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速攻レースインプレッション

スペシャリストが続々登場する、阪神芝1400mというコース

文/編集部(T)、写真/森鷹史


2006年の創設以来、阪神Cは12月の阪神芝1400mという条件を維持して、今年で13回目を迎えた。この時期は芝1200mのスプリンターズSからは2ヶ月半ほど間隔が空くが、芝1600mのマイルCSからは1ヵ月ほど。それまでに積み上げてきた実績の影響を受けない定量戦ということもあって、マイルCSを使われてきた強豪馬が参戦してくるケースが多い。

実際、今年も春にヴィクトリアマイルを制し、前走のマイルCSで⑥着に健闘したジュールポレールが1番人気に推されている。2番人気は今年のNHKマイルCで④着に入ったミスターメロディ、3番人気はそのNHKマイルCの覇者ケイアイノーテックで、上位人気はマイルG1で上位に入った実績がある馬になった。

競走馬にとって、距離延長は距離短縮より難易度が高いといわれる。ならば阪神Cも前走マイルCS組から……と思いきや、ことはそう簡単ではない

過去12回の阪神Cで1番人気は[2.1.1.8]だが、このうち前走がマイルCSからの臨戦で勝利した馬は07年のスズカフェニックスだけ。2010年以降の8回で前走がマイルCSだった馬は5頭が1番人気に推されているが、その成績は⑤⑩⑦⑦⑥着。馬券圏内に入った馬さえ出ていない。

前走マイルCSから阪神Cを制した馬は5頭出ているのだが、1番人気に推されるとなかなか結果を残せない。果たして今年のジュールポレールはどうか。

レースは今年の京王杯スプリングC勝ち馬で、4番人気を集めていたムーンクエイクが痛恨の出遅れ。ダイアナヘイローがハナに立ち、ミスターメロディラインスピリットレーヌミノルといった先行馬が競りかけなかったことで、隊列がすんなりと決まった。

前半600mは34秒8とさほど速くなく、ダイアナヘイローはマイペースの逃げ。今開催の阪神は前が止まりづらく、この時点で後方勢には厳しい流れになる。勝負所でミスターメロディが差を詰めてきたが、ダイアナヘイローは最後まで交わさせず、半馬身差を保ってゴールを駆け抜けた。

一方、ジュールポレールは序盤から忙しい感じで後方からの競馬になり、メンバー2位の上がり34秒6で猛然と追い込んできたが⑤着まで。1番人気の連敗が伸びることになってしまった

ダイアナヘイローは前走が京阪杯(京都芝1200m、③着)からの臨戦となったが、同じく距離延長で臨んだ今年の阪急杯(阪神芝1400m)を制していて、この距離がベストなのだろう。②着ミスターメロディも芝1400mの重賞勝ちがあった馬で、③着スターオブペルシャも芝1400mが[4.3.4.2]だから、結果的にはこの距離に対する実績が豊富な3頭が上位を占める形になった。

阪神芝1400mのスペシャリストとして思い出したのが、このコースの重賞で②③⑥①①③①④④②⑬着という実績を残したサンカルロ。牡牝の違いはあるが、5歳時に阪急杯阪神Cを連勝した点はダイアナヘイローと似ている。

また、阪神が改装された07年以降、阪急杯阪神Cで馬券圏内に入った馬は延べ57頭で、そのうち2回以上馬券圏内に入ったのが15頭。サンカルロ以外にもキンシャサノキセキ、リアルインパクトが阪神Cを連覇している。この条件はスペシャリストがいて、それだけにリピーターが発生しやすいのだろう。この傾向は今後も続く可能性が高そうなので、覚えておきたい。

ちなみに、今年は芝&ダート路線ともに3~4歳馬の活躍が目立つが、全部で16レース行われた芝1400m以下の古馬重賞のうち、5歳馬は12勝を挙げていて、次いで6歳の2勝、3、4歳が1勝ずつだから、この数字は突出している。短距離重賞では5歳馬の壁が厚く、3~4歳馬はこれを乗り越えきれなかった印象を受ける。

来年は明け4~5歳勢の逆転はあるのか。今回の上位馬が出走してくるかどうかも含めて、来年の阪急杯は注目だ。




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