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速攻レースインプレッション

“血統的に2歳芝1200m重賞で活躍しそうな馬”が上位を占めた

文/編集部(T) 写真/川井博



全体的に人気が割れ気味で、1番人気ナンヨーイザヨイのオッズは3.5倍。2番人気アスターペガサスは5.2倍、3番人気カルリーノは5.4倍。世代最初の重賞と考えても割れ気味のオッズではあるが、個人的には「そんなものかぁ」という思いで見ていた。

というのも、ナンヨーイザヨイもっと人気を集めると思っていたから。デビュー戦は函館芝1200mを1分9秒4の走破時計で制していて、これは開幕週ということを考えてもかなりの好タイムだったからだ。

このコースで行われた2歳新馬&未勝利戦を1分9秒4以下のタイムで制した馬はナンヨーイザヨイ以外に3頭いて、クリスマス、カシアスは次走で函館2歳Sを制し、モンドキャンノも函館2歳Sで②着に入っている。それだけのタイムで勝ったのだから、もっと人気を集めるだろうと思っていたわけだ。もしかしたら同じ"ナンヨー、岩田騎手、松永幹厩舎"のナンヨープランタンが、昨年の函館2歳Sで1番人気⑥着に敗れたこともあったのかもしれないが……。

しかし、速く走る馬が勝つのが競馬だが、いつも速く走れるわけではないのも競馬。ナンヨーイザヨイは前走と違って中団の位置取りになって、勝負所で大外を通るも直線で伸び切れず⑨着に敗れる。一方で勝ったアスターペガサスは4コーナーで内からぶつけられるような場面があったが、怯まず伸びて先に抜け出したラブミーファインをゴール寸前で捉え、鞍上の小崎騎手とともに初重賞制覇を飾った。

アスターペガサスがデビュー勝ちしたのは開幕2週目で、そのタイムは1分10秒0。これはメンバー3位のタイムではあったが、ナンヨーイザヨイに比べると少し見劣る。では、今回の勝因&敗因がどこにあったのか。

勝因はいくつもあるだろうが、まず分かりやすいのは血統。勝ったアスターペガサスは外国産馬だが、父ジャイアンツコーコーズウェイが芝1200mでデビュー勝ち&芝1400mの2歳G1勝ちがあり、母アールヒートライトニングは2歳9月の時点で米G1を制した馬。レース後に調べて気づいたことだが、この時期の2歳重賞はお手の物という血統背景を持つ馬だった。

②着ラブミーファインは母ヤマノラヴが函館芝1200mの2歳OP(2010年ラベンダー賞)③着馬で、近親ゴールデンロドリゴも函館スプリントS②着の実績馬。③着カルリーノ母父ショウナンカンプで、やはり芝1200m向きの血統。

結果的に、2歳の芝1200m重賞での活躍をイメージしやすい血統が上位を占める形になったわけだ。

一方、ナンヨーイザヨイ父エイシンフラッシュ×母父スペシャルウィークというダービー馬血統。前走の勝ちっぷりは認めても、新馬戦と重賞の舞台は違うということなのか……。これは大きな反省材料として、来年に活かすことにしたい。

もうひとつ、今回勝ったアスターペガサスは前走で記録した上がりはメンバー4位の34秒8。2016年以降の函館2歳Sでは前走が函館芝1200mでメンバー3位以下の上がりで勝ってきた馬が3年連続で馬券圏内に入ったことになる。

また、今年の①&③着馬の馬体重は、ともにメンバー中でもっとも重い490kg函館2歳S馬体重が470kg以上の馬が馬券圏内に入るのは、これで2013年以降5年連続だ。

このふたつの事実を見る限り、今年の函館は雨が続いた時期もあり、よりパワーを要する状態にシフトしていたということなのだろう。この傾向は今後も続く可能性がありそうなので、覚えておきたい。

アスターペガサスは米国産馬で、函館2歳Sを制した米国産馬といえば、後に英G1を制したアグネスワールドが思い浮かぶ。アスターペガサスの父は3歳になってG1を5連勝した名馬だし、母も3歳春に重賞を制していて、2歳戦だけで終わるとも考えづらい。どこまで先輩に近づけるか、今後の飛躍に期待したい。


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