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速攻レースインプレッション

ようやく実力に獲得タイトルが追いついた

文/浅田知広 写真/森鷹史


宝塚記念翌週のラジオNIKKEI賞CBC賞から、七夕賞、そして函館記念と続いたハンデ重賞。3連単は3歳限定のラジオNIKKEI賞こそ2万馬券だったが、古馬戦はCBC賞16万七夕賞256万、そして函館記念57万と、ひと桁見誤ったかという波乱の連続になった。

そんなハンデ重賞も、とりあえずはこの中京記念で一区切り(また再来週には小倉記念が待っているが)。先週の函館記念でも少し触れたが、春に2000mで行われていた99年エリモエクセルを最後に、1番人気は18連敗中。ハンデ戦祭りの掉尾を飾るにふさわしい一戦だ(!?)。

さて、そんなレースで単勝5.0倍とはいえ1番人気の支持を受けたのは、重賞未勝利グレーターロンドン。昨年、連勝が止まってからは連対にも手が届いていないが、前走の京王杯スプリングCでも0秒1差の④着。G3でハンデ56.5キロなら、というところだ。

これに続いたのがトップハンデ57.5キロ組から昨年の覇者ウインガニオンと、最軽量52キロのワントゥワンという両極端。さらには54キロ・リライアブルエース、56キロ・ロジクライ、そして53キロ・ミエノサクシードまでが単勝ひと桁。そして10.7倍の3歳馬フロンティアまでが、あまり差のない「上位人気」の範疇と言えるだろうか。

この上位人気の各馬はすべて前走重賞で、マーメイドSに出たミエノサクシード以外はG2以上。3年連続で前走オープン特別組のワンツー(2年連続①~③着独占)というレースなのだが、今年はめぼしい馬がいないという事情もあり、格上のレースで負けてきた馬が人気を集める形となった。いや、やはりメンバー構成からして、なんとも怪しげ、波乱含みの様相だ。

レースはアメリカズカップマイネルアウラートと穴馬2頭の先行争いに、さらに外から2番人気ウインガニオンが加わって一気にハイペース。マイル戦になった過去6回、3コーナー3番手以内か10番手以下の馬しか勝っておらず、今年は見るからに後者・10番手以下の展開だ。

最初の1ハロンこそ12秒1だったが、2ハロン目10秒7、3ハロン目11秒0で、600m通過は33秒8。馬群はマイル戦としてはかなり縦長になり、3コーナーあたりから徐々に後続が接近。しかし序盤のリードを活かし、荒れた内を避け外めに出したウインガニオンと、距離損なくラチ沿いに入ったアメリカズカップが並んで4コーナーを通過した。

直線に向いてもこのペースのわりにアメリカズカップは粘っていたが、前2頭の間に入って伸びてきたのが道中4番手につけていたロジクライだった。残り200mでアメリカズカップを交わし、ふつうのレース展開ならそのまま押し切るかという態勢だ。

しかし、ここはやはり「10番手以下」の競馬。これに外から襲いかかったのは、なんと! 1番人気のグレーターロンドンだ。ロジクライも決して止まったわけではなく、先頭に立ってからもじわじわと伸びてはいたものの、「離れた」4番手とはいえこのペースで先行し、中京の長い直線ではさすがに苦しい。ゴール前でグレーターロンドンが見事に差し切り、自身7連敗、そして中京記念の1番人気18連敗にも終止符を打つ勝利を飾った。

グレーターロンドンは、競走馬にとっての大病・蹄葉炎を患って長期の休養もありながら、15年2月のデビューから昨年春まで7戦6勝。そして重賞初挑戦となったG1・安田記念でも大接戦の④着と力を見せた。しかし秋、毎日王冠③着、天皇賞・秋⑨着の後、オープン特別でも③着に敗退すると、今年のG3・2戦は1番人気で⑨⑤着。安田記念毎日王冠から力量的にはG3が壁ではなさそうなだけに、どうにも失速してしまった感は否めなかった。

ただ、前走の京王杯スプリングCにしても最後方からメンバー中最速の上がり32秒5で大外強襲の④着と、引き続き走りそのものは「G3になれば」というもの。今回は展開の味方もあったとはいえ、ようやく実力に獲得タイトルが追いついた格好になった。

道中で動いた天皇賞・秋や、先行した東京新聞杯もあったが、やはり、直線の長いコースのマイルあたりで、脚を溜める競馬が合っている。今回は2コーナーを8番手で通過し、そこから内の数頭に前へ行かせて3コーナーは11番手と、このレース優勝の条件となる「10番手以下」をきっちり確保。いや、9番手だろうと11番手だろうと大勢には影響なさそうだが、ともあれそこで脚を溜め、直線の末脚に繋げた競馬だった。

さて、次はどこになるのか。同じく直線の長いコースのマイル戦、関屋記念に出走すればサマーマイルシリーズの王座も見えてくる。だが、足もとに不安のあった馬だけに、間隔は詰めずにじっくり構えて、もっと大きなタイトルを見据える可能性もあるだろう。そんな大レースも視野に入ってくる、待望の重賞初制覇だ。


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