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速攻レースインプレッション

シャケトラがサクラローレルやトウカイテイオーに並ぶ偉業を成し遂げた

文/編集部(M)、写真/小金井邦祥


昨年の菊花賞を3ヶ月半ぶりで優勝したフィエールマンは、1987年のサクラスターオー以来、実に31年ぶりに休み明けで菊花賞を制した馬だった。それだけに、このアメリカJCCにおいて、休み明け不振のデータを使って割り引いていいものかどうか迷ったが、今回は菊花賞のようなレースにはならないのではないか?と考え、評価を下げることにした。

昨年の菊花賞はジェネラーレウーノが逃げたが、3000mという距離もあってスローペースになり、レース上がりが34秒2と速くなった。ゆったり流れて最後の瞬発力比べになったことで、休み明けでもスタミナを温存でき、走りやすかったのではないかと推察した。

それに対してアメリカJCCは、過去30年で休み明けの馬が1勝止まり([1.6.1.62])のレースで、1月開催の荒れ馬場で、最後の直線に急坂が待ち受けるコースでもあり、休み明けよりも順調に使われている馬に分があると考えていた。フィエールマンであっても、中山巧者のジェネラーレウーノであっても、3ヶ月ぶりであることが最後に響くのではないかと思っていた。

結果から言えば、フィエールマンはアタマ差の②着で、ジェネラーレウーノは④着に敗れたわけで、この2頭に対する評価は悪くなかったのかもしれないが、勝利したのがもっと長い間休んでいたシャケトラで(一昨年の有馬記念以来で1年1ヶ月ぶり)、結局、頭を抱えることになった……。

過去30年のJRAの平地重賞で、1年以上の休み明けで勝利した馬は1996年中山記念でのサクラローレル(1年1ヶ月ぶり)だけで、他にはちょうど1年ぶりの有馬記念(1993年)を制したトウカイテイオーがいる。今回のシャケトラと合わせて考えれば、中山芝での重賞なら可能な偉業だったか。トウカイテイオーはダービーやジャパンCを制し、サクラローレルも後に天皇賞・春と有馬記念を勝利したのだから、シャケトラの今後にも大いに期待すべきなのだろう。

アメリカJCCで休み明けの馬が不振だったことと、レースの上がり3Fがかかりやすいことは、無関係ではなかったと思う。過去10年で見ても、このレースの上がり3Fが34秒台となったことは一度だけ(2015年)で、昨年も一昨年も36秒台とかかっていた。

先行型が揃っていた今年も、ある程度ペースが流れて上がりは普通にかかるだろうと予想していたが、フタを開けてみたら1000m通過が62秒2と遅く、残り800mを過ぎるまでペースが上がらなかった。

結局、レースの上がり3Fは34秒6で、これは中山でのアメリカJCCにおける歴代2位タイの速さだった。昨年の菊花賞とは異質のレースになるだろうと想像していたが、それに反して再びスローの瞬発力勝負となり、休み明けの馬にとっては走りやすい流れだったのだろう。

スローの瞬発力勝負はフィエールマンにとってはおあつらえ向きだったろうが、シャケトラは道中で行きたがる面が見られたこともあった馬で、折り合い面を考えればスローが良いとも言いづらかったのではないかと思う。実際、今回のレースでも、シャケトラは序盤に行きたがる感じになっていたが、それでも4コーナーで手応え良く進出してきて押し切ったのだから驚いた。G2では地力が上だったということか。

フィエールマンに対してどういった評価をすべきかを考えてきたこの一週間で、負かすとしたらどの馬か、いろいろと思案してきたつもりだが、まさかデビューからの3戦で騎乗していた石橋騎手が、戸崎騎手に乗り替わってシャケトラに騎乗し、フィエールマンを抑えて勝利することになろうとは、想像できなかった。つくづく競馬は不思議な巡り合わせがあるものだと思う。


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