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速攻レースインプレッション

中盤以降の厳しいペースでダービー組に向いた

文/編集部(M)、写真/小金井邦祥


1000m通過60秒9というペースはそこまで速くはなかったと思うが、その後、タニノフランケル&幸騎手は中盤以降にペースアップして、その流れに面食らった馬がたくさん出たように思う。7~9F目のラップが11秒5-11秒2-11秒6で、3コーナーを過ぎてからは力のない馬が振り落とされるサバイバル戦になった。

ジェネラーレウーノの鞍上・田辺騎手は、レース後に「逃げてる馬がペースを上げて、こっちの方が渋くなりそうだった」と振り返っていた。皐月賞を3頭雁行で淀みなく先行し、それでも③着に粘り込んだ馬&鞍上ですらそんな印象を抱いたわけで、G1重賞の厳しい経験がない馬にとってはきつかったに違いない。結果的に今年は前走ダービー組から勝ち馬が出て、掲示板内の5頭中3頭がダービー組となった。その背景には中盤以降の厳しいペースがあったように思う。

それを考えれば、重賞初挑戦だったレイエンダブレステイキングはよく頑張ったし、素質の高さを見せたと言える。特にレイエンダは大外枠ながら②着まで差し込み、兄(レイデオロ)に劣らない素質がありそうな一面を見せた。

「メインレースの考え方」で記した通り、今回のレイエンダには「負のデータ」がつきまとっていた。父ミスプロ系は過去のセントライト記念で[0.1.3.33]という成績で、中山開催時に限れば[0.0.2.30]で連対した馬がいなかった。加えて言えば、2000年以降のセントライト記念で前走が重賞ではなかった馬は6勝を挙げていたが、その6頭はすべてひと桁馬番で、すべてマイナス体重での出走だった。

レイエンダキングカメハメハ産駒で、8枠15番という大外枠に入り、レース当日の馬体重が増減なし(486kg)だった。ブレステイキングディープインパクト産駒4枠7番という枠順だったが、馬体重が10kg増の480kgで、両馬は過去の勝ち馬のデータに当てはまっていなかった。それでもダービー組の中に入って掲示板に載ったのだから、世代トップクラスの素質があると言っても良いのだろう。

セントライト記念
は父ミスプロ系の馬が勝てず、近年は父サンデー系か父ロベルト系か父ノーザンダンサー系ばかりが優勝している。サンデー産駒が出走し始めた95年以降(近23年)は、父サンデー系が16勝、父ロベルト系が3勝、父ノーザンダンサー系が3勝で、これら以外で勝利したのは97年シャコーテスコ(ホスピタリティ産駒)だけ。05年以降は父サンデー系か父ロベルト系の馬が13連勝中で、今年もこのデータ通りとなった(ジェネラーレウーノロベルト系スクリーンヒーロー産駒)。

ちなみに、父ロベルト系セントライト記念を制した3頭は01年シンコウカリド、07年ロックドゥカンブ、13年ユールシンギングで、2~4枠馬番3~7番だった。今回のジェネラーレウーノ3枠4番で、逃げるにしても番手に控えるにしてもレースをしやすい良い枠を引き当てたと言えるだろう。

「メインレースの考え方」で本命(◎)にしたジェネラーレウーノが勝ち、穴ぐさ・Aにしたグレイルが③着に入ったことで、個人的には少し返せたかなあとの感想を抱いた。

ジェネラーレウーノダービー穴ぐさにしたが、8枠16番から2番手に付けたものの序盤に行きたがり、直線で失速してしまって苦い思いをした。グレイル皐月賞穴ぐさ・Aにしたが、直線で前が詰まってスムーズさを欠き、③着ジェネラーレウーノと同タイムながら⑥着に敗れた。それぞれの得手不得手を把握していて、今回の舞台が合いそうに思っていたから、①着と③着という結果には安堵の思いがした。グレイルはまた直線で前が壁になり、肝を冷やしましたが……(苦笑)。

グレイルについては、「ハーツクライ産駒は中山芝2200m以上の重賞が[1.8.4.26]で、複勝率(33.3%)は高いものの突き抜けられないケースが目立つ」と記した。直線で捌きづらそうにしていて、あの辺りがハーツクライ産駒が突き抜けきれない要因だと認識したが、では、父ミスプロ系セントライト記念で勝てないのはどういう理由なのだろうか?

もしかして、中山芝2200mの重賞を勝った父ミスプロ系っていないのか?と思って調べてみたら、そんなことはなく、今年のアメリカJCCダンビュライト(ルーラーシップ産駒)など3頭が勝ち鞍を挙げている。しかし、その3勝はいずれもアメリカJCCで、セントライト記念では[0.1.2.32]、オールカマーでは[0.2.0.11]という成績が残されている。

アメリカJCCが行われるのは1月で、セントライト記念オールカマーは9月の施行だ。当然、9月施行時の方が決着時計は速くなりやすく、アメリカJCCを父ミスプロ系が勝利した3回のタイムは2分13秒3~2分17秒3だった。決着時計が速いと、他の先行型が止まらなかったり、父ミスプロ系以上の決め手のある馬に交わされるケースが出てくるのだろうか。

いまいち判然としないが、今年のオールカマーは来週末にあり、前述したダンビュライトや、レイエンダの全兄レイデオロが登録している。他には父サンデー系が7頭、父ロベルト系が2頭などが登録していて、来週末もこの3系統の激しい戦いが見られそうだ。レイデオロレイエンダの仇を取り、父ミスプロ系の呪縛を解くことができるだろうか、それとも……?


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