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速攻レースインプレッション

適距離で重賞初勝利、来年以降の活躍は保証された!?

文/出川塁、写真/森鷹史


京阪杯は16時15分発走か。JC前から書き始めないと間に合わないリスクがあるな」と、普段の速攻インプレより早く執筆に取り掛かったのだが、2分20秒6という見たこともない数字に呆然としているうちに京阪杯のファンファーレが響き渡り、結局は元の木阿弥なのだった。

アーモンドアイがこの驚異的な時計を生み出す源泉となったひとつが、父ロードカナロアゆずりのスピードであることに疑いの余地はない。距離の不安はつきまとうが、これほどの高速バトルになるとスタミナ以前の問題として、基礎スピードが足りない馬ではそもそもレースにならない。先だって、来年の種付料が倍増に近い1500万円に跳ね上がることが発表されたが、このスピードを求める生産者はそれでも後を絶たないことだろう。

そのロードカナロアが重賞初出走初勝利を挙げたのは、2011年の京阪杯のことだった。ジョーカプチーノやワンカラットといった歴戦の古馬たちを差し置いて1番人気に推され、期待に応えて快勝。また、翌年の京阪杯を制したハクサンムーンも長らく第一線を戦い、個性派の逃げ馬として高い人気を誇った。

この両馬が京阪杯を勝ったのはいずれも3歳時。すこし出世が遅れた3歳のスプリンターにとって、勝てば来年以降の活躍を保証されるゲンのいいレースともいえそうだ。

そして今年は、ロードカナロア産駒の3歳馬が2頭エントリーしてきた。ダノンスマッシュは前走のキーンランドCで②着に入り、すでに古馬重賞での実績を持つ。牝馬のアンヴァルも前走のオープン特別・オパールSで古馬を下している。もう1頭のアサクサゲンキを含めた3歳馬がどういうレースをするのか。今年の京阪杯における個人的な関心はそこにあった。

ゲートが開き、外枠から押してハナを奪ったのは2番人気のワンスインナムーンスプリンターズSでも2年連続で逃げたこの馬のダッシュ力はさすがである。ダノンスマッシュもスタートはよく、内目の3、4番手を追走。人気どころで動きがあるのは3番人気のアレスバローズで、引っ張りきれないぐらいの手応えで先団にとりつき、4コーナーの手前で早くも前の2頭に競りかける勢いだ。

しかし、直線の半ばでワンスインナムーンが手応えを失うと、一旦は先頭に立ったアレスバローズも残り200mを切ってから急激に失速。人気の古馬2頭は馬群に沈んでいく。代わって内から突き抜けたのがダノンスマッシュ。直線に入ってすぐのところでは行き場を失いかける場面もあったが、最内に進路を見つけると鋭く伸び、ゴール前では手綱を緩めるほどの余裕で重賞初勝利を飾った。

さらに最内からはもう1頭、最後方待機のナインテイルズがラチ沿いから②着に突っ込み、4角2番手から渋太く粘ったダイアナヘイローがハナ差の③着。勝ったダノンスマッシュは1番人気も、12番人気、11番人気の伏兵2頭が馬券に絡んで3連単は54万馬券の高配当となった。

最後にもうひとつ。先週のステルヴィオ、今週のアーモンドアイとダノンスマッシュで、古馬混合重賞を制したロードカナロア産駒は3頭となったのだが、この3頭は「サンデーサイレンスの位置」が距離適性に大きな影響を与えていることがわかる。

サンデーが2代(母父)の位置に入るアーモンドアイは2400mでJCを制覇。サンデーが3代(母母父)の位置に入るステルヴィオは1600mでG1勝ち。サンデーを持たないダノンスマッシュは1200m重賞を勝利。この通り、サンデーの血が濃い産駒ほど距離がもつ傾向が出ているのだ。これは今後の馬券のためにも覚えておいて損はないだろう。

ダノンスマッシュ自身、これで1200m戦は[2.1.0.0]と凡走なし。1600m中心に使われた朝日杯FSからNHKマイルCまでの4戦は結果を出せなかったが、どうやら最適な距離を見つけたようだ。また、父ロードカナロアをはじめ、カレンチャンやダッシャーゴーゴーなどを育てて短距離王国として名高い安田隆行厩舎に所属することも心強い。春秋G1制覇の現王者ファインニードル打倒に向けてノウハウを注ぎ込まれ、来年はひと回り大きくなった姿を見せてくれそうだ。


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