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速攻レースインプレッション

負けて何を得てきたのか?を考えるべきだった

文/編集部(M)、写真/小金井邦祥


1番人気に本命(◎)を打って馬券圏外に敗れるのと、1番人気に印を打たないで勝たれるのと、果たして予想する者としてどちらがよりダメなのか…? サンライズノヴァが先頭でゴールしたのを見届けて、ふとそんな思いがよぎった。昨年の武蔵野Sではサンライズノヴァ(1番人気⑫着)に本命(◎)を打ち、今年は◎◯▲のいずれも付けなかった……。

サンライズノヴァに印を回さなかった理由は後述するとして、同じ轍は踏まない、というか、同じ失敗を繰り返さないことが上達のための必須事項との思いを改めて抱いた。サンライズノヴァは昨年の武蔵野S以降、ずっと戸崎騎手に手綱を任せていて、そのことと今回の快勝劇は無関係ではなかったと思う。

前走のグリーンチャンネルCでは、休み明け(約4ヶ月ぶり)の影響もあってか、大きく出遅れた。そこまでではなかったにしても、今回のサンライズノヴァもスタートは速くなく、後方を追走する形になった。昨年の武蔵野Sは他馬と互角のスタート切ったが、スローペースで馬群が固まり、馬群の中で揉まれる形になった。あのレースがあって、今年の騎乗があったのだろうと想像した。

昨年は良馬場でペースが緩み、先行した馬がそのまま粘り込む結果だった。対して今年は、稍重馬場でペースアップし、差しを利かせやすい展開になったことも良かったのだろう。それにしても、計時した上がりはメンバー中最速の34秒8で、これだけの速い上がりを繰り出されれば他の馬たちは白旗を挙げるしかなかった。

サンライズノヴァは近4走がすべてOP特別だったが、いずれもメンバー中最速の上がりを使い、[2.2.0.0]と連対圏まで差していた。東京ダートでの決め手は一枚上手のものがあり、それは誰もが認めるところ。素直に考えれば印を回すべきだったのだろうが、それをしなかったのは武蔵野Sでの過去データが気になったからに他ならない。

武蔵野Sが重賞となってから今年で23回目で、過去22回で父サンデー系の馬は1勝止まりだった(勝利したのは03年のサイレントディールだけで[1.4.1.53])。東京ダート1600mが舞台となったのは00年からで、同コースでの重賞はユニコーンSフェブラリーSがあるが、近年はユニコーンSの勝ち馬や前年以前の武蔵野S勝ち馬が優勝できていないことも気になった。近10年ではそのようなタイプの優勝馬は、2015年のノンコノユメ(同年にユニコーンS①着)だけだった。

東京ダート1600mでの武蔵野Sでは1番人気が[4.4.2.7]という成績だったが、優勝した4頭のうち3頭は3歳馬で、4歳以上の馬は[1.3.0.5]でもあった。さらに言えば、サンライズノヴァ自身のこれまでの勝ち鞍が馬番7番より外枠で、2枠4番という枠順も微妙に思われた。他に魅力的に映った馬が複数いたこともあり、印を回さない決断を下したのだった。

データを重視した決断ではあったが、父サンデー系があまり優勝できていない理由は何? 過去に同コースの重賞で勝利実績があった馬が勝てていないのはなぜ? と聞かれたら、明確な返答ができないなあとは感じていた。これが中山ダートでの重賞や短距離のダート重賞なら想像が付きやすかったが、父サンデー系の決め手が活きやすい東京ダートで不振の要素は見つけづらかったのも事実だ。今後、そのように感じるデータについては、もっと注意を払って扱うようにします……。

過去データよりも、負けて何を得てきたのか?をもっと考えるべきだったのだろう。戸崎騎手サンライズノヴァに8戦連続で騎乗することで、内枠でも出遅れても、東京の長い直線で決め手を活かす作戦がもっとも合っていると考え、臨んでいたのではないか。去年がダメだったからこの舞台は合わない、と短絡的に考えず、敗北から何を得て臨んできているのか、そこに思いを馳せるべきだった。

競馬に限った話ではなく、何事も、ミスしたり、失敗したり、負けた後に本当の勝負が始まるってことだった。そのことは競馬でずいぶん勉強してきたつもりだったが、つい忘れがちになる。エリザベス女王杯も、G1に7度挑戦して勝てていなかったリスグラシューが戴冠しましたね。

サンライズノヴァは、順調であればチャンピオンズCに向かうようだ。OPでの5勝を1400~1600mで挙げていて、距離延長で馬場を1周するコースに替わることがポイントになりそうだが、ひとつ付け加えておくと、今回のサンライズノヴァは序盤に後方に位置していながら、早めに動いて長く脚を使っていた。最後に外からクインズサターンが迫ったように見えたかもしれないが、序盤により後方にいたのはサンライズノヴァの方で、同馬が先に動いて3~4角で追い越し、そのままゴールまで伸び続けていた。

サンライズノヴァは父がゴールドアリュールで、祖母の父にリアルシャダイを持っている。チャンピオンズCでも1800mは距離が長いと短絡的に考えず、枠や展開も加味して考え、総合的に判断をするべきなのだろう。


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