独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

速攻レースインプレッション

多頭数の厳しいペースが、北海道組の激走を生んだ

文/編集部(T)、写真/小金井邦祥


出馬表が出た瞬間、「おっ!?」という感想を抱いた方が自分以外にもいらっしゃるのではないだろうか。フルゲートには及ばないものの、16頭の出走頭数を集めた今年の東京スポーツ杯2歳S。短距離重賞ならともかく、芝1800mの2歳重賞がこれだけの頭数を集めることは珍しく、このレースが16頭立て以上となるのは2010年(16頭立て)以来8年ぶりだ。

個人的に、近年の2歳中距離重賞の多くが少頭数のスローで瞬発力だけが問われる展開になっていることに少々辟易していたので、この頭数に「おっ!?」と思ったわけです。

それはそうと、頭数にかかわらず、このレースは"出世レース"として知られる。7頭立てで勝った昨年のワグネリアンは今年のダービーを制したし、近年でもサトノクラウン、イスラボニータ、ディープブリランテなどなど、ここを勝って後にG1を制した馬の名前がずらりと並ぶ。

それだけに今後に向けても注目したいレースだが、頭数が多い上にキャリアが少ない2歳戦で、馬券的には難解。新馬勝ちから臨んできた馬が6頭いたが、その中で、1番人気に推されたのはルヴォルグ。デビュー戦はこのコースで、好位追走からメンバー最速の上がり33秒6でまとめて4馬身差を付けていた。

一方、OPで馬券圏内がある馬もいて、2番人気ヴェロックス野路菊S(阪神芝外1800m)②着、3番人気カテドラル野路菊S①着馬。野路菊Sからの臨戦は昨年のワグネリアンと同じで、その点でも注目である。

一方、メンバー中で唯一重賞(札幌2歳S)勝ち実績があるニシノデイジーは8番人気、同コースのコスモス賞を勝ち、札幌2歳S②着のナイママは10番人気、コスモス賞②着馬アガラスは7番人気で、人気の面では本州組>北海道組の構図となっていた。

レースは、ルヴォルグが大きく出遅れる波乱のスタート。3コーナー手前でゴータイミングが掛かり気味に進出したところでペースが上がり、直線に入って前が止まると、中団から脚を伸ばしたヴァンドギャルドが先頭に並びかけるが、これに一旦交わされたニシノデイジーがしぶとく脚を伸ばして差し返し、先頭でゴールを切った。

②着にもアガラスが入り、北海道のOPで実績があった組が上位2頭を占めたが、この結果は多頭数が生み出したレース展開が影響したような印象も受けた。

ラップを見ると、道中で掛かって進出してきた馬がいたことで、後半5ハロンで11秒台が並ぶロングスパートのレースに。一瞬の切れ味に見るものがあったディープインパクト産駒ヴァンドギャルドが、ハービンジャー産駒で、力の要る北海道の洋芝で実績を残したニシノデイジーに差し返されたのは納得できる。

そして、この勝利はニシノデイジーにとっても展望の開ける勝利となった。過去10年の東京スポーツ杯2歳Sのうち、13頭立て以上だったのは6回だが、その中で勝ち馬6頭中5頭(ナカヤマフェスタ、ローズキングダム、サダムパテック、ディープブリランテ、イスラボニータ)が後にG1馬となり、例外のコディーノも朝日杯FS②着、皐月賞③着の実績がある。"出世レース"の勝ち馬が今年も結果を残す可能性は、決して低くなさそうだ

先週日曜の京都で、1~11レースを外国人騎手が勝利したことが話題を呼んだが、このレースはモレイラ騎手こそ香港遠征で不在だったものの、外国人騎手が6名参戦。その中で②~⑥着を外国人騎手が占めたが、勝利したのは勝浦騎手だった。外国人騎手全盛の時代に、これは印象深い。次走はホープフルSとなる可能性が高いと伝えられているが、このコンビがどこまで突き進めるか、この点にも注目したい。

一方敗れた組も、②~④着はハナ+アタマ+ハナの僅差で、このあたりはレース展開によって結果は変わりそう。ルヴォルグも出遅れが最後まで響いた形で、これで評価を下げすぎるのは危険だろう。

何より、スワーヴリチャード(16年②着)、レインボーライン(15年⑨着)、サトノアラジン(13年⑤着)、ワンアンドオンリー(13年⑥着)、マイネルホウオウ(12年⑧着)、ジャスタウェイ(11年④着)など、敗れた馬の中にも後のG1馬が多くいることが"出世レース"といわれる理由でもある。まだまだ2歳馬。逆転のチャンスは大いにある。


TOPページに戻る