独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

速攻レースインプレッション

父に似た成長曲線と戦績で、G1制覇へ前進

文/編集部(T)、写真/小金井邦祥


今年はJBCが行われたためにいわゆる"G1(Jpn1)"の切れ目がなくなったが、例年のアルゼンチン共和国杯といえば、天皇賞・秋エリザベス女王杯の谷間の週に行われる。そういうこともあってか、かつてはG1ではまだ不安だが、ローカルG3だと軽すぎるという、ハンデG2らしいメンバーが集まるレースだった。

個人的には約4年ぶりの勝利を飾ったエルウェーウィン(96年)、トウカイテイオーの半弟で、これが結果的に唯一の重賞勝ちとなったトウカイオーザ(01年)、武士沢騎手が念願の重賞初制覇を飾ったトウショウナイト(06年)などが印象に残っているが、皆さんはどうだろうか?

そんな"心のアルゼンチン共和国杯馬"はともかく、近年はG1に繋がるケースも多い。07年のアドマイヤジュピタを皮切りに、08年スクリーンヒーロー、10年トーセンジョーダン、15年ゴールドアクター、16年シュヴァルグラン、そして昨年のスワーヴリチャードがここを制し、後のG1制覇に繋げている。

この6頭に共通するのは、いずれも3番人気以内での制覇だったこと。今回は1番人気が3.5倍でムイトオブリガード、2番人気が4.4倍でルックトゥワイス、そして3番人気が4.8倍でパフォーマプロミス上位拮抗ムードを呈していた。

レースは4番人気で、春にこのコースの目黒記念を制したウインテンダネスが先導。パフォーマプロミスは中団やや前で追走し、ムイトオブリガードはその後ろ。ルックトゥワイスは隣の枠のアルバートと揃って伸び上がるようなスタートで出遅れ、後方からの競馬になった。

ウインテンダネスも有力馬の一角ということで色気たっぷりの先行策になり、レースはスローペースに。道中でも動く馬はおらず、1コーナーの入りと4コーナーの位置取りが全馬ほとんど変わらない。余力を残して直線を向いたウインテンダネスがしばらく粘っていたが、残り200mで失速気味に。2番手集団から満を持してという感じでパフォーマプロミスが抜け出し、大外から追撃してきたムイトオブリガードの追撃を振り切った。

これで重賞2勝目となったパフォーマプロミスだが、個人的にもこの馬には思い出がある。元々体質が強くなかったようで、初戦は3歳の9月21日、スーパー未勝利といわれる一発勝負のレース。ここで②着以下に敗れると、もう中央で未勝利戦を使うことができない、崖っぷちでのデビューとなった。

既走馬相手のデビュー戦で、条件は厳しい。しかし、馬を無理使いせず、狙ったところで結果を残している藤原英厩舎ということで、「ここまで待って使ってくるということは、勝算があるはず」と見て穴ぐさに指名したことを覚えている。

そんな期待は別にして、パフォーマプロミスはそこを見事勝利したことで、一気に展望が開けた。それからも休みを挟みながらではあったが着々と戦績を積み上げ、準OPに上がったのが5歳3月OP入りを果たしたのが5歳12月だった。

そして、明け6歳初戦となった今年の日経新春杯で初重賞制覇。初めてのG1挑戦となった宝塚記念では⑨着に敗れたが、秋初戦のここで重賞2勝目を飾り、一気に本格化を示した。

改めてパフォーマプロミスの戦績を振り返ってみると、休み明けから連続で使うのは4戦まで、間隔は詰まっても中2週。体質が強化されてきたのもあるのだろうが、ここまで無理なく馬が成長してきたのは、厩舎や育成牧場関係者の尽力は間違いなくあるだろう。

思い返してみると、父ステイゴールドもG1の②着は多数あったが、重賞初制覇を飾ったのは6歳のことで、コースは今回と同じ東京芝2500mの目黒記念。翌年は日経新春杯を制していて、このあたりはパフォーマプロミスとよく似ている。

さらに冒頭で触れたように、アルゼンチン共和国杯がG1に繋がるようになっているのも心強い。次がどこになるのかはまだ分からないが、今の成長曲線なら、G1に届く日が来ても不思議はなさそうだ。

一方、②着のムイトオブリガードもゲートでやや出負けしたが、メンバー最速となる32秒5の上がりを使って力は示した。こちらは500万勝ちの次走で挑戦した阪神大賞典は⑧着に敗れたが、そこから一気に上昇してきた。まだ4歳だし、父ルーラーシップ祖母シンコウラブリイということで成長力も秘めていそう。こちらも今後に期待したい。


TOPページに戻る