込みました。
馬券に絡んだ9頭の穴ぐさは5~7歳で、そのうち8頭はダート1700mで勝ち鞍があり、7頭は函館か札幌のダート1700mで勝利実績がありました。2014年以降の5頭は父がサンデー系かミスプロ系で、4角4番手以内から③着以内に入っていたので、先行力のある馬をマークしておきましょう。
☆注目レース☆
花のみちS(3勝クラス、阪神ダート1400m)
花のみちSでの穴ぐさは[3.1.2.17](複勝率26.1%)で、複勝回収率は196%です。穴ぐさのいた8年のうち6年で馬券に絡んでいます。
ダート1200~1400mの時に③着以内に入った穴ぐさは5頭いて、4~6歳の牡馬で、2017年以降の4頭は父か母父がミスプロ系です。5頭は阪神か中京か中山のダートで勝利実績があり、そのうち4頭は2~3走前に勝ち鞍を挙げていました。直線に急坂があるコースの実績や2~3走前の成績をチェックしておきましょう。
☆注目レース☆
甲州街道S(3勝クラス、東京ダート1600m)
甲州街道Sでの穴ぐさは[1.1.1.3](複勝率50.0%)で、複勝回収率は210%です。一昨年はシホノレジーナが10番人気で②着に入り、昨年は【B】評価だったメイショウマサヒメが7番人気で優勝しました。
馬券に絡んだ3頭の穴ぐさはふた桁馬番の4~5歳で、父か母父がサンデー系でした。3頭は前走がダート1400mでふた桁着順に敗れていましたが、いずれも東京ダート1600mで③着以内に好走したことがあったので、コース実績馬の巻き返しに注意しましょう。
■ちなみに…■
宝塚記念での穴ぐさは[1.3.2.40]です。昨年は馬券圏内を5番人気以内の馬が占めたので、今年は穴馬が台頭する余地があってほしいところです。
近10年の宝塚記念では7番人気以下で③着以内に入った馬が10頭いて、16頭立て以下での8頭のうち7頭は馬番1~6番で、17~18頭立てでの2頭はふた桁馬番でした。10頭は中7週以内での臨戦で、そのうち9頭は近4走以内に連対歴があったので、ある程度の好調さは欲しい印象ですね。
10頭のうち8頭は4~5歳で、6歳以上の2頭はセン馬でした。10頭のうち日本馬の9頭は、6~9月に芝で勝利実績がありました。10頭のうち9頭は馬体重が490kg以下で、6頭が430~450kg台だったので、小柄なタイプを侮らないようにしましょう。