独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

速攻レースインプレッション

中山巧者が明け4歳勢を下して見事に雪辱

文/浅田知広、写真/小金井邦祥


昨年はとにかく「3歳馬、3歳馬、3歳馬!」。平地の古馬混合戦の成績を調べてみると、G1・4勝は2000年以降で最多、オープン(重賞含む)17勝は2012年(ゴールドシップ、ジェンティルドンナ世代)の20勝に次いで2位。実は一昨年もオープン15勝(3位)と多く、2年続けて3歳馬が強かったことになる。

そんな流れを受けた年明けは、今年も金杯スタート。京都金杯は、その明け4歳世代が1~3番人気を独占した。しかしこちら中山金杯は、このコースのG1馬タイムフライヤーこそ2番人気になったが、コズミックフォース6番人気、ステイフーリッシュ7番人気、そしてタニノフランケル9番人気と、4歳に妙味のある馬が揃うレースになった。

ちょっと嫌みな言い方をすれば「もう忘れちゃったの?」。いや、有馬記念も月曜までは「ブラストワンピースって唯一の3歳馬だよなあ」と思っていたわけで、すでに当方少なくとも1回は、その「忘れちゃった」クチの1人である。

そんな明け4歳勢を抑えて、頭ひとつ抜けた1番人気に推されたのはマウントゴールド。昨年はこの距離2勝、重賞でも小倉記念③着、チャレンジC②着と、そろそろ①着か、という流れだ。ただ、その重賞2戦がともに、勝ち馬からコンマ5秒も離れていたのは少々気に掛かる。

4歳タイムフライヤーを挟んで3番人気は、昨年このレース②着のウインブライトスプリングS中山記念勝ちなど、この中山は好相性を誇っている。ただ、昨年比で2キロ増、58キロのトップハンデを課された。続く4番人気のエアアンセムは、条件クラスの安定株から、昨年7歳にして重賞の安定株に。そしてランガディア(5番人気)は、2度の長期休養などがあり、5歳でもキャリアは浅く8戦5勝。5歳以上の各馬は「ハンデ戦のG3」らしく、なかなか多彩な面々である。そんなメンバー相手に、果たして明け4歳勢がどんなレースを見せるのか。

各馬まずまず揃ったスタートから、押して押して先手を取ったのはタニノフランケル。続く2番手にはコズミックフォースと、4歳勢が先導する形になった。前半の800m通過は47秒3、1000mは59秒9で平均ペース。これを動かしにかかったのもやはり4歳勢で、ちょうど1000mを切ったあたりで、まずステイフーリッシュが後方から一気に前へ。そこから一呼吸置いて、これに続いたのはタイムフライヤー。2頭がどこまで上がるのかとみていれば、先に動いたステイフーリッシュはあっという間に3番手。タイムフライヤーも4角手前ではその直後に取りつき、出走していた4歳馬4頭が、先頭から4番手までを占めて4コーナーを通過するという、思いもよらない展開となった。

この動きで真っ先に苦しくなったのは、やはり前の4歳馬だったが、重賞実績のないタニノフランケルは快調に先頭。ムチが激しく入りながらも後退したのは、ダービー③着、このコースで京成杯②着もあるコズミックフォースだった。

直線に向くと、残り200mを切ってもタニノフランケルが先頭で、これにじわじわとステイフーリッシュが接近。後から動いたタイムフライヤーはやや伸びを欠いたものの、そのまま前の4歳馬2頭のワンツーか、という残り150mの態勢だった。

しかし、見せ場作りは若い4歳勢に任せ、最後の「おいしいところ」は持っていきますよと、息を潜めていた馬が1頭。昨年②着のウインブライトだ。向正面ではステイフーリッシュタイムフライヤーを先に行かせ、その後から満を持して進出開始。いや、トップハンデもあってか「満を持して」と言うほど手応えは良くなかったが、押して4コーナーでタイムフライヤーの直後まで取りつくと、ひと伸びを欠く同馬の外から、息の長い末脚を発揮。残り20~30mのところで内のステイフーリッシュタニノフランケルを捕らえきり、見事に昨年②着の雪辱を果たしたのだった。

これでウインブライトは、17年のスプリングS福島記念、そして昨年の中山記念に続く重賞4勝目。中山では、G1・皐月賞(⑧着)を除けば[4.2.0.0]と抜群の好相性を誇っている。もしG1に昇格したのが大阪杯ではなく中山記念だったら、と言いたくもなる成績だが、そればかりは仕方ない。中山とコース形態の似た阪神内回り・大阪杯は昨年着に終わっている。

さて、今年は大阪杯でも雪辱があるのか。あるいはやっぱり中山、今度はもう金杯ではなく、マイラー~中距離型でも好走のある有馬記念を狙う手もあるだろう。いざ有馬記念で好走されたときに「忘れちゃったの?」とならないように、年末までしっかり覚えておきたい(忘れても思い出したい)ものだ。




TOPページに戻る