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速攻レースインプレッション

札幌芝でこれだけ鋭い末脚を使うとは

文/編集部(M) 写真/川井博


昨年はアエロリットがハイペースで逃げ切り、2馬身半差で快勝したクイーンS。今年は一転して、ディアドラが後方から追い込んで3馬身差を付けた。アエロリットディアドラに共通していることは、どちらもノーザンファーム生産のG1馬であり、父ノーザンダンサー系×母父サンデー系という配合であることだ。

②着に入ったフロンテアクイーンは父メイショウサムソン×母父サンデーサイレンスという配合で、③着ソウルスターリングフランケル産駒だから、今年は父ノーザンダンサー系が①~③着を独占したことになる。出走馬11頭中、父ノーザンダンサー系はこの3頭だけだった。

クイーンSで父ノーザンダンサー系がワンツーを果たしたのは2013年(①着アイムユアーズ、②着スピードリッパー)以来で、①~③着を占めたのは2003年(①着オースミハルカ、②着ファインモーション、③着テイエムオーシャン)以来になる。

こうしてみると、結構珍しいことが起こったように感じるかもしれないが、「メインレースの考え方」や出走馬解説コメントに記した通り、クイーンSで上位人気に推された父ノーザンダンサー系や、前走のOPで好走した同父系の馬は好走率が高かったので、何も驚きに値しないとも言える。

クイーンSが北海道での古馬混合戦になってから今年で19年目で、これまでに父ノーザンダンサー系は[5.4.1.21]という成績だったが、1~2番人気に推された馬に限ると[3.2.1.0]で、前走がOPで⑤着以内だった馬に限ると[3.2.1.1]だった。

今年は最終的に1番人気がディアドラ、2番人気がソウルスターリングで、フロンテアクイーンは前走が中山牝馬S②着だったので、まあ、過去傾向通りにきっちり好走したわけです(本当はそこをトーセンビクトリーに割って入ってもらいたかったのですが……)。

昨年優勝したアエロリットクロフネ産駒で、父フレンチデピュティ・祖父デピュティミニスターという系統だから、ハービンジャー産駒ディアドラメイショウサムソン産駒フロンテアクイーンと一緒に扱うのは乱暴すぎる、という意見もあるだろう。ハービンジャーダンチヒ-デインヒルの系統で、メイショウサムソンオペラハウス-サドラーズウェルズの系統だから、ノーザンダンサーまで遡らないと共通項にたどり着かない。

まあ、しかし、血統というのは大枠で見ることも大事で、細かく分類しすぎて、逆に特徴を見失うことがある。まずは大枠で分類して、その後に母系面も見て、その馬の特徴を探るべきだろう。ちなみに、クイーンSと同日のアイビスサマーダッシュは今年で18回目だったが、いまだに父サンデー系の馬は勝ったことがない。今年は3番人気と5番人気が父サンデー系だったが、掲示板外に敗れた。血統を大枠で見ることの有効性が示された結果だった。

今年のクイーンSは11頭立てながら、ティーエスクライが1000m通過59秒1で逃げ、底力を問われやすい流れになったことも、父ノーザンダンサー系の馬たちに向いた要因だろう。

クイーンSはレースの上がり3Fが35~36秒台になることが多く、ハイペースになった今年も上がりがかかったのかと思ったが、レースの上がり3Fは34秒6だった。勝ったディアドラの上がりは33秒7(メンバー中最速)で、いくら開幕週とはいえ、札幌芝でこれだけ鋭い末脚を使われたのでは、他馬は白旗を挙げるしかなかった。

ディアドラは、今後、順調なら札幌記念に向かう可能性もあるとのこと。国内の芝1800~2000mは5戦5勝だし、札幌記念は牝馬の好走が珍しくないレースだから、当然、チャンスがあって良いはずだ。秋のG1戦線に向けて、どれだけの余力を残しつつ向かえるかがポイントになるのではないか。

2番人気で③着に敗れたソウルスターリングは、オークス以来の掲示板内ではあったが、まだ完全復調とは言えないようだ。他馬より重い斤量56kgを背負ってはいたが、あれだけ淀みなく流れても序盤から行きたがる感じだった。今回のレースをきっかけにして、どのように立て直してくるかが藤沢和厩舎の腕の見せ所だろう。

今年は3歳馬が2頭(リバティハイツツヅミモン)出走し、上位人気に推されたものの、⑨着(ツヅミモン)と⑩着(リバティハイツ)という結果に終わった。どちらも過去最少体重だった前走から体を戻していたが、前に行ってペースが合わず、先輩古馬の底力に屈した。

古馬混合戦のクイーンSに挑戦した3歳馬は[5.3.4.28]という成績で、④着以下に敗れた馬の次走は[1.4.2.20]となっている。ただ、勝利を収めたのは2006年大倉山特別(1000万)でのブルーメンブラットで、ご存知の通り、同馬は2年後にマイルCSを制している。ツヅミモンリバティハイツも、今回の経験を糧に飛躍の材料としてほしいものだ。


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