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速攻レースインプレッション

今後どんな結果を出していくのか、楽しみはたくさん

文/浅田知広、写真/小金井邦祥


新潟2歳Sは過去10年で前走新馬戦出走馬が7勝と、基本的には新馬組が中心になるレース。残る勝ち馬3頭のうち、1頭はダリア賞(OP)②着のシンメイフジ。そして2頭は未勝利戦のセイウンワンダーとザラストロだ。

このうちちょうど10年前、08年のセイウンワンダーは、前走未勝利勝ちにもかかわらず、ここでは単勝1番人気。新馬戦②着の後、前走の未勝利戦は、単勝1.1倍の断然人気に応えて圧勝を飾っていた。

そして10年後の今年、1番人気に推されたのは、新馬戦②着、そして前走の未勝利戦をやはり単勝1.1倍で勝ち上がったケイデンスコールだった。08年以降、芝の2歳未勝利戦を単勝1.1倍で勝ち上がった馬が、次走重賞に出走すると[2.1.1.3]。いいんだか悪いんだかという成績だが、1番人気ならセイウンワンダーに加えグランデッツァ(11年札幌2歳S)と、2頭はともに勝利を飾っているのは心強いデータだ。

これを追う2、3番人気は新馬戦組。しかし2番人気のアンブロークンは前走1800mの新馬勝ちで、距離短縮馬は過去10年[0.3.1.27]。そして3番人気ジョディーは、前走牝馬限定戦が[0.0.0.12]、そして10キロ以上の馬体増(本馬は+16キロ)は[0.1.1.12]アンブロークンジョディーも過去の傾向からは、勝つまではどうか、という数字だけに、もしケイデンスコールが飛んでしまうと波乱も、という様相だった。

レースは前走も逃げていたエルモンストロが、抜群の好スタートから先行策……なのだが、鞍上が手綱を引っ張り、できれば行きたくない、行くにしてもなんとか落ち着かせたいという状態。しかし2番手のロードアクアは自然体でその位置をキープ、内でエイシンゾーンはやや掛かり気味も、前とは3馬身ほどの差があり、もうエルモンストロは行くしかないという体勢が400mほどでできあがった。

人気どころはアンブロークンが距離短縮でも行きたがり、なんとか前に馬を置いて中団。その外にジョディー、そしてこれを見てケイデンスコールは落ち着いた追走を見せていた。

前半の600m通過は36秒3と、稍重の馬場を加味しても、少なくとも速くはない流れ。前では腹をくくったエルモンストロが5馬身ほどのリードをとって3~4コーナー中間を通過しており、後続はスローペースの一団で4コーナーへと向かっていった。

開催後半の湿った馬場ということで、エルモンストロは馬場の中ほどに出して直線へ。ここから後続との差が一気に詰まり、馬場の中央からアンブロークン、さらにロードアクアを挟んだ外に、人気薄(8番人気)のスティルネス、その外にジョディー。そして大外から勢い良く差を詰めてきたのが、1番人気のケイデンスコールだった。

残り200mを切ると、各馬ともさらに外へ外へと、直線1000m戦のゴール前のように……と言っては言い過ぎだが、かなり外ラチに寄ったところでの追い比べになり、最後は一番ファンに近いところを通ったケイデンスコールが鮮やかに差し切り勝ち。そのファンの1番人気の支持に応える重賞制覇となった。

ケイデンスコールのデビュー戦は、アドマイヤマーズとの追い比べにハナ差敗れての②着。そのアドマイヤマーズが中京2歳Sも連勝したことを受けての前走・未勝利戦だっただけに、単勝1.1倍が妥当かはさておき、断然人気は当然だろう。さらに、ケイデンスコールが勝った翌週、新馬戦③着のヤマニンマヒアも小倉芝1800mで2歳レコード勝ちを飾ったように、この新馬戦はハイレベル。3頭がそれぞれ勝ち鞍を伸ばしていけるか、引き続き注目していきたい。

一方、ケイデンスコールにはちょっと気になる点もあり。前述の「未勝利・1.1倍組」セイウンワンダーは後に朝日杯FSこそ制したものの、3歳以降はエプソムCの1勝のみで、G1は皐月賞菊花賞の③着止まりだった。

そして血統的には、おじで同じく新潟2歳Sを制したバランスオブゲームは「G2大将」。やはりおじのフェイムゲームは重賞6勝も、G1は天皇賞(春)の②着が今のところ最高だ。ほかにも同牝系ではドリームパスポート(クラシック②③②着など)や、最後にやっとG1に届いたステイゴールドなどといった名前も出てくるだけに、大レースで勝負強さを見せられるかがカギになる。

そういう意味で、相手が強かったとはいえ初戦のハナ差負けは気になる結果だ。ただ、ロードカナロア産駒だけに、近親各馬とは「持ち場」が違う可能性もあり。もっともロードカナロア産駒もアーモンドアイが2400mのオークスを快勝しているので、力さえあれば距離はなんとも言えないが、いずれにしても、さまざまな面から今後どんな結果を出していくのか、ファンには楽しみの多くある馬だと言えそうだ。


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