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速攻レースインプレッション

強い二冠牝馬に再挑戦、手に汗握るような熱い攻防を期待したい

文/浅田知広、写真/川井博


先日の紫苑Sでは、ノームコアがなかなかの勝ちっぷりを見せた秋華賞戦線。しかし、②着に3馬身もの差をつけながら「アーモンドアイが相手になるとなあ……」という声もちらほら、いや、かなり強力に。二冠牝馬というだけで簡単に撃破できるはずもないが、その勝ちっぷりから、歴代二冠牝馬の中でも相当な強さだと受け止められていることを、改めて感じさせられた。

さて、そんな流れでのステップレース第二弾、ローズSである。例年であれば春のG1馬が出走し、前哨戦ということもあってポロっと負けたり、意外な苦戦を強いられたり、なんてこともあったりするものだが、今年のアーモンドアイはぶっつけでの牝馬三冠挑戦。ここは、強い勝ちっぷりで挑戦状を叩きつける馬が現れるか、という一戦になった。

そのメンバー構成は、すでに一度アーモンドアイに手ひどく(?)やられた馬と、未対戦の馬とが、おおむね半々くらいだろうか。未対戦の新勢力が圧勝すれば期待は高まるところ。もちろん春に破れていようとも、ひと夏越して著しい成長を見せてくれれば、再挑戦で逆転の期待もかかる。

1番人気に推されたのは、4戦3勝でオークスに出走したサトノワルキューレオークスでは最後の決め手比べで桜花賞組に突き放され、⑥着敗退だった。ほかに上位人気では、オークス⑨着のオールフォーラヴ(3番人気)、⑬着だったカンタービレ(5番人気)、というあたりが「やられた」組。いずれもオークス前までは馬券圏内を外したことがなく、オークス「これほど差があったのか」と、力の違いを見せつけられる形になった。

一方、未対戦組ではサラキアが2番人気。チューリップ賞フローラSでともに④着と、他の実力馬との対戦では破れているが、その後、オープン②着、そして500万はレコード圧勝と、レースを重ねて再び力が問われる一戦だ。そしてもう1頭はセンテリュオ(4番人気)。こちらは春に牝馬限定の500万で連敗を喫したものの、休み明けだった前走の500万では、2000m1分57秒6という時計を叩き出しての重賞初挑戦である。

スタートはばらついて、特に内側の馬が多く出遅れたなあ、という印象。中でも特に1頭遅かったのが2番人気のサラキアだった。と、確認している間に、前からずるずると下がってきた馬がもう1頭、これがなんと1番人気のサトノワルキューレ。1、2番人気が後手を踏むという波乱のスタートとなった。

一方、前ではオールフォーラヴが好スタートも、できればほかの馬に行ってほしいという雰囲気。外からゴージャスランチ(8番人気)が先頭に立って、オールフォーラヴは3~4番手あたり。これを外から交わしてカンタービレが2番手につけ、センテリュオは中団。出遅れたサラキアはその直後あたりまで盛り返し、サトノワルキューレはそのまま最後方となった。

前半の800m通過は47秒5、1000mは59秒9で、開幕2週目の馬場としては遅い流れ。ただ、各馬とも外回りの直線を意識してか、道中で動く馬は見られず、上がり3ハロン11秒0-10秒8-11秒8の33秒6という、上がり勝負になった。

その残り600mあたりで先頭に立ったのが、ルメール騎手カンタービレ。直線入り口で軽く気合いをつけた程度で2馬身ほどリードを取ると、追い出されてその差は3馬身に広がった。後続からはまずサラキア、そして最後方の内から外に出したサトノワルキューレ、4角大外からのウラヌスチャーム(6番人気)といったあたりが脚を伸ばした。しかし、各馬とも一瞬は「おっ」という伸びを見せるものの、どうにもそれが長続きしない。

そうこうしている間に、最内から13番人気ラテュロスがこれに加わり、さらに逃げて早々に交わされたゴージャスランチも粘りに粘って、②着以下の争いは大混戦に。そこからなんとかサラキアが抜け出したが、前のカンタービレには及ばない。結局、カンタービレサラキアに1馬身4分の1差を保って押し切り、フラワーCに続くふたつ目の重賞タイトルを獲得したのだった。

オークスでは好位からまったく伸びずに⑬着大敗を喫したカンタービレ父ディープインパクト母の父ガリレオで距離が敗因というのもちょっとどうかと思ったが、今回、抜け出した瞬間の速い脚を見れば、どうやら切れ負けではなく距離で良さそうだ。

本番の秋華賞は距離延長とはいえ、オークスよりも400m短い2000m戦。このくらいならまず問題ないだろう。これで紫苑Sのノームコアともども、前哨戦の勝ち馬2頭が前々でアーモンドアイを待ち構えることになるだろう。そのアーモンドアイもオークスでは好位で立ち回ったが、今度はどんな競馬になるのか。カンタービレノームコアが楽に交わされるような展開ではなく、手に汗握るような熱い攻防を期待したいところだ。


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