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速攻レースインプレッション

見据えている目標が違った

文/編集部(M) 写真/小金井邦祥


今年の新潟記念は、1番人気ブラストワンピース(3ヶ月ぶり)、2番人気グリュイエール(2ヶ月半ぶり)、3番人気セダブリランテス(約8ヶ月ぶり)と、休み明けの馬が上位人気に推された。他にも5ヶ月ぶりだったメートルダールと3ヶ月半ぶりだったレアリスタがいて、出走13頭のうち、休み明けの馬が5頭いた。

いくら汗をかきやすい季節とはいえ、休み明けは前走より馬体が増えて出走してくる馬が多いもの。事実、今回の休み明け5頭のうち、4頭はプラス体重だった。グリュイエールは4kg増の490kg、セダブリランテスは2kg増の524kg、メートルダールは20kg増の490kg、レアリスタは2kg増の480kg。唯一、休み明けでも体が増えていなかったのがブラストワンピースで、ダービー以来の3ヶ月ぶりだったが、馬体重は2kg減の530kgだった。

ブラストワンピースはダービーが2ヶ月ぶりの出走で10kg増(532kg)だったから、今回は2kg減でもまだ余裕があったのかもしれない。ただ、3歳馬で成長途中であろうことを加味すれば、それでもきっちりと作られてきたのだろう。結果的に見れば、菊花賞を勝つためには古馬相手でも負けてはいられず、他馬とは見据えている目標が違う、ということだったか。

今週末の新潟競馬は降雨の影響を受け、新潟記念も道悪馬場が必至かと思われた。土曜日(1日)朝の時点では芝・ダートとも不良馬場で、12Rが終了した時点でも芝・ダートとも重馬場だったから、新潟記念は良くて稍重馬場かと思っていた。ところが、日曜日(2日)の午前中には、芝は良馬場まで回復した。

良馬場とはいえ、さすがにパンパンの良馬場ということはないはずと思っていた。時計もある程度はかかるだろうと予想していたのだが、終わってみれば1分57秒5といういつもの良馬場での新潟記念と似たような決着時計だった。

ブラストワンピースは3歳馬で、大型のハービンジャー産駒でもあるから、馬場が緩くなり、時計がかかるようならプラスに働きそうだと思っていた。だから、レース直後は馬場も向いたなあなどと呑気な感想を抱いていたのだが、改めて走破時計を見て改心しました。いくらハンデ54kgとはいえ、3歳にしてこの時計で余裕を持って走り切るのだから、並みの馬とは違う

ブラストワンピースはダービーで「本命(◎)」にした馬で、いまでもそのレースぶりが印象に残っている。先行馬を見る位置に付けて直線に向いたが、前がごちゃついて捌ききれず、外に切り替えるロスがあって0秒2差(⑤着)で敗れた。父も母父もサンデー系ではなく、大型でもあるから、瞬時のスピードの切り替えで劣る可能性もあるとは考えていたが、本当にその部分の影響もあって惜敗するとは思ってもみなかった。

毎日杯を制した時は最内枠で、直線で内を捌いて快勝したが、あの時は10頭立てだった。今回は13頭立てでの最内枠だったとはいえ、大外を回っての差し切り勝ちで、これで500万以上での3勝は10~13頭立てふた桁馬番の時となった。スピードの持続力や総合力がG1級であることは間違いないだろうから、今後は直線でアクセルを踏み続け、フルスロットルの状態を続けることができるかがポイントになってくるのではないか。

レース後に池添騎手から話があったように、今後、ブラストワンピースは、無事なら最後の一冠(菊花賞)を獲りに行くことになるのだろう。

馬体重が500kg以上の大型の菊花賞馬と言えば、近年はキタサンブラック(15年・530kg)がいて、ゴールドシップ(12年・500kg)も該当する。10年前以前では、04年デルタブルース(526kg)、97年マチカネフクキタル(512kg)、96年ダンスインザダーク(504kg)、88年スーパークリークがいて、近30年での該当馬はこの6頭だ。

500kg以上で菊花賞を制した6頭は、ほとんどの馬が前走時と馬体重が似た数値だった。スーパークリークは増減なし、ダンスインザダークは2kg減、マチカネフクキタルは2kg増、ゴールドシップは2kg増、キタサンブラックは2kg減で、大きく変わっていたのはデルタブルース(10kg増)だけになる。

ちなみに、この6頭はいずれも中4週以内の臨戦だったが、果たしてブラストワンピースはどのような臨戦過程を踏み、どのような馬体重で出走してくるだろうか。

最後に余談だが、新潟の馬場には本当に驚かされた。水はけが良いことは分かっていたつもりだが、たった1日で芝が良馬場になり、ダートも稍重馬場まで回復するとは思ってもみなかった。

現在、馬場の含水率の発表は金曜日と開催当日の早朝に行われているが、雨雲レーダーと同じように、リアルタイムで動きを見られるような装置を開発して発表した方が良いんじゃなかろうか?


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