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速攻レースインプレッション

サングレーザーにとって大きな意義ある勝利になった

文/編集部(M)、写真/川井博


マルターズアポジーが飛ばしてハイペースになり、4コーナーから直線にかけて先頭に立つ馬が何度も替わった今年の札幌記念。ゴール前で身構えるカメラマンにとっては難儀の極地のようなレースだったと思うが、カメラマンの川井博さんは勝ったサングレーザーをバッチリ撮ってくれました。素晴らしい! 本当にありがたいことです。

ゴール板前は、①着サングレーザーと②着マカヒキの差がハナ、②着マカヒキと③着モズカッチャンの差がアタマで、この3頭は2分1秒1という同タイムだった。マカヒキはご存知の通りダービー馬で、モズカッチャンはエリザベス女王杯の勝ち馬。サングレーザーは昨秋のマイルCSで③着に入り、僅差の④着となったサウンズオブアースはG1で3度の②着がある馬だから、稍重馬場でのハイペースとなり、最後は地力の勝負になったと言える。

ただ、そうは言っても、マカヒキモズカッチャンサウンズオブアースの3頭は2000mを超える距離で活躍してきた馬で、近走は1600mを中心に実績を残してきていたサングレーザーはタイプが違った。今回のようなタフなレースで、タフな相手を相手に勝利を挙げられたことは、サングレーザーにとって大きな意義があるだろう。

レースはハイペースではあったが、小回りの札幌競馬場のレースらしく、3~4コーナーで馬群が密集する形になった。サングレーザーは1枠2番という内枠で、距離不安の面もあったのか、やはり馬群の内で脚を溜める作戦に出た。対して、1番人気だったマカヒキは昨秋のジャパンC以来の休み明け(8ヶ月半ぶり)で、ルメール騎手らしく、後方追走から外を回ってスムーズに走ることを選択された。

4番人気だったモズカッチャンも休み明け(4ヶ月半ぶり)で、外枠だったこともあって、M.デムーロ騎手は最後方に控える作戦に出た。しかし、簡単には外を回さず、4コーナーからは馬群の中に進路を取り、他馬を捌きながら直線で馬場の中央に持ち出された。

内で脚を溜めた福永騎手(サングレーザー)、外を回ってスムーズに走らせたルメール騎手(マカヒキ)、外枠でも馬群の中に活路を見出そうとしたM.デムーロ騎手(モズカッチャン)と三者三様で、これだけでも見応えのあるレースだった。

結果的には、昨年(1枠1番のサクラアンプルールが優勝)に続いて、内枠の馬が優勝することになった。2013年は重馬場となって内枠の馬は馬券圏内に入れなかったが、良~稍重馬場の時に限ると、札幌記念は2007年以降の10年連続で馬番5番以内の馬が馬券に絡んでいる。その意味では、サングレーザーにとっては午前中で雨が上がり、馬場の悪化が稍重で止まったこともプラスに働いたのかもしれない。

サングレーザーは2000mの札幌記念を制したことで、秋は天皇賞・秋マイルCSという選択肢も考えられるだろう。気の早い話だが、年末の香港国際競走においても、香港マイルではなく、香港カップという選択もあり得そうだ。前走1600m以下からの臨戦で札幌記念を制した馬は、ハンデG3だった頃の93年ナリタチカラ以来だ。G2昇格後は初のタイプなので、それだけの価値ある勝利だったことは覚えておきたい。

マカヒキは馬券圏内に入ったのが昨年2月の京都記念(③着)以来で、過去最多体重タイ(6kg増の506kg)だったことを考えれば、復活の走りを見せられたと言っていいだろう。昨年の天皇賞・秋は不良馬場で⑤着まで追い上げたが、過去5勝は良馬場の芝で挙げており、やはり決め手の活きる馬場がベストなのではないか。今秋はきれいな馬場で走りたいところだろう。

モズカッチャンも力のあるところを見せたが、これまでの5連対は中5週以内の時で、休み明けだったことを考えれば上々の内容だろう。帰国初戦でこれだけの走りができれば、今秋のG1戦線でも好走が見られそうだ。

余談になるが、札幌記念が行われた次のレースは小樽特別(500万、芝1200m)で、1分10秒5(稍重)という決着タイムだった。同じ500万の芝1200m特別は、土曜日(18日)に小倉で小郡特別があり、こちらは1分7秒6(良)という時計だった。

札幌芝小倉芝では3秒近くの差があったわけだが、1分6秒6(良)という決着になった北九州記念を制したのはアレスバローズ、2分1秒1(稍重)だった札幌記念を勝ったのはサングレーザーで、どちらもディープインパクト産駒だった。アレスバローズサングレーザーも直線で内目を捌いての差し切りで、改めてディープインパクトというのは凄い種牡馬ですね。。。


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